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詰み

ソルリ達が出発してから十分な時間が経ったと思うのだが、肝心の馬車はなかった。焦り、疑問、恐怖。様々な負のものが頭を覆う。門の前で立ち尽くしていると、後方から馬の嘶きが聞こえた。

その方向を覗けば、抵抗する馬に無理やり騎乗し、手なずけている真っ只中のレラが見えた。十秒もしないうちに、馬は暴れなくなり、大人しく彼女の下となっていた。そのまま俺の方向へ馬に乗って近づきながら言った。

「乗馬を勉強していて良かったわ!さあ、摑まって!そのままお城へ直行よ!」

馬の上から差し伸ばされた手をとる。馬の速度は徐々に上がっていく、それに呼応して俺の腕は引きちぎれそうになった。到着まで位は我慢できると踏んでいたのだが、さすがに辛かったもので「痛い」と声を上げた。途端に俺の体は軽くなり、スレスレだった地面は上空に存在している。驚いたことに、身体が宙を舞ったのだ。ドスンと衝撃が来た時には、身体は馬の上にあった。

とてもヒロインの所業とは思えない豪力だった、やはり再現をしているというのは嘘だ、嘘だろう。

馬も馬で異常な速度を出しており、5分もしないうちに城へ到着してしまった。

唖然として城を見上げてみれば大きな時計が一つ、シンボルだと言わんばかりに飾られている。その時計はありがたいことにアナログの時計であり、針は16:19を示している。

遅刻なしでの城への侵入は成し遂げられた。ありがとう、神よ…。

「今、あなたの神である私を呼びましたか?」

「呼んでいない。」

17:20、城内に鐘の音が鳴り響く。それがおさまるとともに、この舞踏会の司会者と思しき国王が話し始めた。

「これより第二王子、カファリ・トランディアの誕生日記念パーティを開催する。皆、飲料を掲げ、祝せ。Cheers!」

俺はレラに語り掛ける。

「レラ様、舞踏会が始まりましたね、ダンスが始まるのはここから15分後ですのでそれまでにどうぞ親交を深めていらしてください。レラ様?レラ様!?」

俺が語り掛けたと思っていた隣には誰も居なかった。城の内部へ入ってきた時にくぐった大きな扉が今になってギーと音をたてて開いた。まさかと思って恐る恐る扉の方を見た。

「遅れて申し訳ありませんわ!レラ・ジャルストリア、たった今参上しました!」

彼女の表情からは反省の色が一滴も見受けられない。その代わりに皆が許してくれるどころか深い興味を持つだろうというとてつもない自信がその顔から読み取れた。

読んでいただきありがとうございます!!!

足る!樽!多分!

後、今ネタが切れ気味なので次にするものの提出が遅くなるかもしれない。

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