未だ見ぬ君へ、心より愛を込めて。
あああ、今回は台詞多いからスラスラ書けた……!
第88回、今回のあらすじ。
サヨナラシルバレット。
今回は4000文字程度です。
書いてて色々と悲しかった感じな99話 -記憶の欠片-
突然キャノピーの爆発ボルトが点火して、僕は射出座席に撃ち出された。
霧の所為で見えなかったが、間違いない、神崎さんだ。シルバレットがやって来たのだ。
バックカット……本当に後ろから何かで切ったのだろう…………
※爆発ボルト:爆発させて分離させられるボルト。普通戦の戦闘機には使わないと思います。昔のものは一部使ってたものもあるみたいですけど……
僕らが降下した先、海面にはしっかりと飛行艇が待機していた。っていつのまに!?
※飛行艇:離着水が可能な飛行機の一種。
「司令!クリップアイが6機も揃って我艦に着艦を要請してきました!」
アルケ「了解した、全て受け入れてやれ。恐らくしばらくしたら全機再び発艦する。それと前線の部隊を後退させろ。」
「了解。」
おやおやおやー?
ジェット機の音が消えた霧の中……
神崎「どうよ?分隊員全能力400%UP。すごいっしょ?」
レ「ああ、体が軽い。」
神崎「それじゃあさっきも言ったけどもう1度言うね。HVTとの距離をある程度保った状態でひたすら回避行動。俺の事は気にしなくても大丈夫かな。」
レ「だが隊長、先が全く見えないぞ。」
神崎「もう晴れるよ。」
霧の中では背中に神崎さんを乗せたレイズが飛んでいた。ワープは妨害してたんだけど、シルバレットにはあまり関係無いんだよね。
神崎さん、ズルい!
神崎「さてさて、串刺しにしてやりますか。ゲイボルグ!グングニル!トライデント!」
霧晴れる大空に気持ち悪くらいの槍々が光を纏い出現する。
神崎「ハナテーイ!」
そんな光景を上目に、僕らは戦域を離脱するのだった……
神崎「ヘイボーイ、なんかハリネズミより痛々しいねー。いろんな毒塗っといたんだけど、効いてくれていれば嬉しいな。」
ハリネズミさんは海中へと落下したが、直後ドデカい水柱と共に飛び上がってきた。槍もアンカーも外れてしまっている。
神崎「HEY!HEY!HEY!Oxidant!」
※Oxidant:酸化剤。酸素関係のものでも使われる言葉。因に略語。
と、不器用な英語を叫びながら酸素ボンベを装備し、レイズにも付けてあげる。
神崎「ほい、しっかりくわえて。」
レ「隊長、毒は効かないんじゃないのか?」
神崎「毒じゃない毒じゃない、酸素だよ酸素だよ。助燃材。」
レ「はあ?」
神崎「ほらほら見てな、あいつもう苦しそうだぜ。」
復活早々 御愁傷様です。酸素中毒で赤血球さんお死にになられてしまいましたね。これは盲点。毒の中和では防げませぬな。
神崎「レイズ君。外気吸ったら死ぬからね。」
レ「アイサー。」
神崎「からの減圧症をお見舞いね!レイズ君!緊急離脱!もっと距離をとって!」
レ「ラジャー!」
登場から未だに1言も言えてないモガッキーさんは今度は大量の白い液体に体を囲まれてしまう。この白い液体の正体はKOH、水酸化カリウム水溶液、強アルカリ性だ。
モガッキーさんははそれを中和すべく酸化剤を分泌するが、それ(酸化還元反応)によりものすごい熱が発生する。しかしそれでも液体は沸騰しない。圧力が高すぎて沸点がメチャクチャ上がっているのだ。最早深部は固体になってしまっている。
神崎「ハイッ。」
と、神崎さんが指パッチンをすると、その白い液体は一瞬にして消え、瞬間的に蒸発した水分が衝撃波を発生させる。それと同時に無口さんは破裂した。
深海魚を普通に上げると内臓が出て来てしまうが、この場合血中の窒素とか色々なものまで気化してビチャーンなのだ。物理変化は中和できない。
しかしまあ熱核兵器で倒せない相手。こんな攻撃時間稼ぎに過ぎない。
神崎「ハイC4!」
と、神崎さんは先端にC4を付けた矢を再生中の破裂さんにクロスボウで撃ち込んだ。
※C4:コンポジション4。高性能プラスチック爆弾。食べても美味しくはないと思う。
神崎「お兄さん、腰から矢生えとりますよ。」
"ビシャーン!"
だ。
神崎「フーム、まだ40秒か……」
レ「いつまでここにいるんだ?」
神崎「よし、閉じ込めちゃお。」
レ「隊長……」
破裂さんは今度は透明な球状のシールドに閉じ込められてしまった。今回は第109部 "ハリケーンソルジャーズ"のMSJFの件とは違い、破裂さんによって作られたモンスター達は消えたりはしない。が、可視光以外は完全にシャットアウトです。
神崎「タイマー式だから君にゃ壊せんよ。あーばよ。」
レ「離脱だな?」
神崎「ワイノスへ帰投するよ。」
レ「ラージャー。」
放置さんはシールドを破壊しようと無意味に奮闘するのだった。
「ドルフィン1、スピリッツとクリート隊のパイロットを乗せ着艦します。」
アルケ「スピリッツは甲板で待機だ。クリップアイと一緒に隅に寄せておけ。」
「イェッサー!」
「司令、スィーバンが我艦に着艦を要請してきています。」
アルケ「断っても無意味だ、許可しろ。にしても無線機持ってんのかあいつら?」
ワイノスの甲板……
クリップアイ「よう、坊っちゃん達。」
と、僕らに話しかけてきたのはクリップアイのパイロットだった。
クリップアイ「乗りな、俺たちの機体に。」
アル「いきなり何なのだ?」
クリップアイ「逃げるぞ。」
アル「は?」
アルケ『司令官命令だスピリッツ、クリップアイに従え。』
アル「はあ?」
と、状況が理解できないでいる僕らに他のクリップアイのクルー達も寄ってくる。そして皆一斉に首の頸動脈に注射を射たれ、僕らはスヤーしてしまった。
僕らは担がれ、コックピットへ運ばれる。
そこへ神崎さんを乗せたレイズ君がワープしてくる。
神崎「お疲れっす。」
クリップアイ「言われた通りにしてやったぞ。」
神崎「うん……アンフィーとキュジュディアはもう逃がしたんだから、後は司令官か。CIC遠いんだよなぁ……それとフーレスト君。レイズ君。」
レ「あいよ。」
※CIC:戦闘指揮所。
と、レイズ君に手を繋がれCICにやって来た神崎さん。それに対しアルケディアス司令官は敬礼を行い、スィーバンの2人もそれに返す。
アルケ「ご苦労であった、シルバレット。言いたいことはわかる。だが俺は司令官としてここを離れるわけにはいかない。」
司令官は敬礼の構えを崩さない。
神崎「そんな御立派なお考えをお持ちなら生き残ったもの達の面倒も見るべきだ。艦隊は滅んでも軍隊自体が滅ぶ訳じゃない、司令官は必要だ。」
アルケ「シルバレットに言われちゃ仕方無いな。」
神崎「なあ、最後に聞いておきたい。俺は、俺達はここにいるのか?」
アルケ「ああ、少なくとも今はいる。間違い無い……間違い無い…………」
神崎「少し、安心できたかな。けど、レッドカーペットは、歩く運命らしい……」
アルケ「フラッシュで失明するなよ?」
神崎「こんなとこにゃギャラリーもいない。」
アルケ「そこまで知ってるのか。」
神崎「後にうちのフーレスト君も辿り着く……任せた…………」
アルケ「御武運を。」
神崎「最後に頼みなんだが、俺の事は崇めなくていい。俺の事をバカにしてるやつがいたら、そうさせておいて欲しい。楽しいし、嬉しいんだ。」
アルケ「青く、染まったみたいだな。」
神崎「ああ、そうみいだな。レイズ君、さっきんとこ帰るよ。」
「司令!…………」
アルケ「すまないな……おまえ達には死んでもらう。」
「司令…………私達は、何かの役にたてたのですか?」
神崎「この際だ、俺はここに残る。後で真実を教えてやるよ。知りたくないなら無理強いは……するか。」
再び甲板……
回収したスピリッツの5人を後部座席においておいたクリップアイは発艦の準備を進めていた。
神崎「ハイッ、分隊員召喚!」
と、どこにいたかわからないフーレスト君を召喚する。
神崎「フーレスト君。命令だ、クリップアイに乗れ。出ていけ。レイズ、お前もだ。」
レ「アイサー……」
レイズ君は何がなんだかわかっていないフーレストを持ち上げ、クリップアイの後部座席に放り込む。
アルケ「それじゃあ、どうか元気でな。」
神崎「何なんだか……」
やれやれだぜ、と神崎さんは肩を上げ、両手の掌を空に向ける。
後部座席に3人乗り……ギュウギュウだ…………
準備ができたクリップアイはキャノピーを下げ、フルスロットルでカタパルト無しに発艦した。
クリップアイ『クリップアイよりシルバレットへ……言葉が浮かんでこないが、何か言っておきたい。ありがとうな。』
神崎「あいよー。って、クリップアイまで辿り着いてたの!?」
クリップアイ『まあ最初から少しは知っていたのかもしれないな。CCS機動。』
クリップは消えてしまった。
神崎「シルバレットから全艦へ……今、全てを教えよう……!」
一応物語終わらせるまで書かないって書いちゃってたんで割愛。
ウソダロ((((;゜Д ゜)))オイ……!
って訳でしてここも記憶の欠片です。
まあ記憶の欠片って言っても、ほんのオマケ程度なんですけどね……(期待しないでください。)
…………
目を覚ますと照明の点いていない天井が目に映る。
「よお、お目覚めか。」
と、クリップアイパイロットの声が聞こえる。
クリップアイ「20時間眠ってたぜ。」
デ「ここは……?」
クリップアイ「FOB8の休憩室。隣にお仲間さんも寝てるぜ。」
デ「確か僕らは……」
クリップアイ「艦隊は消滅。南緯15°以上に展開していた潜水艦を除く全部隊は戦死したよ。キノサナプのやつらもな。」
デ「敵は?」
クリップアイ「俺達が全力で探しているが、恐らく完全に無力化されたんだろう。」
デ「神崎さんは……自爆したんですか?」
クリップアイ「残念ながら、あそこで起こった出来事はほとんど記録されていないし、知っていたとしても、俺は誰にも話せない。クリップアイにはクリップアイの都合がある、わかってくれ。だが、確かにシルバレットもどこにも見つけられない。艦隊が消えたんだ。生身の人間が消えたところで不思議ではない。後、司令官から通達だ。スピリッツ隊は機体が調達できないため、命令あるまで自由にしてろとさ。俺はもう行くから、他のやつにも起きたら伝えておいてくれ。」
※FOB:Forward Operation Base. 前線基地。
と、部屋を出ていってしまった。
あっさりコッテリ終わってしまいました。
次の章はオマケなんで、ダラダラやらせていただこうと思っています。
今回のサブタイトル、ずっと前から健永さんが言うって決まってたんです。




