巨大な要塞蠍と戦うぞ・・・?
「俺の考えた作戦を今から通達するっ!」
ジョージは作戦を話し始める。
「この作戦は・・・」
「作戦は・・・?」
作戦を話そうとするジョージに、ミリカは作戦はと聞いたが。
「逃げるに決まってんだろっ!!」
ジョージは、物凄いスピードで北の地面の方に向かって走り出した。
「あっ! こら、待ってぇ~~待ちなぁ~~さいっ!?」
ミリカも駆け出し、追いかける。
「リーダー、逃げるなら早くそう言って下さいよーーーー」
「お姉さまっ! 置いてかないでーー」
アレリオとシャリル達も続き、走り出す。
「リーダー殿っ! 逃げるのですかぁ~~ならばもう少し早く仰って下さいな~~」
「あ~~~~んっ! お姉さま待ってぇ~~~~アタシを見捨てないでぇ~~~~」
リュージンとニウ達も、駆け出した。
「ガウガウッ?」
ビョルンは、リュージンとニウ達に縄を引っ張られ連れて行かれる。
『ドシ、ドシ、ドシ、ドシ、ドシ、ドシ、ドシ、ドシ、ドシ、ドシ、ドシッ』
フォートスコーピオンは、八本の足を動かし。
ジョージ達、アンデッドを物凄い速度で追いかけ始める。
「あんなのに勝てる訳ねぇだろっ! 相手はデススティンガーだぞっ!」
「だから、ゾイドじゃねぇって言ってんだろ、キモオタッ!!」
ジョージとミリカ達は、話し合う。
「魔法を放てば、倒せるかも知れませんっ! サンダーショット」
「試して見ましょう、エアーカッター」
リュージンとシャリル達は、魔法をフォートスコーピオンに放つが。
『カンッ』
『バチバチッ』
二人の攻撃は全く効かなかった。
灰色の硬い殻はまるで鋼鉄の装甲板のように魔法による攻撃を弾く。
平気な顔で、要塞のような巨体を素早く動かしつつ迫るフォートスコーピオン。
「イスラエル製の要塞お化けか? あいつは?」
「まぁ~~た、変な事言って~~~」
ジョージとミリカ達は、話し合いながら走る。
『ヒュゥゥッ!ドォーーンッ!?』
フォートスコーピオンは、ジョージ達を狙い。
巨大な右腕の鋏を振り回し、地面に鋏を叩きつける。
大きな音をたて土煙を巻き上げる、フォートスコーピオンの攻撃。
それを、ジョージ達は間一髪で回避した。
「あいつは俺の剣じゃあ倒せませんよ、あの殻が硬すぎて斬りつける事も出来ませんもん」
アレリオは走りながら、そう言った。
「アタシの打撃も、アイツには効きませんよおーー」
ニウも走りながら叫んで、そう言った。
(・・・くそーーどうする? あいつは強すぎるぞ! んんっ!? あれは・・・)
ジョージは思う。
「おいっ! みんな、あそこに居る魔物に攻撃を集中しろっ!!」
ジョージが、指を指した場所には砂漠蟷螂が居た。
砂漠蟷螂は全長十三メートル位の体の大きさをしていた。
体色は、褐色の体に薙刀の様に長い二メートルは有ろうかと思われる大鎌を持つ。
今は餌にされた、デザートバッファローの死骸を食べている所で有った。
「あのスパイカーいやっ! ディマンティス擬きと、あのデススティンガーを戦わせるんだっ!?」
「だから、さっきからゾイドじゃねぇつってんだろがあーーーー!!」
他の仲間達には分からないであろうゾイドの名前を出すジョージ。
ふざける彼に対して、ミリカはゾイドじゃないと、ぶちギレる。
「ミリカッ! それより早く魔法を放てっ! ダークボール」
「ジョージ、分かってるわよっ! フレイムボール、フレイムボール」
ジョージとミリカ達は、魔法を砂漠蟷螂へ向けて放つ。
「皆も早くっ! あいつの気を惹くんだ」
ジョージが指示を出すと。
「リーダー分かりました、サンダーショット」
「リーダー殿、了解しましたぞっ! エアーカッター、エアーカッター」
シャリルとリュージン達も、魔法を砂漠蟷螂に向けて放った。
『ボンッ、バンッ、ガッ、ゴンッ、』
砂漠蟷螂の体の各部に魔法は当たる。
奴はジョージ達を敵に定めてこちらに向かって来る。
「よしっ! 惹き付けたぞっ! このままあいつの所まで走れっ!」
ジョージは、指示を出しながら走り続けた。