寝て起きたら餌が掛かってた
ジョージ達は、穴蔵から這い出てきた。
「うしっ! 起きたぞ~~」
ジョージは、欠伸をしながら両手を上げて背中をピンと伸ばす。
「はぁ~~んっ? 良く寝たあ~~♥」
ミリカも欠伸をして、トロンとした寝ぼけ眼で穴から這い出て来る。
「皆さま御早う御座います」
リュージンは、挨拶をしながら穴から出てきた。
「早速ですが、ワシはトラバサミを回収に行って参ります」
と告げて、リュージンは昨晩魔物を捕まえる為、仕掛けたトラバサミの回収に向かう。
「ビョルン、さあ来なさい」
腐肉の塊のビョルンを、ニウは縄を引っ張りながら連れて来る。
ビョルンは引っ張られて、無理矢理連れて行かれたのか、怒り吠え声を上げた。
「グアァォォーーーー」
と、吠えるビョルンを、ニウは宥める。
「ビョルンもう少し待って居てね、貴方も必ず進化させて上げるからね・・・」
ニウはそう言って、泣き止まない、ビョルンの体を押さえ付けて宥める。
『グキッグキリ』
「アンデッドに成っても腰が痛いのは変わらないか」
と、アレリオがそう言って、穴から出てくる。
その後ろから、シャリルも出てきた。
「流石に私もお腹が減って来ました・・・リーダー獲物を探しに行きましょう」
とシャリルは言うが、そこへリュージンが戻って来て、
「皆様方、獲物が捕れましたぞ」
と言った。
リュージンは右手に獲物を二匹持ち。
左手には、回収したトラバサミを持っていた。
リュージンの罠に捕らえられた獲物は、凶暴リスとデザートタイガーの二匹だった。
「タイガーの方は危険ですので、既に絶命させておりますが、凶暴リスは手足を傷つけ逃げられないようにしております」
リュージンはそう語ると。
「ニウ殿、このリスをビョルン殿に仕留めさせるのじゃ、さすれば進化の為の経験値が上がりますぞ、さあビョルン殿を」
ニウへ、凶暴リスをリュージンは渡す。
「有り難う、リュージンさん早速ビョルンにこれを」
ニウは、ビョルンに渡そうとするが、それをミリカが止める。
「待ってニウちゃん、止めを刺すのは良いけど食べさせるのはまだよ、私達もお腹が減っているし、リスに止めを刺したら私にリスを頂戴」
ミリカは語り出す。
「えっ! でも、ビョルンもお腹が空いて?」
ニウはそう言うが。
「大丈夫よっ! デザートタイガーを焼いたら、その肉をビョルンにもちゃんと分けて上げるわ、デザートタイガーは体が大きくて切り分けるのも大変だし、焼き上げるのも時間が掛かるのよね」
ニウに対し、ミリカは語る。
「だからリスを倒したら、私に頂戴ねっ♥」
と言う、ミリカに対して、ニウは。
「それなら・・・仕方有りませんよね」
と言って、ビョルンに凶暴リスを渡す。
「ガオーーーー」
と叫んで凶暴リスを掴んで地面に叩き付けたり。
両手で凶暴リスを掴み引っ張って、ビリビリと引き裂いてしまう。
「はいっ、そこまでよ・・・こっちにリスを頂戴ね」
「アレリオ手伝ってくれ」
「はい、リーダー」
それを、ミリカは回収して直ぐに火炎魔法で焼き上げ。
暴れ出したビョルンを、ジョージとアレリオ達が押さえ付けた。
「これで・・・ちょっとは進化に近づいたのかしら・・・?」
ニウは、ビョルンを早く進化させたいと思い、そう小さく呟いた。
「さあ次は、この虎を焼き上げて貰うために切り刻みますかっ! アレリオにリュージン、手伝いを頼むぞ」
ジョージは、デザートタイガーの体をアレリオとリュージン達と一緒に切り分ける。
その後、切り分けられたデザートタイガーの肉を皆で食べた。
ニウは、ビョルンに切り分けられた肉を与える。
「ビョルン、はいっ! あーーん♥」
「ガウッ」
ニウが与えた肉を、ビョルンはどことなく嬉しそうに食べる。
「さあ~~てまたビョルンのレベルを上げながら東に向かいますか」
ジョージはそう言って、東に顔を向ける。
「肉はどうするの?」
「残りは食べながら歩けば良いだろ」
ミリカの問いに、ジョージはそう言って歩き出した。
「んもうっ~~せっかち何だからぁーーはぁ~~仕方無いわね、皆行きましょうっ!」
「はい、ミリカ様、ジョージ様を追いかけますか」
「はいっ! お姉さま、私達もお供します」
「分かりました、ミリカ殿・・・さて老体に鞭うって歩きますかな」
「お姉さまぁ、どこまでもついて行きますぅ~~」
「ガオッ?」
ミリカや他の仲間達も歩き出す。
目指すは、この島の東端の果て、港町に向かって。