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幻想のメシア  作者: からから
第二章
26/28

1.どたばたダイジェット~3週間編~

 

 はてさて、あの運命の分岐路から3週間の月日が経過した。

 いや……、経験上では4週間なのかな?

 途中、初任務で異世界に渡航していたので精神と身体の時間経過が連れてしまっているが特に変わった影響はない。

 俺の日常といえば劇的に変わったのかというと、そうとはいかなかった。いつも通りツイてないし、金欠で飢えに苦しむ毎日に変わりはない。

 ただ、日常の1ページにヨハネに通って異能の訓練をしたり、任務に駆り出されるという事項が追加されただけだ。

 ……一般的にはそのことはひっくり返るようなことなんだろうけども、ぶっちゃけあんまり意識はしていなかった。そんなことでひっくり返る暇があるなら、なんとか飢えをしのいで金を集める方法を模索しなければいけないし、もうこんなことで驚くような時期はとっくに過ぎ去っていたってーのが本音だな。


 余談ではあるが、事務所のガスを止めた張本人である学園理事長──もとい、ババアにヨハネのことを聞いてみた。

 どうやら作戦局長、ウェルキン・シュガーは繚乱の出身であり、今も昔もババアと懇意にしていたとのこと。"ただ引き取ってほしい子がいるから、引き取っただけ"だそうだ。もちろんだが、二人は繚乱の阿呆のように厳しい編入試験に通っている。まー、心音に関しては運動関連だろう。クロスは……読めん。ひょっとすると学問か芸術なのか。まあどうでもいいけども。

 ババア本人はというと、ヨハネという異世界調査団については実は認知していた模様。

 秘中の秘であり、世界の裏側ともいえる異世界という理もババアの魔の手には逃れられなかったようだ。別段驚きもしない。繚乱というトップレベルの人間を輩出する学校の理事をしている以上、様々な業界に顔が利くことはもはや自明の理だ。ババアと巡り合い、今の今まであいつがどれだけのコネクションを持っているか嫌というほど思い知らされたこともある。だからといえばいいのか、そのコネクションから来る柵も多い。それに関連した依頼も時たまではあるが、俺のところに依頼として舞い込んでくることもあるんだ。……その依頼料は大抵ため込んだ諸々の諸費に消えていくんだがな。

 尚、この時に交渉したガスの復活については失敗した模様。くそが。

 以上が、俺の名目上の保護者、繚乱学園理事長、飯沼妃夜(いいぬまひめよ)の紹介だ。



 ヨハネでの俺たちナンデモ屋の扱いというのは、殆ど大型ルーキーのような扱いである。

 まあ検査の結果が結果でもあったし、異能なしで応援者という戦闘員を薙ぎ倒しまくったことが評価につながっているようだ。

 凛のほうは魔術を教わり、順調に身に着けている。お得意の身体強化から付与術式、火水風土雷の五元術式、守護術式等々、スポンジのように吸収し、その戦闘力はさらに狂暴化している。だが、分身の晶術のほうはなかなかうまくいかないようだ。てか、分身って。孫悟空かなんかなのかお前は。

 宗一のほうはというと、晶術以外はさっぱりのようだ。だが剣状の結界を張るという、ある種剣を生み出す晶術の熟練度及び結界術式の習得速度は凄まじく、ウェルキンの示唆したとおりに一点突破の才能を頭角として示していた。てか、剣士なのに剣を持たなくてもいいのな、お前。もうあんな嵩張る竹刀もどき持たなくていいじゃん、やったね!!

 二人とも心音が監督を行っている。二人とも教え甲斐が合って何よりだそうでご満悦の様子だ。ちなみにクロスは関わっていない。うん、知ってた。


 そして、俺はというと魔法を扱う異能者はどうやらヨハネの中でも稀有のようで、教えられる担当者もそうそういない。目下自己研鑽中というわけだ。

 まあ、いつものことではあるのでわけだしそれほど苦にはならない。ヨハネの書庫にこもって魔法の勉強もできるし、魔術、晶術の書き換えは凛と宗一の訓練付き合っていれば間に合わせることもできる。

 そんなことよりも、俺には大きな欠点があった。

 それは、マナの注入量がド下手なことだった。

 どうにも俺は初級の法式だろうが中級の法式だろうがほぼ完璧に綻びなく展開させることができるが、その式にマナを流す作業がうまくいかない場合が多かった。

 サッカーボールほどの火の玉を発現させようとすると、バベルのワンフロア一帯に広がる大火炎を展開させることもあったし、ライターの火程度の小さな火にしかならないこともあり、とにかく幅が広く、思うようにコントロールが効かない。

 そんなデメリットもあるわけだけども、どうやら俺の異能者としての力量は十分に及第ではあるらしい。二人には大きな後れを取ってしまったでども。魔法の申し子(笑)と自虐したくなっちゃうね。


 そんな俺の晶術はというと、"瞳"だったりする。

 アリアランスがちゃっかり教えてくれなかったことがムカつくが、案外俺の晶術はすぐにわかった。

 何らかの式を目に移すと、目の色彩が赤くなり、その式を解析し、結果が視界に浮かび上がるという代物だ。ヨハネに行く際に使う、あの黒い穴を見たときに勝手に発動し、その時に気が付いた。

 そういえばあの黒い穴、くぐったらすぐにエントランスに着いたな。

 俺達が通った時なんか、真っ黒空間から白い扉なんてコンボがあったのに。まあ、ウェルキンが整備中とかなんだとかいってたし、きっとそのことなんだろう。

 この目については、判りやすく解析眼と適当に名づけることにした。名は体を表すなんて言うしね。

 おかげさまで式に関しては、絶対記憶も併用して大抵の基本は網羅した。



 そんな俺達を見て、ウェルキンは初任務として俺たちに任務を課した。

 内容は、確認済異世界の定期調査。まあ、簡略的に言うならば認定試験のようなものだ。

 すでに発見されている世界にノアで渡航し、その世界特有の異能や、世界情勢、危険性の高い事例等を、魔具と呼ばれる簡易異能発生装置でできた記録媒体で書き込み、帰還した上で地下10階ノアフロアに所属する職員に魔具を渡し、紙に出力してもらったものを作戦局長の巻き毛に渡すといった一連の流れで完了となる。

 まさにチュートリアルと呼ぶべきものだ。危険性も極度に少ないものだとウェルキンも言っていたが、どうやら俺がかかわると運命も変動してしまうようだ。

 引率として心音がついたが、日々の言動的に、こちらとしてはなんだかこっちが引率してんじゃないのかと錯覚してしまったのは内緒だ。

 ノアの乗船時に渡される懐中時計に従って、その世界における滞在時間が決まる。時間は240時間、10日だった。

 最初はよかった。旅人という世界の役柄をノアから与えられた俺たちは、中世のような世界観を目新しい視線で楽しみながら、調査を行っていた。

 麗しき平和な日々が崩れたのは、4日目のこと。詳しい事情はなんだか前に回想した気もするから省略だ。

 そんなこんなで、俺達の初任務および初異世界渡航は、調査員から狂戦士にジョブチェンジを果たし、特に難もなく終えることができた。


 それからは特に任務もなく、ヨハネでは、書庫にこもって研究したり、異能研究局長様から茶々をいれられたり、日常では、売れないアーティストのプロデュースをしたり、研鑽生の義務で短期転校した学校でのちょっとした騒動に巻き込まれたり、繚乱生徒に繋がる上層社会の闘争に巻き込まれたりとしたが、今日も僕は元気に生きています。


 以上、取り留めのないダイジェット終わり。

 ヨハネ本部バベル88階書庫室から結城仁がお送りしました。

 ……あー、腹減った。死にそ。




 §--------------------§




 腹が減ってバッドトリップしていると、背後のエレベーターがチンと音を鳴らした。


「やっほー、元気してる?」


「お疲れ様、はいこれ」


 出てきたのは、気の抜けるような声音の心音と、食堂で売っているゼリー飲料を手渡してくれた凛だ。


「元気も何も……って、これ貰っていいの?」


「一応差し入れと思ってね」


「いっやほおおおい!! 20時間ぶりの飯だよ!」


「……ああ、うん。喜んでもらえてうれしいわ」


「相変わらずだねー。だんだん仁君のことわかってきたよ」


 即行でキャップをひねり、口をつけて一気に吸い込む。

 口の中にほんのりとグレープの味が浸透していく幸せをこの瞬間世界のだれよりも俺が実感している事だろう。


「んぐんぐ……ぷはあー! 生き返った!!」


「……顔に生気が戻ったよ」


「うん、大丈夫そうね」


「サンキューな、あんまりひどくてバッドトリップしてたとこだったから助かったよ」


「この前貰った報酬はどこにつかったのよ?」


「光熱費としてババアに差し押さえられた」


「身から出たさびというかなんというか……」


 はあ、と凛は額にこぶしを当てて呆れていた。

 なんと心外な。俺は有意義に金を使っているんだ。何も後ろめたいことなんてないのに。

 ……ない、よね?


「それはそうと……葉塚局長が呼んでるわよ。行きましょう」


「あー? まーたあのちびっ子と顔合わせにゃならんのかよ」


「またそんな呼び方して。怒られても知らないわよ?」


「はーいはい。検討しとくよ。俺だけか?」


「いえ、ここの三人と宗一にゼノフォード君ね」


「宗一はともかく、クロスまで……。そこはかとなく嫌な予感がする」


「うーん、多分次の任務の編成で呼ばれたんじゃないかな?」


「それならウェルキンも絡んでるな。てか、あいつと一緒に渡航か……。何も起きなきゃいいけどもな」


「心配ないって。仁君たちも強いけど、クロスもすっごく強いから!」


「そういう心配じゃないっていうかなー」


「一応真面目に仕事はしてるよ? ……まあ、もめ事も結構あるけども」


「そーだよ、そういう心配さ。てか、凛」


「何?」


「ゼノフォード君って長くね?」


「私だってクロス君って呼びたいけど……前に呼んだら嫌そうな顔してたから……」


「大丈夫だよ凛ちゃん。呼び続ければ認めてくれるよ? ここの人たちは皆名前呼みを続けて頑張ったんだから!」


「それってきっと諦めたからでしょう? でも……そうね。私もクロス君にしよ」


「……あいつってわっかんねーやつだな」


 そんなどーでもいい話をしながら、エレベーターに向かって足を進めた。




 §--------------------§




 ──91階 研究局会議室A




 研究局においての会議室というのは、意外かもしれないがほかの局よりも広めに設計されている。

 というのも、異能というヨハネの核を担っている武器をを研究している以上、会議の頻度がほかの局とは段違いに多いからだ。それに伴い、会議室の数もやや多めにあるわけで。


 この会議室Aもその例外ではない。

 どこかの大企業の上層部が稟議で使うような広い空間のど真ん中に位置する大きな円卓。最奥には大学の講義で使うような黒板をさらに一回り大きくしたホワイトボードが備え付けられていた。


「おそいよー、仁」


「…………」


 円卓には、相変わらず能天気な宗一に、唯我独尊系コミュ症クロス。

 そして、


「予想より46秒も遅い……。遅いわよ、仁」


 ホワイトボードの前にある教壇に踏ん反り返っている女は葉塚千代理(はづかちより)

 身長が低く、目算で140ぎりぎりと見える。年は聞いてはいないが見た目からして10代前半といったところだろうか……

 髪型のツインテールが見た目の幼さに拍車をかけているが、きらりと光っている右の片眼鏡とひたりと靡く白衣の影響で知性に優れた人物であるというイメージも抱かせている。


「それはそれは、わるーござんした」


「まったく、才能無しの上に時間も守れないなんて、よっぽどの屑ね、あんた」


「おい、仮にも教え子に向かってそれはどうなのよ?」


「あんたみたいなロクデナシを弟子だと思ったことは無いわ」


 さて、ここで確認だ。

 俺という人間は極めて温厚な人間なのだ。そろそろ誰かが俺のことを"温厚の仁"なんて二つ名で呼んでくれるようになるのも時間の問題だろう。

 大抵の無礼は笑って許せるし、日ごろの薄幸具合からこういった理不尽なものいいも言われ慣れている。


 ……うん、ダメだね。偶には素直になろうか。

 日ごろからちょっかいを出され、こんなことを言われているせいか堪忍袋の緒はほつれにほつれて繋がっていることが奇跡のような危ういバランスを保っている。

 それに言われ慣れているといっても、それに対してむかっ腹が立つか立たないかでいうなら話は別になってくる。

 そして、その堪忍袋の糸がたった今この場で切れたって何ら不思議じゃない。


「いやー、あんたにそんなことを言われるなんて教え子として鼻が高いわー」


 目を閉じて、手をひらひらさせながら、何とも思っていないように言う。

 ──りせいが きれる おとが きこえた。


「このドチビロリが……目上をなめたらどうなるか思い知らせてやらァ!!」


 マナを練り上げて、両足に式を展開。マナの分量なんて知るか、全開だ全開!!

 強化法式で強化された両足で本気で地面を蹴り、一気に加速し距離を詰める。


「食らえクソ餓鬼ィィ!!」


 ブォンと暴力的な風を切る音共に、千代理の脳天目掛けて拳を叩きつけようとする。


「一応聞いておくけど」


 そんな俺を見て千代理は特段慌てることはせず、いつの間にか右手に持っていた杖をふるって、守護術式を展開した。

 展開された防壁は鈍い音を響かせて俺の拳を受け止めていた。


「あたしを誰だと思ってるの? ヨハネ異能研究局長、葉塚千代理よ。あんた記憶力には自信があるんじゃなかったのかしら?」


 不敵な顔を浮かべ、不遜な態度を保ったまま、俺に言い放った。




 §--------------------§




 世の中どう間違ったのか、目の前のクソ餓鬼が言ったことは現実だ。

 葉塚千代理はヨハネでも最年少で一局の最高責任者まで上り詰めた類まれなる才能にあふれた神童鬼才として有名だった。

 術式の解析、分解、構成という分野においては同輩はもちろんのこと、先達にすら並ぶものはなく、数々の術式を生み出していた。

 特にこの餓鬼が認められている功績といえば、魔具の発案だろう。

 クォーツというオドでできた鉱石に簡易的な術式を織り込み、使用者のマナを流し込むことで発動する。

 注視すべき点は、発動しているのは"使用者"ではなく、"クォーツ"そのものなので、マナを流し込めるものであるならば、人を選ばずに使用できる点だ。

 魔法使用者の俺でも使えたあたり、その凡庸性は感嘆の域まであった。

 異能者である魔術師、魔法使いはもちろんのこと、マナ濃度が薄く、晶術が使えない"応援者(サポーター)"の補助武器としても活躍の場を広げている。


 認めたくはないがこの餓鬼と俺とじゃ立場が違いすぎる。

 こちらはただの戦闘員でしかないが向こうはVIPだ。

 そんな奴に対して何故教えを請えるのかというと、実は声をかけてきたのは向こうのほうだったからだ。


 マナ運用がうまくいかず途方に暮れた俺に、研究局を紹介したウェルキンの言葉に従って出向いた俺を最初に迎えたのは、


「あんたがあの人外で出鱈目の塊ね? ウェルキンから話は聞いてるわ。無能なあんたは特別にあたしが面倒をみてあげるから」


 初対面第一声という人物印象最重要項目で、いきなり相手に人間卒業を言い渡しながら、まるで『声をかけてもらっただけでも感謝しなさい』とでも言いたげな不遜オーラ全開のチビロリさんがいましたとさ。

 以降、俺はこいつに目をつけら……もとい、指導していただく名誉をあずかることとなりましたとさ。

 めでたくなし、めでたくなし。




 §--------------------§




「それにあんたにロリ扱いされる筋合いはないわ。あたし14だし、あんたの年と大差ないじゃん」


「……年は今初めて聞いたわ。それにだな、いくら14でも……」


 防壁に拳をぶち当てたまま、千代理の身体を眺めて言う。


「その身長じゃ、ぎりぎり10歳って……トコ……ロ?」


 身がすくむほどの強烈な殺気が俺に襲い掛かってくる。

 言葉もインチキくさい外国人が話す日本語がごとく、片言になってしまう。

 目が完全に据わっていらっしゃる。

 なまじ顔立ちはいいもんだから、ホントに怖い。

 てか、こいつホントに人なのか? 魑魅魍魎かなにかじゃあるまいな? 誰か七支刀もってこい。


「誰が、赤い、ランドセルが、お似合いの、超絶、ドチビ、ですって?」


 目の前の妖怪ロリータはどうやら怒りのあまり、言葉がとぎれとぎれになっている。

 というか、そこまでいってないだろう!?

 確かに背負ってても何も違和感なさそうだけど。


「とりあえず……」


 ロリータは杖をふるい防壁を消すと、そのまま自身の左腕に強化術式をかける。


「歯ァ食いしばれやァァ!!!」


 まともな女の子ならば絶対に出せないであろう野性的な咆哮を俺に叩きつけながら、顔面めがけて振りかぶってくる。

 とはいえ、妖怪を退治できそうな七支刀なんてない。

 タイミング的に躱すことも無理だ。

 かくなるうえは……訓練の成果を見せるほかないだろうさ!


「…………ッ!!」


 この一秒にも満たない短すぎる時間で出来うる限界量のマナを練り上げて、守護法式を展開させる。

 マナの手加減がいらないせいか、今までのどの守護法式よりもうまくいっているように感じた。

 ハハ、残念だったなロリータよ! 所詮レッドランドセルの分際じゃ、俺には勝てないってことだ!!



 だが目の前の妖怪は、そんな俺の余裕など鼻で笑うかのように、展開した守護法式を紙のようにぶち破って、拳を俺の頬に叩きつけた。

 身体が半回転し、世界をも回転させながら体をフローリングに叩きつけられた。仰向けに倒れ、ぐらぐらする世界が俺の視界を襲う。三半規管がうまく働かない。顎まで拳に巻き込まれたか……?

 つか、なんでぶち破られたんだ……?


 絶賛混乱中の俺の疑問を読み取って、千代理は言う。


「とっさに練り上げたマナの量には驚いたわ。流石大型ルーキーといったところかしら」


 でもね、と続ける。


「そのマナの量が馬鹿みたいに多すぎる。初級の防壁法式でそんなに注ぎ込んじゃ式が壊れてめちゃくちゃになっちゃうわよ。あんた、式だけはまともなのにマナの扱いがそんな雑なんて……ホント、宝の持ち腐れだわ。その解析眼って晶術、私が欲しいくらい」


 赤く変色した俺の解析眼をまじまじと見つめ、うーんと伸びをして、すっきりしたようにすがすがしい顔を浮かべている。


 悔しいが、異能ではこの餓鬼に一日の長があるという事実には変わりない。

 いつか絶対殴ってやる……!!

 内なる野望を再確認していると、千代理は、少々乱れてしまった白衣を手で適当に整えてこういった。


「席についてちょうだい。あんたたちに異能とマナ、それにノアについての講義を授けてあげるわ。感謝しなさいよね」






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