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何もしない

遅刻しておいて堂々と高らかに名乗りを上げる。それは、失礼極まりない行為であり、ありえない行動である。それでも彼女の下には多くの視線が届いている。それも決して冷え切った眼差しではなく、羨望半分見惚れ半分に見える。

そして肝心の第二王子も同じである。つまり、晴れて本家と同じ状況になったわけだ。…本家と同じか。

(本家通り→王子が色仕掛けに負ける→会場内で王子行方不明→中止→ダンスがない→帰れない)

先を考えれば考えるほど俺にはもう、どうすることもできないのだと痛感した。

諦めて次の舞踏会までの残り日数を考えていると、いつの間にかレラの周りにはたくさんの人がたかっている。その結果、会場は大きく3つのかたまりに分かれてしまった。一つ目はレラの集団、二つ目は王達のいる司会ゾーン、そして三つめは第一王子。

第一王子だけはレラに目もくれず、自席で座り込んでいる、どうせ自分には大量に集まってくると高をくくって待っているのだろう。しかしその予想はレラによって大きく外れ、囲っているのは今や一人だけ。

その一人がソルリ!?ソルリだ!勝った!!これは勝った!!勝ちました。あとはレラを抑えてるだけで完勝ですね。突然、とめどないやる気が心の奥から湧き出してきた。

ちらちらと第一王子の方を都度都度確認しながら、レラの様子を見ていた。レラは第二王子との会話を多くの人で妨げられ、困っている。そして俺へ助け舟を出すように指示しているが、そんなこと知ったことではない。

「俺は!俺が勝てればそれでいい。」

口パクでそう言った。

それにしても、ソルリ達は会話を一度もしていない。はよ話せ、はよ引っ付けと直接言いたいほどにじれったいものだ。正直、遠すぎて表情は全く見えないのだが、まぁ気まずい感じだろう。

突然、王が口を開いた。

「これより、ダンスを開始せよ。音楽は2分後に流させよう。」

この発言は5分しか経過していない段階でなされた。この時間が短縮された理由は明白だ。

一人、男には興味を示さず食事ばかりしているもの、遅刻をしたうえ第二王子の客を無に帰したもの、第一王子とのサシなのに一向に話さないもの。これを見て誰が10分も待とうというのか、いや待たない!

この言葉を聞いて即座に第二王子が言った。

「レラ・ジャルストリア、私と一曲目を踊ってはいただけないだろうか。」

レラの返事は人混みによってかき消されていた。第二王子は立ち、進む。そしてレラを囲っていた者達をモーセのようにはけさせてからもう一度言った。

「一曲目は私にしないか?」

読んでいただきありがとうございます!!!

回らん、終わらん、やばいって。

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