ヒトギライ
私は男に襲われたことがある。だから、男は嫌いだ。だが、その前に…
「かなちゃん。制服、着ないの?」
私、叶のことを『かなちゃん』と馴れ馴れしく言ってくる
「京子、叶の制服あったよ。ボロボロでゴミ箱に捨ててあったよ」
ニヤッと笑い雪宮京子は哀れんだ
「え~なんで?いじめ?」
白々しく言った。私は知っている雪宮京子がやった…正確にはやらせたってことを…
5月2日
私達が入学してから1ヶ月が経とうとしていた
クラス1人気の彼(正直、名前を忘れた)が私に告白してきた。その日の帰りに私はその男に襲われた。恐怖…私の感情が埋め尽くされた。
の次の日
私の机は無くなっていた
その時、私を助けてくれたのが…
「かな、かなえちゃん、てへっ私、噛んじゃった」
アマガミをして笑った。雪宮京子だった
「かなでいいです」
すると手を引き上に指を上げて言った
「屋上に余りの机とイスあるからさっ…行こ」
と笑って言った。その、女に正直、救われた。屋上に行ってその人は机を持って言った
「雪宮京子、私の名前…行こ」
と笑って言った
明るく優しい人、その時はそう思ってた
次の日
…の放課後
私は忘れ物をしたことを思い出す。彼女の声と共に数人の声が聞こえてきた
「ね~京子、次、どうする?叶のいじめ~机に『バカ』とか『学校来んな~』とか書く?」
雪宮京子と数人が私のいじめの内容をどうするかと言う話をしていた
「京…子…?」
私の声はひどく震え聞こえるか聞こえないかの声で口から出た
「な~に?」
雪宮京子は白々しく言った。その顔と言葉に恐怖を覚えた。
と云うのが私の思い出…には少し語弊がある。これだけだったら人が嫌いでなんとかなる。私には彼氏でも友達でも無い幼なじみが居て…
「叶、最近…なんか合ったのか?変だぞ?」
心配する幼なじみに
「うるさい」
罵倒をしてしまった。少しだけ嬉しかった感情を隠しながら泣いていた。
「どうした?」
止まってしまった。私に優しく声をかける。幼なじみは私にとってありがたい存在だった
「怖い、怖いよ。修也!」
全ての事情を話たら『五十嵐修也』は怒った
「誰だ。男も女も関係ない!叶をこんなに泣かすなんて…」
その言葉が嬉しくて、泣いてしまった
「どうした?いじめのこと思い出したか?」
首を横にふる私を優しく見つめている。
「ありかとう…修也!」
泣いていた私にはわからない。後ろでの女の声が
「あの女、絶対に許さない」
と言ってたことに…