餌を探しに
「シャリル、この辺から近い所に魔物が出そうな所はあるか?」
ジョージはシャリル達に、聞いた。
「リーダー、ここからなら南に沼地があるのでそこなら食べられそうな魔物がいるかと」
シャリルがそう言うと、ミリカは。
「何でも良いわ、美味しくて食べられる物なら」
とミリカは答えた。
「そうだな、早く行こうな」
ジョージを先頭に、アンデッド達は南に向かい歩き続けた。
彼等が沼地に着くと。
先程の平原を流れていた川の支流が流れてきているようだった。
そのおかげで、此処には沢山の魔物が居た。
「ここの魔物は食うにはちょっと泥臭そうだな・・・」
「リーダー殿、この沼地に流れ込む川の支流の所で洗えば、魔物についてある泥臭さも消えるのでは」
困るジョージに対して、リュージンはそう言った。
「そうしますかっ!」
ジョージは、リュージンの言う事に賛成した。
「リーダー、その必要は無さそうですよ・・・あそこをご覧下さい」
アレリオが、指差した方向に視線を向けると。
沼地の畔に、豚ネズミ達が三匹も昼寝をしていた。
豚ネズミはその名の通り、豚の様に肥え太ったネズミの魔物だった。
そこを、ジョージ達は気づかれぬ様に、そうっと九メートルまで近づく。
そこから、シャリルとミリカ達が魔法を放つ。
「フレイムボール」
「サンダーショット」
二人が放った魔法は、二匹の豚ネズミに当たり、豚ネズミ達は悲鳴を上げた。
「ブヒヒーー」
「ブヒッ~~」
豚ネズミ達は簡単にやられてしまう。
「雑魚いな、ダークボール」
残る一匹も、ジョージが魔法を放つと足下に当たり倒れてしまう。
「止めだっ!」
「プヒィーー」
そこを、アレリオがモンタンテで止めを刺した。
「何奴っ!?」
リュージンは後ろに風魔法を放つ。
「・・・・・・プヒッ!?」
『バタリ』
残る四匹目の隠れていた豚ネズミも、魔法でリュージンが仕留めて絶命させた。
「じゃあ、何時もの通りに焼くねぇ」
ミリカはそう言って火炎魔法を豚ネズミに放つ。
こんがりと焼けた豚ネズミを皆で分けて食べていると。
「ジョージ、美味しい・・・?」
ミリカは恥ずかしそうに、ジョージに質問した。
「ああっ? ミリカ、美味いけど・・・」
ジョージは何だと思いながらもそう答えた。
「ふふっ! そうよねっ? 愛妻が腕によりをかけて作ったご飯は美味しいわよねぇ」
ミリカはそう言って、ジョージをからかう。
「ぶぅっーーーー!?」
ジョージは唾と肉を吐いた。
「あっ! ジョージ、愛妻が作ったご飯を・・・それに食べ物が勿体ないわよ」
「ミリカ、お前って奴は・・・」
ミリカはジョージをからかい、彼は呆れて何時もの事か怒るのも疲れると思った。
「あーー相手にするの面倒くさっ!」
ジョージはそう言った。
そして。
「まあバカは放っといて・・・腹が膨れたし、次の目標何だがな・・・会議で決めようと思うんだが?」
次の目標の事を会議で決めようと、ジョージは言いだす。
「みんな、意見はあるかな?」
ジョージがそう言うと、リュージンが。
「リーダー殿、我等は戦力不足・・・故に是非戦力の拡充をっ!!」
「私も賛成です、今のままでは人間達に数で劣る私達はいずれ負けてしまい、肉体と魂までも浄化されて消えてしまうでしょう」
「もう一人、二人、いや仲間は多ければ多い程心強いんですがリーダーどうしますか?」
リュージンの意見に、シャリルとアレリオ達も賛成した。
二人もまた新たな仲間が欲しいとジョージに意見を言うのだった。
「やっぱそうだよな、キャンプ地も攻め落とすにしても、持久戦に持ち込むにしても、仲間の数が足りなかったよな」
ジョージは三人の意見に対して、そう言った。
「ブラザーインアームズや、オペレーションフラッシュポイントだって沢山のドイツ兵や中国兵と戦う時は十人から十二人くらいの人数で作戦展開していたもんな」
ジョージは、ゲームの事を思い出して言った。