帰還
第二王子とレラ。間に入るものは居ない。公開告白によって、先ほどまでの自信と語気はどこかに消えてしまい、もじもじと小さな声でぼやいている。
恥じらって小さくしか言えない返事、その声を拾おうとする王子。周りの者たちは息を呑む。
「ぃ…ぁぃ、…。はい…スゥー…フゥー…。はい!喜んでお受けします!」
皆沸き上がった、それと同時に他の者達もそそくさとペアを組み始めた。
では、ソルリと第一王子はどうだろうか、大事なのはこっちだ。正直レラが健全な動きをしている以上、監視下に置く必要はないだろう。
不幸なことに第一王子の方向へ、レラに集まっていた複数のご令嬢が近づいていくのが見えた。
「…まずいな。」
俺はレラの近くから離れ、彼女らと同じように移動した。俺がそこに着いたとき、第一王子達が話している声聞こえた。
「俺に、誰もよりつかない訳ではない。わかっただろ?そして、俺はそんな中でお前を選んだ!分かってくれたか?さぁ、俺の手を取ってくれ。」
「私が一番ですわね。心配なんて、してなかったから…。当然ですよ。」
OK、もういい。これで俺は帰れる…。これで油断するなと言う方が無理がある。
その予感が外れることはなく、舞踏会は円滑に終えた。そして二組の婚約者ができた。
これが完勝である。
「いやぁお見事ですね。」
神が言った。その言葉と同時に、俺は激しい立ち眩みに襲われた。意識が遠のいていく。声をかけるものは一人もいない。それでも良いだろう。
目が覚めた時にはあの時と同じ場所にいた。美しい庭園、背の高い女性。初見では美しいと思えていたその人は、今や憎たらしい他ない。
彼女は前とは異なりすぐに口を開いた。
「おつかれ~。エンディングは見るかい?見る気なくても私だけで見るけどね。」
読んでいただきありがとうございます!!!
これ、終わります。終われます




