表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

跋文

 増川は何を感じて、見て、触れたのか、彼しか知らないだろう。つまるところ今となってはわからない。そんなことに興味を持つ奴もほとんどいないだろうし。何せ聞いたって理解できないに決まっている。理解しようとすらしていない、と言い表す方が正しいかもしれないな。ほとんどの場合そういう体裁だからね、人間関係とは。


 私は増川が飛び込むのを見ていたんだ。近場に住んでいてね。三階に住んでいて川を見下ろせるんだが、古いアパートだから大雨の日なんか本当に大変で大変で。虹?私には見えなかったけれど。勢い良く川に身を投げたようにしか見えなかったよ。


 ただこんなことを言うのは憚られるんだが、美しかったんだよ。走ってるあれが増川だとわかった頃にはもう川の上空で手を伸ばしていたから表情なんかはわからなかったけれど、否定的な行動には感じられなくて。特に沈んだ勢いで打ち上がった泡からは、彼の心中の清々しさまでも伝染してくるようだった。こんな言い回しじゃ伝わらないか?そうだな例えるなら――。


 増川は、ジントニックの氷みたいだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ