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異変

 夜、風呂から上がるとサキが電話をしていた。廊下で指に受話器のコードを指に絡めながら、こちらに気が付くと手を前に出し、止まるように促す。風呂上がりの姿というのは、なんだか無防備で心許ない。


 それじゃあね、と受話器を置いたのは廊下の冷たさが足先に浸透してきたころだった。


「さっき、ミナミちゃんに会ったでしょ、そのことについて話すね」


 神妙な顔つきで話を切り出したサキだが、その前に聞かないといけないことがある。


「まず、誰なのそのミナミって人」


「忘れたの、昔お世話になったじゃない。まあ、ここ数年は実は会ってなかったし、いろいろあったし、仕方ないか」


 いろいろというのは何なのかと聞きたくなったが、サキの言葉でそんなことは吹き飛んでしまった。

「珠月ちゃんのお姉ちゃん、松浦美波。重要なのはこの後の話」


 珠月に姉がいるなんて


「そんなわけない…」

ぼくの声は聞かず、追い打ちをかけるように話が続く。


「あの時、珠月ちゃんが家からいなくなってたの」


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