作戦はどうするのか?
「まあそうだな、ミリカの言う通りに作戦を練り直しますか」
ミリカの言う通り、作戦の練り直しと計画変更が必要だとジョージは考え、仲間達にそう言った。
「それで・・・作戦の練り直しを始めるが何か意見が有る者はいるか?」
「リーダー殿・・・」
ジョージが意見を求めると、リュージンが意見か提案かを言おうとした。
彼の意見が気になるので、その意見は何なのかと聞いてみるが。
「何だ、リュージン言ってみてくれ」
「リーダー殿・・・ワシらは五人、中の人数は三十~五十人くらいは居るだろうと思われますじゃ・・・つまり一人に付き十人殺せば相手を殲滅できますじゃ・・・」
ジョージは絶対無理な事を語るリュージンに対し。
マジか、こいつ・・・と思い、絶句した。
「皆様方は魔導術の研究と格闘術の鍛練を七十年も積んだこのワシを倒す程の実力者達ですじゃ・・・あれくらいの敵の数は物ともしないはず・・・」
リュージンはそう語るが。
ジョージ達は、いや無理・・・絶対に無理・・・と皆で思った。
「そう言えばリュージンと戦った時も結構強かったしな・・・俺とミリカで二対一にして挟み撃ちした時も、かなり手強い相手だったな・・・お前に勝てたのはただの運の良いまぐれだったと言う訳か・・・」
ジョージは、リュージンとのキャンプ地での戦闘を思い出し。
そんな昔の事でも無いのに、懐かしそうに語る。
「んっ! まてよ・・・じゃあさっきの戦いは、あの銃や弓を撃ってきた奴等に・・・それだけ強いなら何故戦わないで隠れたんだ?」
「それはジョージ殿を始め、皆様方が雑魚と戦うのは面倒だろうと思い、風魔法で土を巻き上げ、皆様の姿を土の下に隠したまでで御座いますじゃ」
頭に疑問が浮かんだジョージの問いに対し。
リュージンは答え、なぜ土中に身を隠したのか説明した。
「腐肉の塊になってからもスパイクリザードの頭に一気に噛みついたり、もう一匹のスパイクリザードにも投槍して、頭のうなじに一発で当てたり、結構な強さだったもんねぇーー? リュージンさんは」
ミリカも、何故腐肉の塊と化したリュージンが。
あんなに強かったのかと疑問に思い、一人そう呟いた。
「でもどうして、あんなに強かったのかしら? 腐肉の塊になったら普通は動きはトロくて弱くなるのにねぇ?」
「お姉さま、それはきっとリュージンさんの元々の魔力や筋力、それに知能が高く、それで腐肉の塊になっても、あれだけの力が発揮出来たのであろうと思われます」
ミリカは続けてそう言った。
その疑問に対して、シャリルは腐肉の塊の時のリュージンの強さの理由を説明した。
「なるほどねぇ・・・腐肉の塊にも個人差があるのね~~」
「あの・・・それで作戦は・・・」
ミリカは、シャリルの説明に納得した。
そして、アレリオはジョージに作戦はと質問した。
「作戦、どうします?」
「あっそうだったな作戦はと・・・」
アレリオは更に一言だけ言った。
そして、作戦内容を問われたジョージは考えると。
「まず、ミリカとシャリルの安全面を考慮しないと行けないな・・・」
「どうするんですか? ミリカ様とシャルは吊り橋の前に立つという所から変更しますか?」
ジョージは安全面からミリカとシャリル達にどう動いてもらうかと考える。
すると、アレリオはつり橋から遠ざけた方が良いのではないかと提案した。
「リーダー殿、自軍より敵軍の兵数が多く正面から戦えないのであらば持久戦に持ち込むと言うのはどうでしょうかな?」
「持久戦・・・?」
リュージンの提案に、ジョージは何をするのだろうかと思う。
「簡単な事ですじゃ、キャンプ地の奴等を釘付けにして、じわじわと首を真綿の糸で締めれば良いのですじゃ・・・」
リュージンは、ニヤリと笑いながら語る。
「つまり、敵を疲れさせれば良いって事か・・・」
「そうですじゃ、リーダー殿・・・してその為の案が幾つかあるんじゃが」
ジョージは、リュージンの良いたい事が何となく分かった。
そして、彼は相変わらず若い容姿で年寄り言葉を使い。
幾つかの作戦の思案をリーダーである、彼に語った。