表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天に咲く島  作者: 林 ちい
星祭り、の日。
6/7

おまけの小話『帰り道』

「リューリックは何をお願いしたの?」


 星祭りからの帰り道はチャキアを背負って歩いた。

 途中までは手を繋いで歩くことができた。

 しかし徐々にチャキアは眠気に負け始め、足元がおぼつかなくなった。

 私はチャキアを背負うことにした。

 2時間ほど寝てから星祭りに行ったが、久しぶりに仲の良い村娘達に会ったチャキアはとてもはしゃいでいた。

 疲れで眠くなって当然だ。


「いや。していない」


 星が強く輝く夜は、月明かりは期待できない。

 だが、夜道を照らすガス灯やランタンが無くとも私は夜目がきくので、不便は感じない。


 ここまで視えるとは……変化(・・)が進行しているな。

 もはや人間とは言い難い。


 私のこの身体は。

 便利なんだか不便なんだか……微妙だな。


「え? どうして?」

「生涯一つしか叶わないんだろう? もっと考えてから、願うことにする」

「ふ~ん……」


 今のところ。

 私は星にすがるほど、願い渇望するものなどない。



「チャキア。……Я люблю тебя」



 全てを元に戻したいという気も無い。


「なあに、それ? おまじない?」

「まじない? ああ……まぁそんなものだ。さぁ、寝る前に風呂に行こう。頭を洗ってやる」


 私は満たされている。

 充分に。


「わぁ~い! リューリック、大好き!」

「風呂での決まりは守るんだぞ?」


 星に願わなくても。


「うん! わかってるよ~、れでぃーはお風呂でお膝にのっちゃだめなんだよね!?」

「おい、それ以外にもあるだろうがっ。まったくお前は……よし、風呂に着くまでに試験をする。12項目全て暗唱出来なかったら1人で入れ」

「えぇ~!?」


 昼も夜も。

 今日も明日も。


 私は君の側にいられるのだから。


挿絵(By みてみん)



*イラストは『やえ様』の作品です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ