表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/21

息のつまる病室

<2日後>

目が覚めると、体が軽くなっていた。

兄貴に言われて体温をはかると、37,1まで下がっていた。兄貴が、

「安静にしてくれると、お兄ちゃん助かるんだけどね…」って言いながら部屋を出ようとした兄貴を、僕は呼び止めた。

「昴先生!」

「正くん?」いきなり昴先生って言われて、ちょっとびっくりしているみたいだ。

兄も知っているけど、僕が昴先生って呼ぶ時は、何かお願いするときだ。

「今日ベッドでじっとしてたら、退院の許可くれる?」兄貴は困った顔をしていた。

「絶対じゃないけど、考えとく」

「えー」

「でも、もしベッドから動いたら、絶対退院許可あげないよ」

「はいはい」

「ってことで、青ちゃん正くんのことお願いな」

「うん!分かった」

「何かあったら、お兄ちゃんに連絡しろな」

「「はーい」」



「青ちゃ~ん」

「なに?」

「お兄ちゃんちょっと売店行って来る」

「だめだってお兄ちゃんに言われたでしょ?」まー当然の反応か…

「分かった。青ちゃん一緒に行くか」

「えーいいのかな?」

「兄貴に聞いてみたらいいじゃん」僕がそう言うと、青ちゃんは、素直に兄貴に聞いたらしく、

「いいけど、車イスでだって」って言った。車イスか…

「お兄ちゃん座って!」青ちゃんは、なぜかわくわくしているみたいだ。

「はいはい」座ると、やっぱり本調子ではないらしく、息が上がってきた。

「お兄ちゃん大丈夫?行くのやめよーか」青ちゃんが心配そうに僕を覗き込んできた。

「大丈夫だから行こ?」


僕は、この息のつまる病室から早く出たかった。


「分かった」

そう言って青ちゃんは、車イスを押して売店に連れて行ってくれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ