木製の張りぼての城
「見つけたぞ・・・あそこの遺跡の残骸の壁裏にいる頭に長い角を早し、派手な赤い刺青模様の奴がリザードマンのリーダーだっ! 奴に一斉攻撃を加えろっ!」
「アイツねっ? ジョージ、フレイムボール、フレイムボール」
ジョージが指示を出すと。
ミリカを始め、仲間達は魔法を一斉に、リザードマン・リーダーに向かって放つ。
「エアーカッター、エアーカッター」
「サンダーショット」
『ドドドドドドドドドドドドドドドドーーー』
リュージン、シャリル、ビョルン達が放った魔法は遺跡の壁に当たり、崩壊させる。
崩壊した壁の瓦礫の下敷きに成り。
上半身だけ瓦礫から露出させて、ジタバタともがく、リザードマン・リーダー。
「止めだっ! くたばれよっ! トカゲ君、ダークボール、ダークボール」
ジタバタと惨めにもがく、リザードマンリーダー。
奴にジョージは暗黒球を数発放ち、止めをさした。
暗黒球を何発も、まともにくらったリザードマンリーダーの体は粉々に吹き飛んだ。
「殺ったか、他の奴等は?」
ジョージは辺りを見回し。
リザードマン達は、リーダーが殺されると、慌てふためき。
何処かへと、蜘蛛の子散らすように逃亡して行った。
「危なかったわ~~」
ミリカは、疲れた表情を見せる。
「ワシの体がっ!?」
すると、突然にリュージンの体を黒い霧がとぐろを巻き包み込む。
そして、霧が霧散すると、中から進化したリュージンが現れた。
リュージンの姿は黒い衣装に緑色の装飾が増え。
偃月刀には龍の形の溝が彫られて、装飾される。
帽子には、銀の飾りが着いていた。
『リュージン、キョンシー・兵士に進化しました』
ジョージとミリカ達の頭の中に、ステータスの声が響く。
そして、二人は彼に進化した事を伝える。
「リュージン、お前は進化して・・・」
「キョンシー・イーガーシーピンに成ったってさ?」
ジョージとミリカ達は、二人揃って進化した事をリュージンに伝えた。
そして、更なる情報が彼等の頭の中に響く。
『リュージン、スキル向上エアーストームがレベル2に上がりました』
「はっ? レベル2・・・」
「って、何?・・・」
ジョージとミリカは、頭の上に?マークを浮かべつつ。
そう言い合って、ステータスの詳しい内容を読む。
『エアーストームはレベル2に成り、風力は上がり、より強い風を起こせる様に成りました』
「リュージンのエアーストームは、レベルが上がって、風力が前よりも強くなったんだってさ」
「リーダー殿、遂にワシも進化しましたか、ふふっ?」
ジョージが進化して強く成った事を伝えると、彼は微かに笑い口に袖を添えて喜ぶ。
「さてと・・・リュージンも進化して、スキルもレベル2に上がった事だし、先へと進みますか・・・」
「行きましょう、いつまたリザードマンが襲って来るか分からないし」
そう言って、ジョージとミリカ達はまた洞窟の中央を歩き出した。
歩き続けた結果、ジョージ達アンデッドのパーティーの前には木製の建物が現れた。
それは、まるで乱雑に立てられた大きな城のように見えた。
「何だっ? 今度はレイダーでも出るのか?」
「レイダー? あそこに襲撃者、盗賊が居るって言うの?」
ジョージとミリカ達がそう言って、建物に近づいて行こうとすると。
建物と周囲の遺跡や掘っ立て小屋から、ワラワラと大勢のリザードマンが現れた。
「リザードマンがっ! やばっ!? ・・・ここは奴等の住みかだったのか」
「四十人は居ますね、しかも槍と楯持ちが十人、その後ろにクロスボウ持ちが十人と弓持ちが八人、斜め右方向にも弓持ちが六人、左には剣と楯持ちが六人」
ジョージが現れた、リザードマンの姿を見てそう言うと。
シャリルは冷静に、リザードマンの人数を数えた。
「リザードマンの奴等・・・囚人627号を救出しに来た、タスクフォースからシャワールームを守る看守みたいだぜ」
「またこんな時にゲームの事っ!? ちょっとはまともに作戦を考えなさいっ! ボンクラバカ、オタク男っ!?」
コールオブデューティーの事を考え。
作戦を考えないジョージに対し、ミリカは大きな声で怒鳴った。
「リーダー、どうしますっ? 奴等防御陣を敷いてますよ?」
「とにかく、僕らも応戦しなきゃ」
「ビョルン、アレリオ一緒に行くわよっ!!」
アレリオは、リーダーであるジョージに指示を仰ぎ。
ビョルンとニウ達と、一緒に敵と交戦しようとする。
「待て、取り合えず身を隠すぞ、遺跡や溝に伏せろ」
『ヒュウッ』
ジョージが、三人に伏せろと指示を出した瞬間。
何処からか敵の射ち放った矢が飛んでくる。
「危ねぇっ! 皆早く伏せろっ!」
こうして、ジョージ達アンデッドのパーティー対リザードマン一個小隊。
この人外、魔物軍団同士の情け容赦なき戦いが幕を開けた。