退院~昴side~
朝の検温をしに、正くんの病室に行くと、正くんはいつもと違って、おとなしかった。
「体温計ろっか」って言うと、正くんは
「はーい昴先生」って素直に従ってくれた。なぜかは予想つくけど…
体温は36,2度で、平熱の低い正くんにとっては高いけど、まー許容範囲内かな?
食欲までいつもどうりとはいかなかったけど、けっこう食べてくれた。
「頑張って食べたな」って言って病室を後にしようとすると、正くんは、
「昴先生。退院したい‥です」って言ってきた。まー予想どうりだけど。
「うーん。考えとく」
「はーい」
本当は正を退院させたくない。この前の検査の結果も悪かった。
それに、発作がおきたとき、病院の方が対応しやすいし…
僕は「はぁ」と大きくため息をついた。
<正side>
夕ご飯の時間になって、兄貴が僕の病室にきた。
「正くん。ご飯食べれる?」
「うん!」僕は食べながら、兄貴にお願いをした。
「昴先生~退院させて…ください」兄貴は困っていたが、
「お兄ちゃんの言うことちゃんと聞くならいいよ」って言ってくれた。
僕は、あまり家からでないこと、家を出るときは車イスを使うことなどを約束して、退院する事が出来た。
兄の仕事が終わるのを待って、家に帰った。
「「ただいま」」
「おかえりお兄ちゃんたち」僕の可愛い弟が、僕らを出迎えてくれた。
それから特に何もなく、半年が過ぎた。