1/2
第一話 Prologue
改めて恋愛を書いていきますので、宜しくお願いします。
『泣けば?それで気が済むのなら、めいいっぱい、泣けよ』
泣いただけで気が済むわけがない。物に当たり散らして、喚いて、自分を下品しまくって……多分、きっとそれでも気は静まらないだろう。
それでも……
あいつが簡単に『泣けよ』なんて言ったから。
泣くだけじゃ納まらないって解っていたけど。
涙がボロボロ、ボロボロと際限なく溢れては流れたんだ。
あいつが優しく背中なんか叩いてきやがるから。
いつもあいつに甘えてばっかだなぁ、俺って。
高校2年の夏。
俺、朝霧 郁斗は、好きでもない同級生の女を妊娠させてしまった。