えっ! 本当にエスカルゴ食うのっ!?
アレリオとシャリル達。
二人の体に変化が起きた。
怪しい青い煙と黒い霧に、身体の全身を、すっぽりと包み込まれてしまったのだ。
「どうなっているの? これ・・・」
「さあ、きっと進化するんじゃないか」
ミリカの問いに対して、ジョージは彼等を推測した。
『ステータス、新たな姿にアレリオは進化しました』
『ステータス、新たな姿にシャリルは進化しました』
ふわぁっと青い煙と黒い霧は、ほぼ同時に消え失せてしまう。
その中から、アレリオとシャリル達は新しい姿を現す。
「リーダー、これはいったいっ!?」
「お姉さま、私達に何が・・・?」
二人は新しい姿に変わり、その姿に戸惑いを見せる。
アレリオの姿は鎧が少しだけ変化した。
紫の細かな模様が鎧に刻まれ、肩の部分も分厚くなる。
愛用の長剣であるモンタンテにも、禍々しい赤紫色の宝石が填め込められていた。
シャリルの姿も、僧衣に少しだけ派手な刺繍が付く。
僧侶の帽子には、中心に青い宝石が填められていた。
手に持つメイスは、四つの刃が前より少し尖り凶悪な封印きを放っていた。
「二人も進化したか・・・」
「大丈夫よっ! 二人共、進化して強くなったのよっ!」
ジョージとミリカ達はそう言うと、嬉しそうに喜んだ。
「御二人共、進化おめでとう御座いますっ! ワシも早く進化したいですな・・・」
リュージンは、二人を祝うが、同時に残念そうにボソリと言った。
「リュージン、次はお前の番だな? 後少ししたら、お前も進化して、もっともっと強くなるさっ! それにお前はこの仲間の中でも充分に強いだろ」
「そうですな、気長に待ちますかな」
元気付けようと、ジョージが言うと。
リュージンは彼に言われた通り、気長に待つ事にした。
「ねぇ、ジョージ~~? あれってたべれるのかな? こっちの世界にさ、エスカルゴって言われる高級食材があるわよね・・・」
「お姉さま、その通りに御座います、私の国にも高級料理の食材にジャイアントスネイルの肉が使われる事がありますので、このエスカルゴンの肉を食べますか? 私は泥臭いので嫌ですけど・・・」
ミリカが言い出すと、シャリルはそう言って嫌そうな顔で答えた。
「いや、普通に無理っ・・・」
「私も・・・」
「俺もです・・・」
「ワシもじゃ・・・」
ジョージ、ミリカ、アレリオ、リュージン達も、食すのを嫌がる。
結局、死骸はそのまま放っといて彼等は歩いて人間狩りへと向かった。
暗闇の中の荒野を、さ迷い歩くアンデッドのパーティ。
「ステータスを確認するか」
「いっつも確認し忘れるわね、私達夫婦は」
ジョージをいつも通りからかう、ミリカ。
「夫婦じゃねえって・・・ステータス確認」
そう言うと、ジョージはステータスを確認する。
『ステータス、アレリオ、現在スケルトンソルジャー』
『ステータス、シャリル、現在デスシスター』
二人の進化した後のアンデッド名を、ジョージは確認した。
「アレリオは、スケルトンソルジャーだと、シャリルは・・・デスシスターだ」
ジョージは、アレリオとシャリル達に名前を告げた。
「俺はスケルトンソルジャーかっ! って事はキングとかにも進化するのか」
「私もアンデッドの法王等に進化するんでしょうか?」
アレリオとシャリル達は、何れ進化の果てに最強のアンデッドと化す事を望む。
「まあ、進化したらいずれはそこまで進化するだろうな」
「そうよ、貴方達もリュージンさんもいずれは最凶最悪のアンデッドに・・・」
ジョージとミリカも、二人が最強のアンデッドになる事を願って言った。