昴side
それから3ヶ月がたった。
正くんは、ベッドから起き上がるのもキツいみたいで、ベッドの上で、苦しそうにしていた。
「すー君。リビング行きたい…」
正くんは最近、僕のことをすー君って呼んで、甘えてくれる。
「はいはい」僕はそう言って、正くんを車イスにのせてあげた。
「正くん。ごめんけど、ご飯はなしな」
「えーー」正くんはとっても食べたそうだけど、吐いたりしたらキツいので、我慢してもらった。
正くんは、病院にいるときよりも、とっても楽しそうだから、
僕も、「病院に行こう」とか、言わなくなった。
青ちゃんを学校に送った後、正くんと一緒にソファーに座って、テレビを見た。
しばらくすると、正くんが僕にもたれかかってきた。正くんの体は異常に熱くて、びっくりした。
「あのさ、すー君」
「なーに?」
「病院行く」正くんが自分から言ってきたってことは、相当キツいんだろう。
「ごめんな。今まで気づかなくて…行こーか」僕はそう言って、正くんを車に乗せた。
正くんが車に酔わないように、ゆっくりと車を進めた。
「正くん。気持ち悪くなったら、吐いていいからね」僕はそう言ったけど、正くんは、車で吐く気はないようで、我慢しているようだった。
「正くん~病院着いたよ」僕はそう言って、正くんを車イスに乗せようとしたら、
「すー君。抱っこがいい」って甘えてきた。でも、抱っこはさすがに出来ないから、
「おんぶでもいい?」そう言って、正くんをおんぶした。
僕の耳元では、正くんの荒い息が聞こえてきた。相当苦しそうだった。
正くんの病室に行って、正くんを下ろすと、正くんはすぐに眠ってしまった。
僕は、正くんの腕に点滴をして、正くんの頭をなでた。
正くんの顔が、少しにやけたような気がした。




