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夜鳥  作者: 硝子町 玻璃
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やちょう

 僕の家の向かい側には骨董品店がある。


 そこの店主と僕はちょっとした交流を持っているのだが、彼曰く「骨董品店なんて捨てるに捨てられない物を金を出して捨てにくるゴミ箱みたいなものさ」らしい。


 なるほど彼の言葉は的を得ている。骨董品とは価値のある古い物という意味があるが、同時に価値のないガラクタを指しているのだ。


 事実、彼の店にはわけの分からないものも混じっていたりする。頭部だけの獣の剥製や、本に挟む栞など。中には真ん中の生徒の足が消えているクラスの集合写真などと、持ってくる場所を明らかに間違えている物もあった。


 それらを買い取って、欲しいという客がくるまで店内に置き続ける。わりとすごい商売をしていると思うが、不思議とそれらは売れていく。そのことについても彼はこう言っていた。「曰くつきを欲しがる者は曰くつきの人間でね」と。


 類は友を呼ぶ、なんてことわざを思い出す。

 だとしたら、曰くつきの品を買って、曰くつきの客に品を売るこの人は何やろう。僕は夜鳥やどりさんを見て思う。


 店主である夜鳥さんは見た目は大学生ぐらいで、とても綺麗な顔立ちをした男の人だが、近所からの評判はあまりよろしくない。


 それもそのはず。彼は黒いスーツか黒い着物しか着ない。どんな暑い夏の日でも、涼しげな顔をして闇を纏っている。


 そのせいでまるで常に誰の死を悼んでいるようだと、噂されていた。本人はこれっぽっちも気にしていないようだけれど。


 ただ噂はちょっと当たっている。たまにだけど、彼は「それ」っぽいことをしているのだ。


 僕はと言えば、怖い話やオカルト好きもあってしょっちゅう夜鳥さんの店に遊びに行ったり、一緒に「どこか」に行ったりする。自称「女と甘味を見る目はある」夜鳥さんが出してくれるおやつが目当てでもある。時々洒落にならないくらい怖い思いもするが、中々楽しい。


 何より、僕は幼い頃に夜鳥さんに助けてもらったことがあり、それ以来彼を慕っていた。その話はいつかするとして、これが理由で僕の両親も夜鳥さんを多少信頼している。あくまでも多少、だけど。


 今から語るのは、そんな夜鳥さんと僕の様々な体験談である。


 この話を読んでしまったら呪われるなんてことはないのでご安心を。


 ……多分。

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