岩柱の陰に潜む者は?
リュージンは待つ、こちらの様子を伺う何者かが襲って来るのを。
(・・・来るか・・・いや消えたか・・・)
リュージンは、こちらを見据える視線の気配が消えたのを確認すると。
緊張を解くが警戒は怠らない。
「リュージンさん? やっぱり魔物が居たんですね」
「ビョルン殿、お主が聞き間違えたのではなく魔物が此方を監視していたのじゃ・・恐らくは今ごろ仲間を呼びに行っている頃じゃろうな」
ビョルンは、リュージンに対して声を掛けた。
しかし、リュージンは、周囲の岩柱の陰から魔物が襲って来るのを警戒する。
「私も何か感じる・・・さっきと違って今度は気配を隠す積もりは無いみたいね」
ニウもそう呟くと、両腕に装着しているダンを構え。
リュージンと共に、迎撃体勢を整のえる。
「ビョルン、攻撃の準備をしてっ!」
「分かったよ、ニウっ!」
ニウは険しい顔をビョルンに向けると、彼に戦闘体制を取るように促す。
ビョルンは、ニッケルハルパを襲って来るで有ろう敵へと向ける。
「お三方? 何か・・・」
「キイィィーーーー」
「キイィィーーーー」
「キィィーー」
シャリルが、リュージンに話し掛けた瞬間。
キィーーと、奇声を上げる、ラプトルケッコーの群れが現れた。
ラプトルケッコーは狂暴な性格の魔物だ。
一般的なダチョウの二倍の大きさであり。
恐竜とダチョウの合体したような姿の魔物だった。
ラプトルケッコーの数は、二十匹以上いる。
奴等は、ジョージ達アンデッドのパーティの後方を守る三人。
リュージン、ニウ、ビョルン達。を標的に定め、一斉に強襲を仕掛けて来た。
「キイィィーーーーーー」
奇声を発して、我先にと走り。
ジョージ達アンデッドのパーティー目掛け、襲い掛かって来るラプトルケッコー達。
「来たかっ! ダチョウ共めがっ!」
「うわあぁーー」
リュージンとビョルンは魔法を放ち。
ラプトルケッコー達の群れによる奇襲を迎撃する。
「エアーカッター、エアーカッター、エアーカッター」
「数が多い、多過ぎるっ!」
『ドドドドドドドドドドドドーー』
「ギイィィーー・・・」
「キイィ・・・」
リュージンは風魔法を連発し。
ビョルンは音波魔法を連射して、ラプトルケッコーを数匹仕留める。
だが、ラプトルケッコー達は、魔法攻撃に怯まず。
仲間の死体を乗り越え、猛烈な速度で迫り来る。
「キイィィーーーーーキイィィーーーー」
「キィィィーーーーーーーーーー」
ジョージ達を取り囲むように岩柱の間をすり抜け。
走り迫るラプトルケッコー達の群れ。
「お三方、援護しますっ! サンダーショット、サンダーショット」
「まさか後ろから来るとわねっ! フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール」
ミリカとシャリル達も、魔法による援護射撃を開始する。
そして、ジョージとアレリオ達は走り。
ニウと共に襲い掛かって来る、ラプトルケッコーと白兵戦を行う。
「敵が来たかっ!」
「コイツら、素早いな」
「アタシに勝てるとでもっ」
ジョージはラウンドシールドで、三匹のラプトルケッコーの爪を防御する。
ショートソードを振るうジョージ。
彼は、ラプトルケッコーの素早い動きと連携攻撃に苦戦するが。
何とか、一体のラプトルケッコーを倒す。
「キイィィーーー・・・」
アレリオは、噛みつこうと顎を開き。
鋭く尖った牙を顎から覗かせるラプトルケッコーの頭を狙い。
モンタンテで、開いた顎に横から一撃を入れ。
そのまま、顎から後頭部まで斬り裂いて、ラプトルケッコーの登頂部を吹き飛ばす。
「キィッ・・・!?」
ニウは、ラプトルケッコーの爪を両腕のダンで弾き。
そしてら噛みつこうとして来る、四匹のラプトルケッコーの頭にダンを殴り込み。
更に、後ろからも襲い掛かって、不意討ちを掛けて来たラプトルケッコー。
奴の爪を、背を低く構え、交わしながら溝内にダンを叩き込んで倒す。
ラプトルケッコーは次第に数を減らして行く。
それで、ジョージ達アンデッドは勝てると思うが。
『ドシッドシッドシッドシッ!!』
「あっ!? 何だあれ・・・?」
「群れのボスッ!?」
しかし、一体のラプトルケッコー。
いや、サウルスコケッコーが、ジョージとミリカ達の前に現れた。