キャンプ地にたどり着いた少女・・・
キャンプ地を目指して走り出したキャロル。
彼女は、川を越えた先に見えた丘まで駆け上がる。
丘の上からは。
北側の方角に、丸太の壁と深く掘られた溝に囲まれた、キャンプ地が見えた。
「あそこまで行けば・・・」
キャンプ地に向かえば助かると思ったキャロルは、再び一気に走り出した。
「んっ! 誰か来るぞ、おいっ皆警戒しろっーー誰か来たぞおーー」
キャンプ地の丸太の壁の上部は城壁のように凸凹に形状をしていた。
凹凸の部分からは、弓兵や銃兵が射撃できるになっていた。
更に、それよりも高い見張り台があり。
そこから、見張り番の男はキャロルの姿を発見した。
「誰が来たんだ、夜間偵察に出掛けた連中か? それとも襲撃者かっ!」
「襲撃者だとっ! 数は何人だ、いやもしかして魔物かっ?」
奥から沢山の人間か表れて、丸太の壁の上部に集まって来る。
そして、このキャンプ地を目指して歩いて来る小さな人影。
キャロルに向けて、銃や弓、杖やクロスボウを向ける。
「ゴブリンか? あの小ささは・・・」
壁の上部の凸凹から、一人のクロスボウを構えた傭兵の男が、そう言うと。
「待って下さいっ! 私は人間ですっ! たっ助けて下さいっ!! アンデッドに追われていてっ」
キャロルは急いで両手を上げて、キャンプ地の人間にそう大きな声で叫んだ。
「よしっ! そこを動くな、今つり橋を下げる橋が下がったら、こちらにゆっくりと来いっ!」
キャロルは傭兵の一人から、そう言われ、吊り橋が下がるのをじっと待つ。
(・・・どうやら警戒されている様だけど? ここまで来れば一安心ね・・・)
『ギィーーガタガタガタッ!』
キャロルが一安心すると、つり橋が下がり、彼女はゆっくりと歩いて渡る。
(・・・やっと橋が降りたわね?)
キャロルは橋を渡る。
キャンプ地の門が開き、中から大楯と長剣を構えた男。
クロスボウを構えた女性が、門の左右に別れて周囲と彼女を警戒する。
「さあ中に入れっ!」
「早くしなっ!」
大楯と長剣持つ男と、クロスボウを構えた女性は、そう言ってキャロルを急かす。
「おいっ! 僧侶か医者はどこだっ?」
「ここだよ」
門の中にいた男がそう言うと、奥から現れた僧侶はキャロルの体を調べた。
「お嬢ちゃん、動かないでね? さあ口を開けて、はいっ! 次は瞳を見せてね・・・」
僧侶は、キャロルの顔を中心的に全身を汲まなく調べ。
彼女が、アンデッドかどうかを確かめた。
「大丈夫だな、このお嬢ちゃんはアンデッドじゃない、皆心配は要らないっ!」
キャロルの体を隅々まで調べ。
アンデッドではない事を確かめた僧侶は、安全だと宣言した。
「お嬢ちゃん、何故一人でこんな所まで? さっきはアンデッドに追われているとか言っていたが、何があったんだ?」
僧侶は、キャロルに優し気にそう言うと、彼女は今までの経緯を話し始めた。
「私と師匠の二人は、魔物の住みかの山の近くのキャンプ地に行くと、アンデッドが人間の振りをして待ち構えて居て・・・」
キャロルは大きく息を吸い込むと、丁寧に事の経緯を僧侶に話し始めたのだった。
「おっ? 川が見えたぞっ! もう少しで丘も見えて来るな、そしたらキャンプ地まで一直線だ」
「ねぇーー少し休憩しない? 疲れてお腹ペコペコなのよ」
ジョージは仲間に大きな声でそう告げると、ミリカが急に文句を良い始めた。
「りゅうちぇるに腹が一杯になるまで食わせて貰えっ!」
「もぉーーそっちのペコじゃなくてお腹のほうよぉーー」
ジョージは冗談を言い、ミリカは不機嫌な顔で、お腹を擦って突っ込みを入れる。
「まあっそろそろ? ミリカの言い分も一理あるし、小休憩にして持って来たスパイクリザードの肉を焼いて食べますか」
そう言って、腹を空かせたジョージ達アンデッドは昼飯を食べる準備を始めた。