業火の翼
近頃よくクリップの存在を忘れてしまいます。例えば前回の最後、クリップ空気。まあそれでもいいか、その方がいいか。それでいい。だってあいつは……クリップ……
困ったのでスーパーインフォメーションでも更新させておきますか。(もう過去の話です。)
一応ですが第28回、今回のあらすじ。
ちょっとドッキリする回です。内容は、秘密です。
今回は5000文字強程度です。
おいどうするつもりだよ筆者ぁ!!な38話 -ヘルファイヤウィング-
神崎「ウオオオオオオオーッ!」
デ「バイクバイク!」
神崎「まずはまかないとぅおっふぁー!!」
"バターン!"
デ「あーーー!もう!跳びますよ!」
神崎「イヤーーーァーッ!!」
やましいことがあるから逃げているのである。
あれは3分位前の事だった。
砂浜に並べられた20mmガトリング砲は、砲身こそ壊れていたものの、消えておらず、野次馬に状況を説明できなかった僕らは何故か逃げ出してしまったのである。
そして勘違いしないでほしいところがある。この世界にアスファルトなんてものは存在しない。道は良くて石畳だ。しかしこの島ではそれもそこまで多くはない。
つまり、人々から逃げるならオフロードを走るのは当然である。道無き道を走るのだ、神崎さんがドジというわけではない。まあ、振り返っちゃって前見てなかったんですけどね……
"キュキーーキュキーーキュキーーキュキーー!"
聞いたことの無い動物の鳴き声がする森に来てしまった。
神崎「ジャングル来ちゃったー。」
デ「ジャングルって何ですか?」
神崎「こういう気候、というか、地帯?……熱帯雨林。俺も初めてなんだ。母国にジャングルというジャングルは無いし、行きたがる人も少ないし。」
デ「ええ。虫が多いですね。」
神崎「とりあえず海行こうよ。」
デ「ええ。」
神崎「海はさ、海風があるから、蚊とかまともに飛べないから安心なんだよね。」
デ「へー。海風って、あの温度差で気流がどうのこうのの。」
神崎「そうそうそうそう。」
僕らは6分程歩くと砂浜にたどり着くことができた。
神崎「美しいビーチだね。」
フ「そう思うでしょう。」
デ「ウワーッ!」
神崎「すっ、スネークー……」
デ「ファファーリンさん!気がつかなかった!」
フ「ええ、でしょうね。」
神崎「あなたも征服で来たんですかー。」
フ「ふふ、ええ。」
デ「僕の事、わかりますか?」
フ「ええ、だいぶ思い出せましたよ。」
神崎「感動の再開だねぇ。」
フ「その暇も無いようです。」
デ「インカミング!真上だ!」
神崎「こりないねー。」
デ「って、どこ行くんですか!?神崎さん!?」
神崎「ちょっくら粘土埋めてくるわー。」
デ「ハアッ!?粘土?……」
そう言った神崎さんは本当に手で砂を堀り始めた。
デ「こんな時に何やってるんですか!?」
神崎「だから、粘土を埋めてるんだって。」
デ「それは……信管!?まさか!粘土爆弾!?」
神崎「そそ、C4プラスチック爆弾。作れるようになったんだ。これを自分達の周りを囲む様に埋めてるんだ。」
なかなかえげつないな……いつも通りか。
エ「ありがとう、クリップ君。」
ク「クエエー!」
デ「クリップ!エルフェスさん!」
エ「彼等には、お引き取り願いましょうね。」
ゴッドキラー、か。
デ「ターゲット、数30!ビジュアルコンタクトまで20秒!」
神崎「ヤベッ、まだ3分の1しか設置してないよ。」
デ「戻りましょう。」
雲を抜けて姿が現れる。誤差2秒マイナスか……にしても本当に天使達はしつこいな……っ!……また頭痛か……
神崎「基本スペックは高いな。はい、エルフェスさん。12.7mmバトルライフルです。」
エ「ありがとうございます。」
神崎「はい、ドラムマガジン。あとこれ、スタングレネードです。」
神崎さんはやけに余裕だ。完全に取り囲まれているに、この天使達にバトルライフルなんて効くのか?……何か策があるから余裕なのか……って、12.7mmのドラムって!?大きいなー!
いや、あのライフルも銃身がやけに大きいぞ……
神崎「さて、話をしようか。」
鼻塩塩か?
神崎「おーい!話があるんならそんなとこで回ってないで!降りてきたらどうなんだー!?」
エグいな……こうやって爆弾を踏ませるのか……
しかし向こうも皆降りてきて……おいおいおいおい、数人町に行っちゃったじゃないですかー。もうやだ。
フ「単刀直入に言おう。お引き取り願おう。」
「わかっていますよね?先に手を出したのはそちらです。」
エ「それはあなた達にではない。」
神崎「本当に戦う気ならあんた達が雲を切る前から攻撃してるっしょ?」
「では、あのときの言い訳はどうするつもりです?」
神崎「あの時って?」
「先程、10人の同胞があなた達に殺された件ですよ!」
神崎「バカかお前。さっき言ったろ、あんた達を狙ったわけじゃないって。あのときはどれがアンフィーだかわからなかったら片っ端から落としただけさ。そもそもアンフィーがいないなら今みたいに高高度から来ればいいもんね。だけどわざわざ海面ギリギリを飛んだんだ、アンフィーがいる可能性は高い。攻撃されて当然だ。」
エ「この島の平和を脅かすものは、何者だろうと容赦はしませんよ!」
「ふざけたことを言」
"ドカアアアーーン!!!!"
"ダンダンダンダン!ダンダンダンダンダンダン!ダンダンダン!ダンダンダンダンダンダン!"
あの二人はまるでこうなることがわかっていた、いや、こるなることを期待していたかの様だ。
天使が剣を抜く前に吹き飛ばしてしまっている……
"バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシューン!!"
容赦も何もあったものではない。
しかしロケットの効果はあって無いようなものだった。そもそも防御されてしまうと破片効果では致命傷を与えることは困難だ、それにすぐに治される。
しかし、エルフェスさんの銃撃は天使達に確実なダメージを与えていた。
まさか、神崎さんも、ロケットなんか効かないってわかってて撃ってるのか!?……まさかな……
デ「うおっと!」
"ベキャン!!"
流石は超高波ブレード、天使ですら装備ごと一刀両断だ。
デ「この剣は……」
砕いた天使の持っていた剣からは、不思議なオーラの様なものが感じ取れた。これがいわゆる"魔剣"か?
さっきは躱して切ったからよかったが、もし当たっていたら、今度はチタンが負けていたのかもしれないのか?
デ「きれいな剣だな……美しい彫刻だ……これ、チタンより軽いのか?……っ!神崎さんっ!!!」
間に合わない!
"ドーン!"
神崎「グオオッ!」
空から剣で突かれた神崎さんだったが、なんとかバリスティックシールドで軌道をそらすことが様だ。
それでもバリスティックシールドは切断されて、ヘルメットのポリカーボネードも剥がされてしまった!
しかし神崎さんも即座に反撃する。天使の腹部にショットガンを当てていた。
"バン!"
硫酸弾だ!しかしこれはミスである。
硫酸の多くは神崎さんのバトルドレスへと跳ね返り、自滅してしまっていた。
"ダンダンダン!"
"ベシャッ!"
結局殆どエルフェスさんが一人で天使達を殺している。
神崎「クソッタレ!逃がすものか!」
"バシュバシュバシュバシューン!"
神崎さんのロケットは逃げ行く天使達を追い越したとき爆発していた。ダメージは無くとも吹き飛ばされる。
接近信管と時限信管を組み合わせたのかな?
"ダンダンダンダンダンダン!"
神崎「はい新しいの!」
エ「はいっ!」
エルフェスさんがリロードする前に神崎さんは新しいのを作り投げ渡す。
しかし不思議だ。何故こうもうまくいくのだろうか?前みたいな魔方陣は見当たらない。しかし、あの初速はマッハ2.5の倍はある。レールガンか?なら僕にでも扱えるはずだ。しかし何故エルフェスさんだけなんだ?もうファーリンさん暇してますよ……それとも動揺しているだけかな?……
神崎「逃げたぞ!追え!クリップ!」
逃げ行く天使達はやけくそで神崎さんに魔法を撃ち込んだ!
しかし、僕が焦る必要は無かった。
エルフェスさんの周りにいくつかの小さな魔方陣が作られ、そこから無数の魔力弾の弾幕が接近する魔法を無力化した。
エ「クリアー!」
神崎「ふう……あれじゃ勝てないよぉ……」
そう、今回の功績はほぼ全てがエルフェスさんのものである。
天使達の回復力は凄まじかった。一応僕より下ではあるが、それでも一撃必殺を強いられる程だったのだ。
しかし何故だろうか?ライフルの傷は癒えなかった。いや、撃たれたものは、皆魔術がまともに使えなくなっていたのだろう。そして興味深いのは、攻撃を受けた天使達は皆、驚いていた。あれは苦痛によるものだけだとは思えなかった……
神崎「流石はAMP弾。スゴいですねー。」
エ「神崎さんのおかげですよ。」
神崎「皮肉です。で、まだ残ってるんでしょう?あっちの方に。」
エ「ええ。」
神崎「厄介事に巻き込んでしまって申し訳ございません。」
エ「いいんですよ。遅かれ早かれこうなることは避けられなかったでしょうし、神崎さんは悪くありませんよ。」
デ「ウワッ!」
神崎「ど、どうした?」
デ「12時方向にドラゴンです!」
神崎「マジかよ。ああー、こっちもとりあえず腕切り落としとくか。」
デ「本気ですか?」
神崎「備えあれば、報い無し、だ。」
デ「じゃあ、切ります。」
エ「えっ!?何を!?」
"パキン!"
神崎「ウウウオアアアアアアアアアアアアア!!フックオアアアアアアアア!!アアアー!!」
腕を切られもがき苦しむ神崎さんの切れた腕を無理矢理掴み、接合する。嫌な気分だ。
神崎「あああああ……あああああ……あああああああ……」
パニック気味だ。震えが止まらない。事情を知らない二人も状況が理解できずに固まっている。
"ピカーーーン!"
神崎「あっ、あああ…………腕はある。腕はあるんだ。」
"ギャオオオオオオ!!"
エ「こっ、これは……」
フ「召喚獣。ドラゴン?」
わざわざ鳴かなくても良いと思う。
「待ちくたびれたぞ、小僧!」
デ「簡単に事情を説明しますと、この2人以外の天使達は全員敵です。で、あっちでは正体不明のドラゴンが天使達と……いや、天使達を殺しています。」
神崎「つまり危険なんで助けてください。以上。」
「危険なら逃げればよかろう。」
神崎「それでいいなら苦労はしませんよ。」
「あちらにも別のドラゴンがおるのだろう。」
神崎「突然表れたんだ、頼れない。」
デ「また新手です!なんだこいつは!?」
エ「きっと親玉でしょうね。」
神崎「大天使とか神とかですか?まあどっち道この状況でわざわざやって来たと言うことは、相当な自信があるんでしょうね。」
フ「かなり強い魔力だ。」
"ドスン!"
神崎「エルフェスさん。40mmライフルです。先手を打ちましょう。」
エ「わかりました。」
エルフェスさんにボルトアクションライフルと言う名の中口径砲を渡した神崎さんは、すぐに逃げてしまった。
"ガチャゴッ!ガシャン!ガチン!"
エ「スー……」
そうか、弾幕も張れないし、一撃必殺を狙いたいのか。
"ドオオン!!"
エ「ヒット。何だって!?生きている!?」
確かにターゲットに当てたが、迎撃されていた。それも飽和してダメージは入っていたが、弾が頭に当たる前に軌道が変わり、右上半身を消せた程度だった。そして案の定魔法で治される。
雲に空いた穴からは、人間が見えたが、天使では無いとなると、あれが神なのか?
"ガチャンガシャンガチン!"
"ドオオン!!"
エ「しまっ!」
反撃は御定番のビームだった。あれだ。一瞬リングの中心の球体から光線が放たれたと思ったら、キロトン級の爆発がおきるあれだ。
しかし、こちらもそれに2人と1匹が反応できたおかげで、爆発は空中で起きた。
デ「勝ち目無くないですかこれ……」
そう呟いたその瞬間だった。何かがとんでもない速度でターゲットに突っ込み、再び空中で爆発が発生した。
エ「あれは!!」
爆発自体はさっきのよりはかなり小規模な物だった。しかしあれは……
デ「ターゲットロスト!」
それが今日最後の爆音だった。
町に帰ったら、既に謎のドラコンは消えていた。どうやらあのドラゴンは、町に来た天使達が島民に何かを言う前に、天使達を襲っていたらしい。
あの浮いていた人間みたいなやつといい、それに突っ込んだ何かといい、知らぬうちに表れて知らぬうちに消えたドラゴンといい、いったい何がどうなっているんだ?
島民達に事情を理解してもらうには時間がかかった。
神崎さんは言っていた。天使達がデスキャリアーなら、僕らはデスマシーンだと。違いない……
そしてあれから2日が経った。
神崎「来たか、デューク。」
僕は神崎さんに呼ばれ、ビーチにやって来た。アルさんは忙しかったが、そうでないアルケディアスさんは僕にもついてきた。
デ「わざわざこんなところで話って、何ですか?」
神崎「ああ、単刀直入に言うよ。クリップが死んだ。」
デ「ぇ?……」
神崎「これを見てくれ、ファーリンさんに探して見つけてもらったんだが、これは紛れもなくクリップの羽根だ。そして、コレが落ちていた付近に、まるで空から剣でも降ってきたかのような跡があったらしい。」
デ「そ、そ、そんなぁ!?そんな!どうして!?」
神崎「甘いこと言うなよ、殺人鬼。あれから1度でもクリップの姿を見たのか?状況から考えれば死んだと考えるのは当たり前だろう。逆にお前はどうしてクリップが生きていると思ってたんだ?お前も知っているだろう?命は簡単に消えるんだよ。今までいくつの命を消してきた?殺人だけじゃない。食事だってそうだ。」
デ「…………」
神崎「あのときあいつに突っ込んだのは、剣を掴んだクリップだったんだよ!」
いつ健永がバトルドレスを装備したかですって?それはご想像にお任せしますよ。
エルフェスAPS使えるなら最初からそうしておけばいいじゃないか?いや、消耗しますからね、バトルライフルの方が断然効率がいいんですよ。それに、攻撃に使っても、逆に無力化されてしまうかもしれませんからね。
神風クリップ:超第1宇宙速度生物ミサイル
クリップ君の体重はたった0,03Tg程度、一応それを補う為に沢山落っこちていた魔剣を抱えていますが、それでもたったの0.032Tg程度。7500m/sで侵入したとしても……おーっと!?単純計算でTNT215Kg分かぁ……やっぱりダメかぁ……足りなさすぎる……20倍欲しいなー……
900Mjだから、せいぜい戦車砲弾35発分程度か。けどうまくメタルジェットが形成できたなら………いや、メタルジェット絶対に形成されるわ。こりゃ必殺技だな!……あ……メタルジェット関係無いか…………
しかし、どうやってマッハ22に到達したかですね?それはエルフェスさんと同じ方法です。魔方陣のブースターです。
実は着弾前には既に死んでたんですよね、クリップ君。
いや、待て待て待て待て、あんなのが2Kgなわけないだろう。少なくとも倍はあるだろう。
まあ、それでも956Mjか。
因に、本当はグダグダしてきていたので、"おいどうするつもりだよ筆者ぁ!!"と書いたのですが、結果的にクリップ君の事を示す事になってしまいましたね……グッドラック!
皆さんクリップ消えて驚きましたでしょう?私もです。




