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ようこそ! どうぶつの!

作者: 藤沢悠

たまにわけのわからないことを書いている。

なんだろ、これ。

肉食目クマ科クマ属ツキノワグマ性別雄は巨体を揺らしながら、階段を降りた。

幅の狭い窮屈な通路を抜けると、広い食堂に出る。

白々しい蛍光灯の下で、動物たちが心配そうな眼差しを肉食目クマ科クマ属ツキノワグマ性別雄へ向けた。


「ハカセの様子はいかがですの?」

 

ウサギ目ウサギ科ノウサギ属ヤブノウサギ性別雌は一歩跳び出すと小さな鼻をひくつかせて訊いた。


「うむ、精神安定剤が効いたようだ。今はぐっすり眠っておられる」


肉食目クマ科クマ属ツキノワグマ性別雄が答えると動物たちはほっと安堵した。


「みなさん、すみません。私が居眠りをしてしまった隙に、ハカセがアルコールを摂取してしまったのです。

どんな罰でも受けます。皮を剥いで鞄をつくるなり、肉をシチューにするなりお好きにしてください」


とぐろを巻いている有鱗目クサリヘビ科マムシ属ニホンマムシ性別雄は長い舌を伸ばして懺悔した。


「冬眠の時期ですから、仕方がないですよ」


両生綱無尾目アマガエル科アマガエル属ニホンアマガエル性別雄は有鱗目クサリヘビ科マムシ属ニホンマムシ性別雄の胴体を優しく撫でた。


ハカセが狂人となってしまったのは、ある事件がきっかけだった。

霊長目ヒト科ヒト属ヒト性別雌が霊長目ヒト科ゴリラ属マウンテンゴリラ性別雄を誘惑したのである。

情事を目撃した霊長目ヒト科ゴリラ属マウンテンゴリラ性別雌は激昂し、二匹をひとつの肉塊にしてしまった。

また、その惨状を目の当たりにしたハカセが霊長目ヒト科ゴリラ属マウンテンゴリラ性別雌をショットガンで撃ち殺してしまったのである。

しかし、一部始終を齧歯目ネズミ科ハツカネズミ属ハツカネズミ性別雄が見ていたのである。

経緯を聞いたハカセは自身の後悔と罪の意識に押しつぶされた。

精神を破綻させ、野生の動物のごとく知性と理性を失ってしまった。

動物たちの献身的な治療を受けて、持ち直してきたものの、まだまだ油断はならない。


「凄惨な事件だった」


肉食目クマ科クマ属ツキノワグマ性別雄が重々しく呟くと、食肉目ネコ科ヒョウ属ベンガルトラ性別雄と食肉目ハイエナ科ブチハイエナ性別雄が頷いた。


「美味しい事件だった」


「久しぶりに新鮮な肉が食えましたもんね」


「ああ、嫌だ、嫌だ。肉食動物は野蛮ったらありゃしない」


ウシ目ウシ科ヤギ亜科ヒツジ属メリノ性別雌は食肉目ネコ科ヒョウ属ベンガルトラ性別雄と食肉目ハイエナ科ブチハイエナ性別雄を諭した。

二匹の肉食動物は項垂れて黙ってしまった。


「今後どうなさるのですか。

この種保存プロジェクトにハカセはなくてはならない存在です。

しかし、ハカセ自身の種を保存ができる可能性は潰えてしまいました」

 

偶蹄目キリン科キリン属ヌビアキリン性別雄が長い首を折り曲げて動物たちに問うと、暗澹とした雰囲気が食堂を満たした。


「可能性はまだある」

 

肉食目クマ科クマ属ツキノワグマ性別雄が発言すると動物たちは、彼に注目した。


「ハカセは仰っていた。ここにはまだ一種乗船していない生物がいるらしい。

その生物は無から有を創造できるそうだ。

もし、その生物を見つけることができれば、霊長目ヒト科ヒト属ヒト性別雌を生み出せるかもしれない」


「おおお」

 

船内は歓喜で賑わった。


「大洪水は四十日続くそうだ。

天変地異が静まったら、皆でその生物を探索しようではないか」

 

動物たちは一斉に声をあげた。


 

雲の上で私は海上に浮かぶ船を見下ろして、懊悩としていた。

 

この物語の結末はどうすればいいのだろうか。

見切り発車で進めてしまったために収拾がつかなくなってしまった。

こんなんじゃ読者は納得してくれないだろう。

 

こんな世界創らなければよかった。

 

私は奇跡的に面白いオチを神様に強請ってみた。

すると、天明が私を差し、見上げてみると高々と文字が浮かんでいる。

 

御蔵入り。

 

神様にもできないことがあるそうだ。


読み直しても、修正箇所がほとんどない。

どうしたらいいのかわからない。


読んで頂きありがとうございました。

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