発声練習とかやってられっかよ!!!
誘導されるがままに俺はあいつを呼ぶ。
「ああーわがいとしのかみよ!おれのこえをきいてくださいなー」
あいつは割り込んで言ってきた。
「心がこもっていないじゃない、あなた高校の劇の時どうしていたのよ!!こんな棒読みじゃ私に届かないわよ。もっと心を込めて!さんっ、はい!」
「あぁー!!我が愛しき神よ!俺のこえを聞いてください!」
この言葉を言い切った時には高い声が耳でキンキンと響いた。
「あはははっ!!!いい気味だわ!!私が神よ!!次呼ぶときにはもっと豪華に呼びなさいよ!!」
くっ、こいつを殴れないことが悔やまれる…どうにか…なんかできないかな、次は呼ぶだけ呼んでだんまりを決め込んでやるか。
そう決心した。そしてその場はより騒々しくなると思ったが実際にうるさくなることは無かった。むしろさっきよりも圧倒的に静かになり、神…は一言も発さなくなった。理由はわからない、しかしこれは好都合。煽っておこう。
「え、喋んないのー?ミュートか?急に黙りだすってことは大声出して怒られたのかなぁ?人に自分のことを神と呼ばせてくる中二病にはうってつけの症状だな!!反論しないのか?反論しないのかーい?何が罰則・罰ゲームだよ!はやく元の場所に帰せ!」
急にしゃべったと思えば雑音が多くて思っていた感じとは異なったうるささがおそってくる。ただ、その雑音には別の人の声が含まれていた。俺は好奇心で耳を澄ませ、その音を聞き分けてみる。
「また神を名乗っているの!?前に怒られたばっかりでしょう?あんたまだ見習いなんだからやめなさい!ちょっと、リカコ!聞きなさい!!」
実におもしろい。いわゆる親フラなのだろう。しかしその声が発した言葉には驚くことが多かった。まず一つはあいつが神の見習いで、神でも人でもないこと。そして二つ目は親がいるのかということ。最後にゲーム内の罰則なのにあれは機械ではなく本物の生き物だったのかということ。
頭の中の疑問は増える。この際、この世界にどうやっているのかなんてどうでもいい。
「あのゲームは何?」
考えているうちにみるみると時間が過ぎていく。頭の中にあの神もどきはいない。現状でも声を発していない。
俺は考えることに飽き、眠ろうと布団に入った。そのジャストタイミングで侍従長から従業者全体に招集がかかった。
「全体、ホールに集合なさい!」
…頼むから寝させてくれよ。
読んでいただきありがとうございます!!!
日数経過が少ないのは技量及ばずなこともありますが、世界0s,異世界4dくらいで終わらせるつもりだ。ということもあります、




