7人目の正式な仲間
その後も・・・。
ビョルンは、ニウの体を紅く濡らすブラッドカクテルを抱きついて舐めていた。
やがて、ニウの体のブラッドカクテルが無くなると。
「ニウ、もっと飲みたい、もう血は無いの? 血が欲しいっ!」
ビョルンは血を欲する。
「なら、周りに貴方が虐殺しまくったクリームゴートの死骸が沢山転がってるじゃない、あれの血も人間のよりは味は落ちるけどきっと美味しいわよ」
ニウは、ビョルンに対し。
辺りに転がっている、クリームゴートの大量虐殺された死骸を見せつける。
「ああっ! ・・・ニウ、あれも美味しそうだ」
「ちょっと待って、その前に」
涎を垂らし、クリームゴートの死骸に向かおうとするビョルンを、ニウは止めた。
「どーーお? ビョルン、これで貴方もアンデッドの仲間に正式に成ったのよ? 人間や魔物の血を欲する怪物にね」
「僕はアンデッド?」
ニウは、ビョルンにそう告げる。
「そうよっビョルン、貴方もジョージ様とミリカお姉さまに忠誠を誓う、アンデッドの一員に成ったのよ」
「僕はアンデッドの一員?」
ニウは、ビョルンに再び説明した。
「さあっ! 貴方も早くモタモタしてないで、ジョージ様とミリカお姉さまにご挨拶を」
ニウは、ビョルンに対して、ジョージとミリカ達に挨拶する様に言った。
(・・・? この人達は? ・・・あの時のっ!! ・・・)
「その顔は・・・どうやら理解出来た様ね、そうっ! ジョージ様とミリカお姉さま達、御二人はあの時の私達と戦ったアンデッドなのよ」
ニウは悪戯っ子の様な顔をビョルンに向け。
はっとした顔をする彼に対し。
ジョージ達が、あの時の戦った相手だと説明した。
(・・・そうか・・・この方達が僕とニウをアンデッドに変えて下さったのか・・・)
「分かったよニウ、あの方達が僕らのこれからのご主人様何だね」
「そうよ、私達を配下にお選び下さった偉大な方達なのよ」
ビョルンとニウ達は、そう言い合う。
「じゃあ、ご挨拶に伺おう・・・ジョージ様、ミリカ様・。・本日この時より、私ビョルン・ホルムクヴィストは貴殿方に永久の忠誠を誓うアンデッドと成りました、これからは御二人の為人間共を虐殺してその血を供物に捧げ続けますので、どうか宜しくお願いします」
ビョルンは片膝を着き、ジョージとミリカ達に忠誠を誓う。
「さっきまでは、俺ら空気だったのに今度は行きなりご主人様ってか?」
「良いじゃない? これで彼も立派なアンデッドに変わったんだからさあ~~」
ジョージとミリカ達はそう言い合う。
「で、ビョルン・・・お前はニウに裏切られたのにまた一緒に旅をする事に成るんだが良いのか?」
「はいっ! それはもう宜しいのです・・・ニウは僕に新しい肉体と仲間・・・そして使えるべき主人を与えてくれたのですから・・・裏切られた事を憎むより、むしろ感謝しているくらいです・・・」
ジョージの問いに、ビョルンはニウに裏切られた事を憎まず。
それどころか、感謝していると真剣な表情で言った。
「感謝しているくらい・・・か・・・」
(・・・可哀想に・・・裏切られた事を憎む事も出来ず感謝するとは・・・アンデッドの血液に感染してしまうと皆こう成ってしまう・・・)
ジョージは心の中で思う。
(・・・俺は元の世界に帰りたいだけなんだ・・・だけどそれにはこの世界の事をを調べて帰る方法を探さなければならない・・・)
心の中で深く考え事をするジョージ。
(・・・でもそれを行うには・・・俺は? ゾンビだ? 人間と敵対しているだから仲間を・・・アンデッドを増やさなければならない・・・ビョルン・・・お前も仲間に成ったんだ・・・だから大事に扱うぞ・・・)
ジョージはそう心に誓った。
「まあ、これからは俺たちと一緒に旅をしような」
「ふふっ! これで仲間が七人に増えたわねっ! まるで大所帯のパーティだわっ! ・・・うふふふっ♥」
ジョージとミリカ達は、ビョルンを仲間と認め。
彼は、ジョージ達アンデッドのパーティの正式な仲間に加わる事が決まった。
「はいっ! 皆さん、宜しくお願いします」
アンデッドへと変わり果てた、ビョルン。
彼は、新たな仲間達に笑顔を見せて挨拶をした。
「ビョルン、お前の進化したアンデッドの名前は・・・」
ジョージは、ステータスを確認する。
『ビョルン、ブラックメタラー』
「ブラックメタラーだ」
ジョージは、ステータスを確認してビョルンにそう告げた。
「僕はブラックメタラーに?」
「悪魔の歌でも歌うのかしら? デーモン閣下見たいに」
ビョルンとミリカ達は、言った。
「どうやら、そう見たいだなっ?」
ジョージは困惑するビョルンに対して、そう言った。