三、「YES辛口、NO中傷」
「お前の小説は面白くない」、「見るのも不快だから消えろ」もしくは「この展開はこうでなければだめだ、書き直せ」。
結論から述べます。貴方の作品に対しこういった文章が送りつけられた場合、全て無視、もしくはブロック、削除を推奨します。(その感想やメッセージのスクリーンショットは撮っておきましょう。繰り返し送られた際、運営への通報時有利です)
これらは誹謗中傷と呼ばれる類の文面であり、「人を傷つけるためだけに作られた」「まるで無意味な」言葉の羅列に過ぎません。ですから、気にしてはならないのです。
こういう類の文を送るのは、大方「人を傷つける自分かっこいい」と思い込んでいるちょっと痛い人です。もしくは、いらだちをぶつけるだけの人、自分を叩く反応を見て喜ぶマゾヒストな人です。完全に無視しましょう。見るだけ、返信するだけ、落ち込むだけ時間の無駄です。
ただし、誹謗中傷の様に見える中にも、辛口なだけの物も存在します。(無論、「だから消えろ」はただの誹謗中傷です)
たとえばこんな文章です。
「文全体がほとんどつながっていて、句読点も句点も一切存在しないので、貴方の小説は読みづらいです。改稿をお勧めします」
「『強く決意した』とかかれているのに、主人公の考えや目標がころころ変わって、かつそれに説明がなく、なんでそうなったのかよくわかりません。そのほかにも、設定や世界観、思考も矛盾だらけで、あまり面白くありません」
「決め付けがおおいですね。○○は確かに□□ですが、××という事象もありますよ。よく調べてください」
「誤字脱字が多過ぎです。投稿前にもっと見返したほうがいいです」
これらは批評の類であり、気にしなければならない文面です。筆者では分からなかった修正点を教えてくれている、大事なものですから。
一つ目の例は、読みやすさの問題ですね。どんな話を書いても付きまとう問題です。自分では読みやすくとも、読みやすさとは全体が決めるものです。ですので、出来るだけ素早く修正を入れるべきです。
二つ目の例は、物語全体、もしくは主人公やヒロイン、周りの人間の思考回路の矛盾の指摘です。たとえるなら、Aという人物を殺してやると、凄まじく殺意を強く抱いた筈のBが、Aの語った事情ですぐ心変わりしてしまうなどです。
様式美ではなく、何故殺すのをやめるのか。その点をしっかりと答えなければなりませんし、また、安易に殺すのをやめると決めてしまうのもいけません。
たとえばAが、身内を助ける為に金が必要だったとか、そんな理由を語ったとします。Bがそれを聞き一旦武器を収めますが、「ここで殺すのはやめておいてやる。だが、お前を監視させてもらうぞ。再び過ちを犯すようなら、俺が即座にこの手で殺す」というのは、もっともな展開だと思います。
要するに、上記の例の場合、殺すのをやめるのはこの場だけで、執行猶予をつけると言っているのですね。納得できるか否かというのは、重要な問題です。色々と時間が必要な事なので、リメイクも一つの手段です。
忘れないで欲しいのは、この類の感想がただ問題点を挙げるだけのものではなく、期待しているという意味もこもっているであろう、ということです。
三つ目の例は、エッセイ等に寄せられる可能性のあるものですね。「○○は□□だ」と決め付けるのは、確定した情報があってこそです。また、自分の知っている物だけを書いた場合、この様な事例も多く発生します。これは、早めに指摘された点を修正すべきでしょう。
ただし、これは誹謗中傷と辛口の見分けがつきにくいものの代表です。
たとえば、上記の例の場合、××となっているこの事象。たとえばこれが、検索すれば出てくる様な物であれば、それは辛口です。しかし、検索しても出てこない、マイナーな本に乗っているマイナーな事象であれば、それはほとんど誹謗中傷と言ってよいでしょう。
四つ目の例は、貴方が初心者だろうと、そうでなかろうと、そしてどんな作品だろうと、付きまとう問題です。誤字脱字は、指摘されたものを素早く訂正し、そうでない物も見つける為に、自分の作品を読み返すという事も必要になります。
できるだけ無くすというのは確かに必要ですが、それ以上に発見と訂正が重要となります。留意しておくべきでしょう。
そしてこれらを踏まえ、忘れるべきでないのは。これらの全てが貴方の作品への期待が成した指摘であるという点であり、貴方が広大な創作の世界から拾い上げた宝石を磨き上げる為のものであると言うことです。
以上で、今話を終了し、要点を下記にまとめます。
・誹謗中傷は完全に無視、ブロックを推奨。無意味なものであるので、考えるだけ無駄。また、返信も悪手である。
・辛口と誹謗中傷を間違えない。よく確認して判断する事。
・辛口は修正点であり、貴方の宝石を磨くための大事なものである。