あのテントは何だろうな?
「まあ二人共進化した事出し次は・・・あの山・・・群青針山を目指しますか」
ジョージは歩きながらそう言う。
そして、遥か向こうに位置する群青色の地面を眺め。
そこから、天を突く槍の様に映えている山を指差す。
「あそこに人間っているの? 私は居ないと思うけど・・・」
ミリカがそう言うと、ジョージは。
「俺もそう思うわ、だけどな・・・」
「じゃあ何で行くのよ~~」
答えたジョージに、ミリカは不思議がり聞いてみた。
「それはな・・・」
「それはぁ~~?」
ジョージはミリカに対して、もったいぶる。
「それはなミリカ・・・人間が沢山いる場所に行くと、この前のキャンプ地の時のように俺達が人間に囲まれるかも知れないだろ」
ジョージは語る。
「あの群青色の山なら小数で行動する人間が居るかもな、例えば猟師とかな」
「なるほどぉ~~? さぁっすがジョージ、伊達にアンデッドやってないわね」
ジョージの答えにミリカは納得した。
そうこう話し合っているうちに、ジョージ達は山の麓までたどり着いた。
「ここは土が固くて、穴を掘ることが出来ないぞ」
「じゃあ、洞窟でも探す?」
ジョージは、朝までに日の光から身を隠す場所が無いのを心配し。
ミリカは、洞窟を探そうと提案した。
「うぅん、こんな所に洞窟なんてあるのか~~?」
ジョージは言う。
「有るわけないでしょう、だから掘れば良いじゃないこの山の壁を」
洞窟を探せば良いと言った、ミリカ。
彼女は、洞窟がなければ、山の絶壁を削り洞穴を掘れとジョージに言った。
「掘ろうにも、この固さじゃあ~~壁を掘れったって無理だな、暗黒魔法でも削れそうにないな?」
ジョージは壁を触り、拳で壁を叩いて確かめて無理だと判断した。
「リーダー殿、ミリカ殿、あれを」
そこに、リュージンが何かを発見する。
リュージンの見つけた物を目を凝らして良く見ると。
キャンプ用の三角のミニテントが張ってあった。
「何だ? あのテントは・・・中に商人でも居るのか・・・」
「ねぇ中に誰か居るのかな?」
ジョージがそう呟くと、ミリカもテントを凝視して、彼に誰か居るのかと聞く。
「リーダー近づいて様子を偵察しますか?」
「ああっ頼む・・・アレリオ、シャリルあのテントを調べて見てくれ」
アレリオが偵察を申し入れると。
ジョージは許可して、彼とシャリル達に調査を頼んだ。
アレリオとシャリル達は、そうっとゆっくり音を立てずに歩き。
テントに近づいて行く。
すると・・・。
『ガバッ』
「何か? 今居た」
三角テントの中から、若い小柄な女性が天幕を開き出てきた。
白みがかった健康的な肌色の肌。
それに、艶の有る黒髪をロングミディアムの髪型に整えている。
前髪は、左を向き、毛先は内向きに向いている。
瞳の色は、黒玉色で鼻筋は若干丸く。
アジア系の顔立ちの勝ち気な表情をした女性だった。
服装は臍を出して、オレンジ色のタンクトップを着ている。
左肩から斜め右下に長い花の細かい刺繍が入った、オレンジ色のタオルのような布。
それを巻き付けていた。
下は、ブカブカの膝を隠すくらいの長さの灰色の短パン状のタイズボンを履いている。
足には、灰色の包帯を巻き付け、薄茶色のサンダルを履いている。
武器は。
両腕に、前後に握るグリップが二つも付いた太いトンファーを二つ装備している。
その二本ある、後ろのグリップを握り。
後ろの部分を紐で腕に巻き付けて固定している。
ジョージはその女性を見て思う。
東南アジア系の女子キックボクサーの様な格好をしている。
こちらの気配に気づく当たり、かなりの手練れで有ることを伺わせると感じた。
「あの女格闘家・・・たぶん・・・かなり強いな」
ジョージが格闘家を観察して言うと、テントの中からもう一人男が出てきた。