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変容・・・


 アレリオが、長剣モンタンテをビョルンの肩に突き刺した。


 そして・・・。



「歌は歌うなよ・・・」


「ぐっうぅぅ・・・く・・・ニ・・・ウ・・・ニウ助けてくれ・・・!?」


 ビョルンは苦しみながら、ニウに助けを求める。



『ガブッ』


「・・・ウウゥゥゥッーー」


(・・・えっ! ・・・どうして・・・)


 ビョルンは、ニウの方を振り向いた。


 すると、そこにはビョルンが頭に被せた青い上着を脱ぎ捨てニウが居た。


 ニウの顔は紫がかった肌をしており、ビョルンの右肩に噛みついていた。



「モグモグ・・・『ゴクンッ』・・・」


 肉を咀嚼するニウ。



「がはっ・・・」


 血を吐く、ビョルン。



「リーダー、こいつどうします」


「アレリオ、もういいっ・・・どうせソイツも放っといたら、アンデッド化するだろ」


 アレリオとジョージ達はそう言う。


 アレリオは、ビョルンの咽を押さえ込んでいた左手を放す。


 ビョルンは周りを見回すと、自分を囲い込むアンデッド達が見えた。



(・・・クソッ! アンデッド共め・・・朝日が昇ったら・・・お前達は・・・)


 ビョルンはそう思う。


 その向こうには、夜の闇が紺色から水色に。

 更に、先程よりも明るく白藍色に成っていた。

 白藍色に染まる空には、光輝く太陽が登り始め夜が開けようとしていた。


 そして、彼の目の前にニウが立つ。



「ビョッ? ル・・・ン・・・う? ま・・・そう?」


 ニウはそう言うと。



(・・・ニウ・・・まさか君の体に入った毒がアンデッド化させる毒だったとは・・・すまない君を守ってあげられなくて・・・ニッ・・・)


『ガブリッ』



 とビョルンの咽に噛みつき血を啜る、そして彼は生き絶えた。



 話しは少し遡る・・・。



「ニウ、ごめんよ、迷惑をかけて」


「良いのよ、でもちょっと私も疲れて来たわ・・・あそこの岩にもたれ掛かりましょう」


 迷惑をかけたとビョルンは謝り。

 ニウは疲れたので休もうと、大きな群青色の尖った岩を指差した。



(・・・頭が痛い・・・それ? に体もふらつくっ!? ま・・・さかアンデッドの毒に・・・マヒ? それ・・・とも?病気に感染した・・・)

 

 そして、二人はその岩の下まで歩いて行きもたれ掛かり休む。



「ちょっとここで休んでよう、もう少しで夜明けだ」


 ビョルンはそう言うが、ニウは。



(・・・頭が・・・痛いし・・・それに何か・・・見え? る? あれ・・・は? 悪霊!? ピープラーイ? いや・・・幻覚よ? こんな所に居るわけ無いし・・・)


 ニウは、カラスが飛び立ち、歪んだ赤い亡霊へと変化していく幻覚を見る。

 それは、幻覚だと彼女は自分に言い聞かせる


 そして、ニウはビョルンと共に岩の下で休む。


 二人共、ここまでならもうすぐ夜明けも迫っているし。

 アンデッドも追っては来ないだろうと思い安心した。



 (・・・眩しいっ!? 凄・・・く眩し・・・いっ・・・)


 ニウは、眩しさが我慢出来ない。



「まっ! 眩しいわっ! 凄く眩しいぃっ!!」


「どうしたんだ、ニウっ!?」


 いきなり眩しいと叫び出したニウ、それをビョルンは気遣う。



(・・・うぅぅ頭・・・がーー眩・・・しいっ! 吐き気? がする・・・うぅぅ? 眩しいーー・・・)


 ニウは、太陽が登り、時間が立てば立つほど頭が痛くなり吐き気が上がる。



「眩しいのっ! ビョルンとっても眩しいのっ!」


「ニウッ!? さあっこれを」


 眩しいと叫ぶニウへ。

 ビョルンは、自分の肩にかけている白いタスキに、ぶら下げた帽子とを彼女に渡した。



(・・・ダメっ! まだ・・・っ? まだっ・・・眩しいの・・・)


「ビョルン、まだ眩しいわっ! これじゃ足りないのっ!」


「ニウ、これならどうだい?」


 ビョルンは、ニウがアンデッドに何かの毒を喰らい。

 そのせいで、眩しいと叫び出したんだろうと思う。

 彼は、苦しむ彼女へ今度は自分の着ていた上着を被せる。



「これでいいかい、ニウ・・・」


(・・・ああっ・・・少し落・・・ち着いたわっ・・・これで・・・眩し? くない・・・)


「ビョルン有り難う、これでさっきよりも大分マシに成ったわ・・・ハァッハァッハァフゥー・・・」


 ニウは呼吸が激しくなる。



(・・・苦しいっ・・・息? が・・・)


 二人は、暫くはこのままここで休むしかないと思う。



(・・・何だか? 太陽が・・・の光が・・焼け? る・・・様・・・眩しっ・・・)


 ニウは眩しさに苦しみ、太陽の光を浴びると気持ち悪くなる事に気づく。

 そして、急激に謎の食欲が沸いてきた。



(・・・疲れ・・・た・・・眩し? お腹・・・空い? た・・・肉? 血? 肉? 血? 肉? 血・・・)


「やっと見つけたぞ」


「お前は、ぐああっ!?」


 アレリオがモンタンテを、ビョルンの肩に突き刺した、そして。



「歌は歌うなよ・・・」


「ぐっうぅぅ・・・く・・・ニ・・・ウッ!?」


(・・・ニウ助けてくれ・・・)


 ビョルンは、ニウに助けを求める。



(・・・お腹? 空い? た・・・わ?・・・ビョ? ル・・・ン貴方・・・の肉?美? 味し? そう? ビ? ョル?ン肉? 旨い・・・旨そう・・・ビョ? ル・・・ン? 肉? 肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉ゥゥゥゥーーービョルン・・・)


「『ガブッ』・・・ウウゥゥゥッーーーー」


(・・・えっ!? どうして・・・)


 ビョルンは、ニウの方を振り向いた。


 すると。

 そこには、ビョルンが頭に被せた青い上着を脱ぎ捨て。

 紫がかった肌をした、顔のニウが居た。


 ニウは、ビョルンの右肩に噛みついていた。



「モグモグ・・・『ゴクンッ』・・・」


(・・・旨いっ! ビョルン美味い・・・ウマイウマイウマイウマイ・・・)


 肉を咀嚼するニウ。



「がはっ・・・」


 血を吐く、ビョルン。



「リーダー、こいつどうします」


「アレリオ、もういいっ・・・どうせソイツも放っといたら、アンデッド化するだろ」


 アレリオとジョージはそう言う。


 アレリオは、ビョルンの咽を押さえ込んでいた左手を放す。



(・・・クソっアンデッド共め・・・朝日が昇ったら・・・お前達は・・・)


 その向こうには、夜の闇が紺色から水色に。

 更に、先程よりも明るく、白藍色に成っていた。

 白藍色に染まる空には、光輝く太陽が登り始め夜が開けようとしていた。

 そして、彼の目の前にニウが立つ。



(・・・ウマイッウマイッウマイッウマソウッ・・・)


「ビョッ・・・ル・・・ン・・・う? ま・・・そう?」


 ニウは、そう言うと・・・。



『ガブリッ』


(・・・あ~~ビョ・・・ルン? 血・・・美? 味しィ~~~~)


 ニウは、ビョルンの咽に噛みつき血を啜る。

 そして、彼は生き絶えた。



「ジョージ様・・・この娘」


「ああ・・・見た目はあまり損傷が無いが既に腐肉の塊化していたようだな」


 シャリルが呟くと、ジョージは答えた。



 そして、仲間であるビョルンを、ニウは噛み殺した。


 ビョルンの咽に噛みついた時に溢れ出た血液がニウの両手に付着した。

 彼女は、それをまるで甘い生クリームを舐めるように両手を舌で艶かしく嘗める回していく。



「私達の仲間に成ってねぇーー? 可愛い格闘家さんっ♥」


 ミリカはそう言うと。

 嬉しそうな表情を浮かべ。

 かつての仲間を食べる新しい仲間を見つめていた。


 ニウの顔はだらしなく涎を垂らし、恍惚の表情を浮かべていた。


 そして、ニウに変化が起こる。

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