援護チームの移動を開始
『ガラガラッ』
『ヒュウゥゥーー』
『ドドドドドドドドドドドドドーー』
稲光と風の斬撃。
そして、音波の連続攻撃が洞窟内を跳んでいく。
シャリル達は魔法を放ち、制圧射撃を加えて、リザードマン達に圧力を掛け続ける。
『ヒュウーー』
『ヒュウッ』
『ヒュッ』
リザードマン達も大楯の裏に隠れ。
リザードマン・クロスボウ兵とリザードマン弓兵が、交互に矢を放つ。
「サンダーショット」
「エアーストーム」
ビョルンは、正面に布陣するリザードマン達に、ニッケルハルパを向け。
制圧射撃で釘付けにしようと、音波魔法を撃ち続ける。
シャリルとリュージン達は、正面と右斜め前方に位置する、リザードマン弓兵を狙い。
正確に魔法を放ち、ジョージ達から注意を遠ざける。
「シャリル、リュージン、ビョルン、そこはもう良いぞ」
ジョージは援護射撃を続ける、シャリル達に聞こえるよう大声で叫びつつ。
次の指示を出した。
「これから俺とミリカが援護するっ! お前等は魔法を放ちながら一人ずつ、こっちに来るんだ」
「分かりました、リーダー」
「リーダー殿、承知したっ!」
ジョージが詳しい指示を出すと。
シャリルとリュージン達は、素直に答え、指示に従って動き出した。
「リーダー、僕はここで援護を続けるので先に、二人をそちらに行かせますっ!」
「分かったっ! ビョルン、二人が来たらお前も直ぐに来いよっ」
ビョルンとジョージ達が、叫ぶ様に言い合うと。
シャリルとリュージン達は、指示通り。
魔法を放つのを止めて、遺跡の壁づたいに移動を始める。
「今だっ! ミリカ、撃つぞっ! ダークボール、ダークボール」
「分かってるわよっ! ジョージッ! フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール」
二人の放った魔法。
それは・・・大楯、クロスボウ、弓を構えるリザードマン達に跳んでいき。
当たりはしなかったものの、圧力を掛ける事には成功する。
そうして、ジョージとミリカ達が敵の注意を惹いた。
そのお陰で、シャリルとリュージン達は、素早く走り。
無事ジョージ達四人の所にたどり着く事が出来た。
「二人とも、無事で良かったな」
「ほんとよ、無事で良かった」
「シャル・・・傷は無いか?」
ジョージ、ミリカ、アレリオ達はそう言い。
戻って来た、シャリルとリュージン達の無事な姿に安堵した。
「リーダー、お姉さま、おかげ様で助かりました援護感謝します、アレリオ大丈夫よ傷も怪我も無いわ」
「リーダー殿、ミリカ殿、ワシも御二人の援護攻撃に感謝致します」
シャリルとリュージン達は、魔法による援護攻撃に感謝の意を示し。
ジョージとミリカ達への礼を述べた。
「感謝は良い・・・それより、次はビョルンを援護する、ダークボール、ダークボール」
「二人も一緒に撃つわよっ! フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール」
「サンダーショット、サンダーショット」
「エアーカッター、エアーカッター、エアーカッター」
四人は様々な魔法を放ち、リザードマンに圧力を掛け。
一人、孤軍奮闘するビョルンから、リザードマンの注意を遠ざける。
「ビョルン、早く来いっ!」
「ビョルン、アタシの所に早く来て頂戴っ!」
たった一人で、リザードマンと戦い続ける、ビョルン。
ジョージとニウ達は、彼に向かって叫び声を上げて呼ぶ。
『ドドドドドドドドドドドドドーー』
「リーダー、今行きます」
ビョルンはそう言うと、壁づたいに身を隠しつつ。
ジョージ達の元へ向け、歩いて移動を開始した。
『ヒュウンッ』
「ぐっ? ・・・刺さったか」
「ああああっ!?」
ジョージの籠手の隙間とミリカの胸元に、リザードマンの射ち放った矢が突き刺さる。
「シャリル、頼む回復してくれ」
「お願い、シャリルちゃんっ!」
ジョージは矢を抜き取ると、シャリルに回復魔法による治療を頼み。
ミリカは胸元の矢を抜き取り捨てると、彼女に両手を合わせて治療をお願いする。
「分かりました、ヒール、ヒール」
シャリルは回復魔法を唱えた。
ジョージとミリカ達の傷も、彼女のおかげで傷は治り、穴の開いた衣服も治った。
「この服も治った?」
「何で・・・だろうね・・・?」
ジョージとミリカ達は自らの頭の上に、?マークを浮かべつつ首を傾げて不思議がる。
「きっと、服も御二人の体の一部になっているのでは?」
「そうかっ! 今まで服が破れる程の攻撃は受けた事は無かったからな」
「魔物だから服も体の一部って訳ねっ? それなら納得いくわね」
不思議がる二人に対し、シャリルは答えを導き出すと。
その答えに、ジョージとミリカ達も納得した。
「リーダー、今着きましたっ!」
「ビョルン、やっとここまで来たのねっ!」
ジョージ達の元に、ビョルンざ到着すると。
ニウは安心して、ホッと胸を撫で下ろして喜んだ。