表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

109/645

攻略戦


「アレリオ、こっちだーー!」


 ジョージは、シャリルを抱えて走るアレリオに向かって叫ぶ。



「アレリオ、頑張りなさあ~~いっ! お姫様を抱える王子様みたいよ~~」

 

 ミリカも、からかいながら、アレリオにそう叫ぶ。 



「ミリカ様、今は冗談を言っている場合では」


「お姫様っ! いい加減にっ!!」


 アレリオとシャリル達は、敵の攻撃を背中から受ける形の中、ミリカに抗議する。 


 その間も、果敢にもアレリオはシャリル抱き抱えて銃弾と魔法の嵐の中を駆け抜ける。

 そして、ジョージ達の塹壕までシャリルを無事に連れて来た。



「二人共無事か?」


 ジョージは、戻って来た二人を心配し気遣う。



「シャルが足に怪我をしています」


「リーダー、アレリオ、心配無いわ、軽傷よ」


 アレリオは、シャリルが負傷していると告げるが、彼女は軽傷だと言う。



「今負傷を治します、ヒール」


『パアアッ』


 蒼白い光を放ち、シャリルの足の怪我は治る。



「皆様方、敵の攻撃が激しくなって参りましたぞっ! エアーカッター、エアーカッター」


「フレイムボール、フレイムボール、

フレイムボール、フレイムボール」


 リュージンはそう告げると風魔法を打ち返す。

 それから、ミリカも魔法を複数放つ。


 リュージンの放つ、エアーカッターは正確に、二人の敵に当たる。

 乱発したミリカのフレイムボールは、キャンプ地の丸太の壁に当たり火の手を上げる。



「うっ撃たれた・・・肩がる」


「やられたわっ・・・腕が・・・衛生要員を」


 銃を持つ男と、弓を構えた女性が二人共倒れて壁にもたれ掛かる。



「負傷者だーー衛星要員っ! どこだー衛星要員ーー!?」


 凸凹の銃眼口に隠れ、クロスボウに矢を装填する男が後方に叫ぶ。

 すると、奥から僧侶が現れ負傷者の元に駆け寄る。



「負傷者はこの二人ですねっ! どうやら軽傷の様だな、今治療を」


 僧侶はそう告げる、と二人の負傷者に回復魔法を掛けて治療を施した。



「さあもう大丈夫ですよ」


 僧侶は治療を終えると、直ぐに安全な後方に退避した。



「直ったか? だが次に直撃を受けたらヤバイな」


「さあそんな事考えてないでやり返して上げなきゃ」


 銃を持つ男と、弓を構えた女性達は、そう言うと素早く戦列に戻る。



 一方・・・壁に付いた火の手は。



「おいっ! 火が付いているぞっ消せぇーー」


 一人の投石紐を持つ男が、壁の炎症に気づいて叫ぶ。



「火はまだ小さいっ誰か水をっ」


「任せとけ、アイスビーム」


 壁の上から、魔法使いの氷結魔法が放たれ、火の手が燃え広がる前に鎮火される。



「敵は、このキャンプ地を炎上させる気だ気をつけろ」


 氷結魔法を放った魔法使いがそう言った。

 一方、キャロルは小窓から杖を出し氷結魔法をジョージ達に狙いを定め放つ。



「師匠どうか安らかに眠ってね・・・アイスビーム、アイスビーム」


 キャロルの放った憎しみと悲しみの入り雑じった氷結魔法。

 それは、ジョージ達に向かい飛んで行く。



 ジョージ達は作戦通り、三手に別れようとしていた。


 正面をジョージ、ミリカ達ペアが担当する。

 右側面をアレリオ、シャリル達のペアが担当する。

 そして、左側面からは、リュージンが魔法で攻撃すると言う作戦に移る所であった。



「良いか、アレリオ? 元々その剣でシャリルの楯役をやって貰う予定だったが、お前はさっきのお姫様抱っこでシャリルを抱えて走れ」  


 ジョージは急に、アレリオにそう言った。



「はいー? リーダーさっきのは咄嗟にシャリルを助けなきゃいけないと思ったからやったんですよ、じゃなきゃあんな恥ずかしい真似普通しませんよ」


 アレリオは反論する。



「でも、格好よかったわぁーー♥ アレリオ、貴方は何だか王子様見たいだったわよねぇ~~シャリルちゃん♥」


 ミリカもそう言って、アレリオとシャリル達を囃し立てる。


「お姉さまっ! また御冗談をっ!?」


 シャリルも顔を赤くして、ミリカに反論する。



「良いから話を聞け・・シャリルが普通に走るよりもアレリオが抱えて走れるほうが早く、それにシャリルも抱かれながら魔法を放てると言うことだ」


「はあーーそうですかね・・・」


「でしょうかね・・・?」


 そう語る、ジョージに対し。

 アレリオとシャリル達は、ほぼ同時にそう言った。



「皆様方魔法が飛んできますぞ、伏せてっ・・・」


 リュージンがそう言うと。

 氷結魔法が正確にジョージ達を狙い。

 真っ直ぐ一直線に向かって来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ