エスカルゴは焼いたら食べられるか?
「あーーここで戦闘かよ~~」
ジョージはそう言って、腰からショートソードを抜いて戦闘に備える。
すると・・・。
『ブクブクブクッ』
不気味な音が沼から聞こえ、泥の中が泡立つ。
泥で濁った水面から、エスカルゴンが三体も追加で現れた。
「四体もかっ! コイツら、キモすぎだろっ!?」
ジョージが見た目の気持ち悪さを耐えきれず、文句を言うと。
『ブシュウッーー』
「うわっ! 溶解液を吐いて来やがったっ!!」
ジョージは、折り畳み式のダンゴムシ型のラウンドシールドを展開して防御した。
『ジューー』
ダンゴムシ型のシールドは溶けなかったが。
エスカルゴンの酸をまともに浴びたら危険だ。
そう思った、ジョージは。
「やべぇっ! あれをまともに生身にくらっちまったら溶けるぞ、危険だっ! 皆っ!! 分散しろっ! アレリオとシャリルは右から俺と・・・ミリカは左からリュージンは、俺達について来て後方に回り込んで、あのカタツムリを叩きのめしてくれ」
ジョージは、素早く仲間達に指示を出す。
「了解っ! リーダー、行きますよっ!」
「はいっ! リーダー右は任せて下さい」
アレリオとシャリル達は、エスカルゴンの右側面に回り込む。
「行くぞっミリカ、リュージン」
「ジョージ任せてっ! あいつも、きっちり焼いて上げるから」
「リーダー殿、お任せあれ」
ジョージも駆け出して行き、ミリカとリュージン達も彼に続いて駆け出す。
「行っくぞ~~」
「キェーー」
『ブシュウウッ~~』
「うわっ! 毒霧かっ! あれっ? 何とも無いぞ? アンデッドだからこいつの毒は効かないのか?」
ジョージは毒霧を浴びたが、体に何の異変も無いことに気づいた。
ひょっとして毒は効かないのか。
アンデッドだから。
ステルスネークの毒も、ひょっとしたら、効か無かったのかも。
そう、ジョージは考える。
そして、ジョージは一体のエスカルゴンに近づき、暗黒魔法を放つ。
「ダークボール」
「キェッ」
エスカルゴンは体に暗黒球が当たり、短い吠え声を上げた。
「ちょっとは効いたようだな、このエスカルゴ野郎」
ジョージはそう言い、次の行動に移る。
「ミリカ、リュージン援護を」
ジョージは、二人に指示を出し、援護を頼む。
「ええっ行くわよっ! ジョージ、フレイムボール」
「はいですじゃ、リーダー殿っ!」
ミリカは一体のエスカルゴンに火炎魔法を放つ。
リュージンは、後ろから偃月刀でエスカルゴンの背中に切れ込みを入れた。
『ボォッ』
「キケェーーケェーーーー」
「こいつ・・・火に弱いのか? ミリカもっとこいつらを焼いてくれ」
ジョージは、ミリカの火炎魔法をくらい。
奇声を上げる、エスカルゴンが火に弱い事に気づいた。
「分かったわっ! ジョージ、フレイムボール、フレイムボール」
『ジュンッ』
ミリカの放った火炎魔法を、殻に閉じ籠り身を守るエスカルゴン。
「こいつら!? 殻に閉じ籠りやがったな・・・叩いて無理矢理出してやるよっ!」
『ガンガンッ』
「出ねぇっ!!」
ジョージは、エスカルゴンを殻から出そうと必至で腕を振り上げる。
そして、ショートソードを殻に叩きつけるが。
エスカルゴンは、一向に出てくる気配はない。
「リュージンはっ?」
ジョージは、リュージンに視線を向ける。
リュージンは、ジョージの相手だったエスカルゴンを狙う。
リーダーである彼の手こずっていたエスカルゴンに対し。
助走をつけて駆け出して来る。
走りながら彼は、偃月刀の刃の付いていない柄の部分を前に出す。
それから、エスカルゴンに思いっきり突っ込んだ。