次は吟遊詩人を悪堕ちさせるぞ
(・・・ミリカ・・・遅いな・・・)
ジョージは、ミリカが運んで行った格闘家娘が来るのを待っていた。
ジョージは回想する。
美味しそうに、あの格闘家娘が相棒の金髪チャラ男の吟遊詩人を食い殺した後。
彼女は、直ぐに赤い玉に包まれ。
その中から、新たな姿へと変わり現れた眠れる格闘家娘。
それと、食い殺された吟遊詩人の遺体をジョージ達は運ぶ。
何故なら、太陽の光から身を隠すのと新たな仲間の安全の為だ。
「あ~~太陽の光がぁ~~熱い~~」
「リーダー殿? このままでは太陽の光から身を隠すのが間に合いませぬぞ」
ジョージに、リュージンが言うが。
「あーー分かってるって、だから今走って日陰を目指しているんだろうが?」
ジョージ達は、群青針山の日陰にミニテントを張り、太陽から身を隠そうと走る。
ジョージとアレリオ達は、吟遊詩人の遺体を運ぶ。
ミリカとシャリル達は、格闘家娘の進化したアンデッドを運び走る。
すると。
「リーダー、あそこにっ!」
シャリルが洞窟を見つける。
ジョージは、あそこは魔物が掘った洞穴かも知れないが・・・。
太陽の光と熱で丸焼けに成るよりマシか、と考える。
「皆っシャリルの見つけたあの洞窟に逃げ込むぞ急げ」
そう言ってジョージ達は洞窟に向かって、走り入り口へと入って行く。
「ふう~~助かったぁ~~」
ジョージは洞窟の入り口の外に視線を向けると外はすっかり太陽が上っている。
さっきまでは、日陰だった場所にも日の光が差し込んでいた。
「危なかったぜ、ミニテントの中に入ってもあれじゃあ太陽の光でテントの中まで明るく成って地獄だったろうな」
ジョージはそう呟く。
「ねぇ、ジョージこの子ちょうっと私が、あっちに連れてくね、私達アンデッドの仲間に成った事を説明してあげなくちゃねっ!」
「あっ? 別に良いけど・・・」
ミリカの意見に、ジョージは。
(・・・こいつ・・・絶対に格闘家娘にちょっかい出すな・・・まあ仲間にするんだから? それをやるしか無いんだけどな・・・)
と考える。
「じゃあシャリルちゃん、着いてきて」
そう言うと、ミリカはシャリルを連れ。
格闘家娘を二人で運び、洞窟の奥へと進んで行った。
それから数時間・・・ミリカ達は一向に戻る気配は無い・・・。
アレリオとリュージン達は眠る。
洞窟の外の固い地盤と小石と砂利の地面を、太陽の光が容赦なく照りつける。
そんな中、ジョージは洞窟の入り口の前で見張りを行う。
彼は、座るのに丁度良い石を椅子代わりに座る。
その後は、敵が来ないように見張るのと。
ミリカ達が、奥から戻って来るのをずっと待っていた。
「はあっまだ来ないか・・・」
ジョージは、ミリカが来るのをひたすら待ち続ける。
すると。
「ジョージ、終わったわよ」
ミリカが、シャリルとニウ達を連れて奥から現れた。
「この子は、ニウちゃんって言うの? 仲良くしてあげてね」
「ジョージ様、ニウと申しますどうか宜しくお願いします」
ミリカはニウを紹介し。
彼女は、ジョージに挨拶をして、ペコリと頭を下げた。
「ああ、俺の事はリーダーって呼んでくれ」
ジョージは、ニウに対してそう言う。
「でジョージはこのアンデッド達のパーティーのリーダーで・・・私の旦那なのよっ」
「えっ! そうなんですかっ!?」
ミリカはニウにジョージと夫婦だと言ったがジョージは怒る。
「はあっ! 旦那じゃないだろ」
「えっ! 私を手に入れる為に襲って、アンデッドに変えたのに?」
怒鳴るジョージに、ミリカは笑顔を向ける。
「ミリカ、何回目だ、このコント」
ジョージは言った。
「確か前にも何回かやったよな、いい加減にしないとあの太陽の光の元に放り投げるぞ」
ジョージは続ける。
「でも嘘は言って無いでしょ、ジョージは私を襲ってアンデッドに変えたのは事実だし・・・」
「いや、それとこれとは別って・・・これも前にやったろ」
ミリカが反論したので、ジョージは反論するが。
「んんっ? シャル・・・終わったのか? あの格闘家の女は・・・」
ジョージとミリカ達夫婦喧嘩の五月蝿いやり取りを聞いたアレリオ。
彼は、眠りから覚めて起き上がると気だるそうにシャリルに言った。