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進化完了、吟遊詩人はアンデッドに・・・


「グアアァァォォーーーーーーッ!!」


 雄叫びを上げる、ビョルンを見守る仲間達は、進化の様子を見守る。



「あはぁぁーーこれで彼も正式な仲間に変わるのねっ♥」


「彼には早く活躍して欲しいですね、我々のリーダーやアレリオの様に」


 ミリカとシャリル達はそう言って、ビョルンの進化を見続けて居た。


 一方、アレリオとリュージン達の二人は。



「ホホッ! これであの吟遊詩人の若造も我々の戦力に成りますな」


「ああっ! 奴も、ジョージ様とミリカ様に忠誠を誓う仲間に変わるな」


 リュージンとアレリオ達も、そう言って進化の過程を観察する。



「グッ!?」


 ビョルンの体は黒い霧が巻き付いて行き。

 やがて、霧が体全体を包み込む。



「おしっ! あれは見に行った方が良いな」


「リーダー、アタシ達も行きましょうっ!」


 そう言って、黒い霧に包まれたビョルンを目指して走る、ジョージとニウ達。


 他の仲間も、ビョルンに向かい、駆け出して行く。



「あっ! ジョージ達も行くのねっ?

 私達も行きましょうっ! シャリルちゃん」


「はいっお姉さま彼の進化後の姿を確認しに是非見に行きましょう」


 ミリカとシャリル達も、駆け出す。



「どれどれ、どんな姿に進化したか、ワシらもいこうかの?」


「奴は、いったいどんな姿に変わるのか、気になるしな」


 リュージンとアレリオ達も、駆け出す。



 ジョージ達が黒い霧の所まで辿り着くと、霧は無くなり。

 中から立ったまま、目を瞑り眠るようにして進化したビョルンが居た。


 その姿は。



「ビョルン・・ふふっ! 格好いいわよ」


 ニウはそう言うが、ジョージとミリカ達は。



「デーモン・・・小暮閣下に成ったな・・・・・・」


「閣下とビジュアル系の中間・・・って所ね・・・・・」


 ジョージとミリカ達は、そう言う。


 ビョルンの姿は、頭髪は淡い銀色に。

 顔には、白磁の様な死化粧が施され。

 紫色のフェイスペイントが額と頬に引かれ。

 目元は黒いアイシャドーが引かれる。


 体全体の肌は顔同様な白磁の様に白く。

 着ていた青い軍服は青色から、黒く長いコート型の軍服に変わり。

 裾は、烏丸の羽の如く、トゲトゲに成り。

 袖の三本のオレンジ色の線や、服のボタン回りの線と肩の肩章は赤色に変わる。


 軍靴の様な長いブーツは茶色から灰色に変わり。

 タスキに下げられたケピ帽も黒く成り。

 ズボンと肩のタスキのみ、色が変わらず白い色のままであった。


 楽器であり武器でもあるニッケルハルパは赤く変色し。

 禍々しさと凶悪な雰囲気を放っていた。

 肩から下げられた、ストラップも同様に赤く変色していた。



「美しくなりましたね」


「シャリル殿、そうですな」


 シャリルとリュージン達はそう言った。



「ケッ! どーーせ、俺はスケルトンですよっ!」


 アレリオは小さく呟いたが、シャリルが耳元で。



「アレリオ安心して、私が一番好きなのは貴方だから・・お姉さまの事は・・また別の話しだけど・・・」、


 と小さな声で呟いた、アレリオはそれを聞いて内心喜んだ。


 そう言っている内に、ビョルンはゆっくりと目を覚ます。     


 その瞳は元は瞳は薄く。

 水色と薄緑色の混じった色で俗に言う碧眼をしていたが。

 開かれた瞳は紅く妖しい色に変わっていた、


 そして、寝惚けた様な視線を目の前のニウへ合わせると、ビョルンは。



「ニウここは・・・? 何だか恐ろしく怖い夢を見ていた様だったけどっ!? 君のその姿は? もしかして僕はまだ悪夢を見ているのかっ?」


 ビョルンは喋りだした。



「ビョルン落ち着いて、貴方の悪夢は現実なのよ・・さあアタシと一緒にリーダーとお姉さまにご挨拶を」


 ニウは最初は心配する様に。

 そしてら最後は悪魔の如く妖しい笑みを、ビョルンに見せて言い放った。


「ニ・・・ウッ!? いったいどうしたんだ? 奴らに何をされたんだ? 奴らは・・・?」


 ビョルンは、自分を取り囲むアンデッド達を見回した。



(・・・囲まれ・・・ている・・・逃げ出さなきゃ・・・)


 そう思うが体は、ニウに抱き着かれて動けない。

 そして、彼女は。



「ビョルン大丈夫よ、私も最初は混乱したわ・・・でもお姉さまが私をアンデッドに変えて下さり今はとても幸福なのよ」


 ニウは、自分がアンデッド化した時の事を語り出す。



「私が進化した時も精神まではアンデッド化していなかったのよ、でもねビョルンッ! 貴方も美味しい血の味を覚えたら最後、もう人間には戻れないわ」


「そんなの誰が信じるかっ! お前は幻だっニウじゃないっ! この幻めっ!」


 血の味は美味しく、その味を覚えたら完全にアンデッド化すると告げるニウに対し。

 ビョルンは、目の前のニウが幻だと現実逃避を始める。



「お姉さま、すいませんがブラッドカクテルはまだ有りますか?」


 二人のやり取りを見守っていた、ミリカの名を呼んだニウ。

 彼女は、人間の血液とワインを混ぜたブラッドカクテルを寄越して欲しいと頼んだ。



「良いわよ、ニウちゃんの頼みなら、でも残りは少ないからね・・・はいっ! これね?」


 ミリカはそう言って、ニウにブラッドカクテルを渡す。



「ビョル~~ン、これからとぉ~っても良い事をしてあげるわよっ♥」


「なっ! 何をするんだ、ニウッ!?」


「あらっ! アタシはニウじゃなくて幻じゃ無かったの?」


 そう言うと、不安がるビョルンの前で、ニウは水筒の蓋を開いた。


 そして、それをビョルンの前で。

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