通路の先には・・・
ビョルンが見つけた通路。
そこを黙って、ひたすら進むジョージ達、アンデッドのパーティー、御一行。
暗い通路の壁には燭台が飾られていたが。
灯りを着ける者が居らず、また蝋燭も付けられてはいなかった。
「暗いな・・・まあゾンビだし、夜目は効くから良いんだけどな」
「何また一人言を言ってんの? ジョージ、それよりもここ、なんか前に私達がアンデッド化した場所に似ていない?」
暗闇と静寂に包まれた不気味な通路を進むジョージが。
一人不意に呟くと、横からミリカが話しかけて来た。
「まあ確かにな・・・この島には沢山地下にも遺跡が有るのかもな」
「え~~それじゃあ私達見たいな知能の高いアンデッドもここに、いっぱい居るのかしら?」
ジョージは、ミリカの事を確かに前居た世界の学校の成績は良かったが。
今は御覧の通り、アンデッド化の影響でアホと化しているなと思った。
「この通路は、どこに続いているのかしら?」
「どこだって良いさ・・・出口にたどり着ければ、また魔法少女の追跡だ」
ニウが、長く続くので有ろう通路の事を呟くと。
アレリオは警戒を解かず、目標は魔法少女だと答えた。
「そうですな、早くキャロルの奴にもアンデッド化した肉体の素晴らしさを、師として教えてやらねば成らぬからの」
「はい、彼女もお姉さまに是非、生け贄として献上するためにもこの通路の先に進み出口を見つけるしか有りませんからね」
リュージンとシャリル達は、キャロルの事を思い。
二人揃って、早くアンデッド化させたいと言いながら通路を歩く。
「キーーキーー」
「キーー」
「キキーー」
「キーー」
「うわっ! 敵だっ!?」
ビョルンは驚き、両手に構えたニッケルハルパを急ぎ構え。
不意を突いて、現れた敵に向けるが。
「落ち着けっ! ただの洞窟コウモリだ」
アレリオは、通路の天井付近を睨つけるビョルンの肩をポンと叩いて攻撃を止めた。
「あっ? ああ・・・すまない、ビックリしちゃってつい・・・ゴメン・・・」
「ビョルン・・前にニウにも言われただろ、アンデッドに成ったんだからお化けも仲間だし怖く無いだろうって、それに他の魔物が出てきたら倒して食うだけだろ?」
取り乱して敵を誤認してしまった事を謝るビョルンに対し。
アレリオは、彼を説き伏せて落ち着かせる。
「そうだよね・・・今は僕もアンデッド何だし怖いものは無いよね」
「ビョルンッ! 確りしてよ、あんたの音波魔法は頼りに成るんだからさ、それにアンデッド化する前から私と組んで沢山の敵を蹴散らして来たじゃな~~い」
落ち着きを取り戻して、ニッケルハルパを下げたビョルンに対し。
ニウも、確りしてと文句を言う。
「ジョージ、もし・・・ここに元居た世界に帰るための装置が有ったらどうする?」
ミリカは急にジョージに話し出す。
それは、元居た世界へと帰る為の装置が、もし見つかったらと言う話だ。
「もし有ったとしたら、シャリルちゃんやアレリオ、リュージンさんにニウちゃんとビョルン達はここに置いていくの?」
ミリカは話を続ける。
仲間達の処遇を巡って。
彼等を置き去りにするのか、それとも一緒に連れていくのかと。
「彼らをアンデッドに変えたのは私達の責任だし、それを元居た世界に帰るからってほったらかしにして帰る何て私には出来ないわよ」
「ミリカ・・・それは俺も同感だ、皆大切な仲間だしな、ワンピースの台詞じゃないけど・・・アンデッドのスキルで俺たちに忠誠を無理矢理、誓わされているとは言え仲間として皆尽くしてくれているもんな」
ミリカとジョージ達は、自分達に対し。
身を粉にして、尽くしてくれる仲間を思い、話を続ける。
「それに俺もお前もアンデッドだしな、元居た世界に帰る前に人間に戻らなきゃな、そして皆も人間に戻してから元の世界には帰ろうか」
「そうよね、みんな大切な仲間だもんねっ」
ジョージは、何時かは人間に戻ろうと決めると再び歩き続ける。
ミリカも、また彼と同じ様に仲間は大切だと言って共に歩く。
その後も、先を目指すジョージ達アンデッドのパーティー。
彼等は、暫く暗い通路を歩き続けた。
「ここは・・・?」
「何、ここ・・・?」
やがて、ジョージ達は通路を出ると広々とした中央に祭壇のある空間に出た。
その空間には発光する苔や茸が所々に生えており。
広い空間を微かに照らしていた。
空間の調度中央に位置する、祭壇の上には柩が置かれていた。