表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
物語を綴ろうとする方へ  作者: 新しい物語を祝福する者
5/6

四、「誰になんと言われようと」

「小説読ませてもらったけど、面白くなかった」、「物語なんて書いても無意味。そんなことより勉強(就職)しろ」。


 もしかしたら、こんな事を誰かにいわれるかもしれません。しかもこれは、メッセージや感想などのデジタルな0と1の羅列で作られた文章ではなく、人間の口から発された、現実の言葉である場合が多いです。


 要するに、自分へと直接語られた、貴方の作品への評価です。


 これらを肯定的(ポジティブ)に捉えるのは、並大抵の労力や胆力、精神力ではできません。率直かつ無遠慮で、冷酷で残酷な言葉ですから。


 これに対して筆者が出来る事は、それらの言葉にショックを受け、(うずくま)った貴方の背中をさするぐらいの事です。




 まず最初に、とどめを刺す様で申し訳ないですが。


 貴方の作品は、ええ。もしかしたら、万人受けするものではないかもしれません。もしかしたら、何の価値もないのかも知れません。しかし、それだけの物ではない筈です。


 そもそも、万人受けする小説が、果たして「良い小説」でしょうか? 違うでしょう。万人受けするからと言って、世界中の誰もがそれを好きではありません。万人受けしないマイナーなジャンルが好きな人もいます。


 ノンファンタジーな戦記物。ダークヒーロー風の主人公によるローファンタジー。近未来SF。これら三つ、筆者が書いてきた連載の全てが、万人受けするものではありません。ましてや、近頃の方々が読みたくなるものでもありません。


 ですが、これを読んで、ブックマークや評価をつけてくれた方もいます。ポイントが全てではなくとも、貴方の作品を見ているという確かな意思表示です。私は私の書きたい物を書いていて、それに「読んでるよ」と声を書けてくれる方がいらっしゃるんです。


 それに、全ての小説は、すべからく始めから価値など0です。何度でもいいます。たとえ十万ポイントの作品だろうが、百万人が書籍化を希望した小説だろうが、全ての価値は0です。


 何故なら、それはやはり、文字と言う名の記号の羅列に過ぎないからです。「琥珀の如き煌き」も、「ああああ」も、同じく文字でしかありません。この文字一つ一つに、なんら価値など存在していないのです。


 では、価値のあるものとは? それは、貴方が決めるのです。一億円のスーパーコンピューターを無価値だと思うのも、誰かが拾い上げた石ころが唯一無二の宝物で、無限大の価値を持つのだと思うのも、すべては貴方が決めるのです。


 貴方の小説は、物語は、評論は。全て、無価値でしょうか? いいえ。貴方がそれを書いた時点で、貴方の思う無限の価値が既についているのです。だったら貴方は、誰が何と言おうと、貴方にとって尊いそれらを書いて行ける筈です。


 勉強なんかより、就職なんかより。貴方が描いたそれらの価値は、本当に素晴らしいものです。なら、蹲っていることはありません。誰にでも誇ってそれを書いてよいのです。


 ~2017/10/07 追記~

 上記ではああ述べましたが、勉強も就職も、大事な事ではあります。貴方の書いた物の方が、たしかにずっと素晴らしい物で、それらの一切をあきらめてまで勉強・就職を行う必要はありません。


 しかし、貴方が描く世界は、今存在する現実において成り立っているものです。その点において、貴方は無数の人間と、それらが連なった社会の上にあるのです。貴方が現代に生きる文明人である以上、様々な関係をおろそかにしてはいけません。


 勉強も就職も、貴方の創り出す物に及ばずとも。ないがしろにしては貴方の身を、引いては貴方の作品をも滅ぼしてしまうかもしれません。


 生きて行く以上、貴方を包み込んでくれる様々な物に感謝し、そして付き合って行かなければなりません。けれどそれらは、最低限で全く構いません。貴方は、誰に強制される事もなく、自由に書いていいのです。




 忘れないでください。

・誰から何と言われようと、それは貴方の小説の価値を決めるものではありません。


・たとえどれだけ残酷な言葉で踏みにじられた(さくひん)でも、書いた貴方にとっては煌く宝石です。自分ではない誰かの評価は、絶対のものではありません。


追記・貴方の立つ現実をないがしろにしてはいけない事も、心の片隅において置く。


・誇ってください。貴方は無限の価値を生み出せる人間です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ