増援の到着
「増援だって!?」
「はいっ! 今に馬で駆けつけて来ます」
ジョージは驚き、リュージンは馬で駆けつけて来ると告げる。
五分前。
リュージンは窪みに隠れて、キャンプ地の様子を伺う。
そうしていると・・・。
『パカラッパカラッ』
どこからか馬の蹄の音が聞こえ続いて。
『パンッ』
『パァン』
『ボッ』
『ボゥッ』
後ろから銃の音と魔法の音が聞こえて来た。
リュージンは後ろからの音のする方を振り向くと馬に股がる騎馬部隊が見えた。
騎馬部隊はら銃とショートスタッフで武装しており。
猛烈な勢いで、こちらへと駆けて来るのが見えてきた。
「不味い・・・ジョージ殿とミリカ殿達に伝えねばっ!」
リュージンは、騎馬部隊とキャンプ地の攻撃が続く中を駆け出した。
一方、キャンプ地の人間達は。
「やっと来たかっ!」
「伝書鳩を飛ばしたのが届いたのですね」
キャンプリーダーが呟くと、伝令の男はそう言った。
そして、キャロルも・・・。
「師匠っ!」
(・・・師匠が動いた? 後ろから騎馬部隊っ!! 増援・・・)
それに気づいて逃がさないとキャロルは思う。
「師匠っ! アイスビーム!!」
氷結魔法を、リュージンに放つキャロル。
氷結魔法はリュージンの左肩に当たるが、彼はそれを気にも止めずに駆けて行く。
「師匠っ! 待って・・・」
キャロルはそう叫ぶが、リュージンは走り差って行く。
(・・・師匠・・・)
キャロルは、リュージンを仕留められずに落ち込む。
五分後。
「それで増援の数は?」
「ざっと数えて十人に御座います」
ジョージは、リュージンに敵の数を聞いて絶句する。
「・・・・・・」
十人とは言、え騎馬部隊が相手となるとは想定しておらず、ジョージは驚きを隠せなかった。
騎馬部隊がもし自分達に迫って来たら自分達は簡単にやられてしまうだろう。
馬上から槍で銃で。
あるいは馬の蹄の下敷きに成り踏み潰されてしまうかも知れない。
そう考えると、ジョージは竦み上がる。
彼は口を開いた。
「撤退だ・・・アレリオ達がもう直ぐにこっち人間来る、そうしたらリュージンこの前の様に土を巻き上げてくれ・・・」
「御意・・・」
ジョージの言葉に、リュージンは短く答えた。
「あっ! ジョージ、アレリオとシャリルちゃん達も来たわよっ!!」
ミリカが右側面を指差して言った。
そちらに目を向けると、右側面から二人が来るのが見えた。
よく見ると、アレリオがシャリルを抱き抱えてこちらへ走って近付いていた。
やがて、アレリオはシャリルを抱き抱えて到着した。
「リーダー、撤退ですねっ!」
「今晩はこれくらいにしてまた明日も」
アレリオとシャリル達はそう言った。
「いや・・・明日はない、お前ら全力で走れ、ある程度走ったらリュージンの風魔法で土を巻き上げて貰う、それで丸一日明日の夜まで隠れてやり過ごすぞっ・・・さあ走れ~~~~~~」
ジョージはそう言うと、走り出した。
「あっ待って、ジョージちょっ!? まだ二人に説明がっ・・・ちっ! もうジョージったらぁ~~? 二人共敵の増援よっ! さあ走って」
「左様、騎馬部隊がこちらに向かっておりますぞっ! アレリオ殿、シャリル殿、御二方も馬の蹄にぺしゃんこにされたくなければ早う走りなされ」
ミリカとリュージン達も、ジョージを追いかけて走り出す。
「あっ! ちょっと、待って下さーーい」
「お姉さまぁーー待って下さいよーー!!」
アレリオとシャリル達も、駆け出して、ジョージ達について行く
そして。
「げっ! もう、ここまで追っ手が来たか」
ジョージが後ろを振り向くと、馬に股がる騎馬部隊の兵士達が。
もう、六十メートル手前まで迫っていた。
「リュージンさんっ! 早く風魔法をっ!」
ミリカは、リュージンにそう言った。
「今やりますじゃ」
リュージンは、風魔法による竜巻で土を巻き上げ。
ジョージ達の姿包み込んでしまった。
「ヒヒィーーン」
「ブルルルゥッ」
馬達を止めて、騎馬部隊の隊長は当たりを警戒する。
「奴等は何処へ行った・・・?」
そう言って、隊長は次の指示を出した。
「砦・・・いやキャンプ地へ行くぞ被害状況を確認しなければならないし場合によっては重傷者の手当てをせねば」
隊長はそう言って、騎馬部隊をキャンプ地に向かわせた。