罰ゲーム in 罰ゲーム
周囲は起きていない、時刻は15:00だ。それに加えて侍従長にすら起こされていない。
これらから導かれる答え。
「時計が壊れているんだ!そうに違いない!!そうだ、太陽の位置を見れば良い!」
窓を開け、身を乗り出して太陽を探した、しかしそれは見えなかった。影からして、真上より少し傾いた位置にあるのだろう。だが、この行為には何の意味もない。
なぜなら俺はこの屋敷がどの方角を向いているのか、この3日で一度も気にしたことがない。つまり現在、太陽がどの方向にあるのかが分からないのだ。それに気づいたのは数分後のことだった。
俺は少し焦ったそぶりをしながら広間へ移動した、そこに居たのはアジラル、レラ、ソルリの3人と付添人2人。
…。ははは。
なるほど…。やらかしたっぽいね。
レラは俺を見るや否や言った。
「リキッドさん、お待ちしていたのですよ?」
これから説教…か。
「これからゲームをこの6人でする。それもこの私がわざわざ参加するゲームなのよ?一緒にできることを感謝なさい。」
説教…ではないな。
しかしこれはどういう状況なのだろう。3人のお嬢様方はドレス姿、他の付添人達はいつもの恰好。そして俺も同じくその恰好。そんな6人で舞踏会前にゲームとは一体どういうことなのだろうか。
アジラルが高々に宣言する。
「競争を学ぶも教育!とお父様とお母様に許可をいただいて開催しているので、安心なさい!この許可を得たということは。ありますよ!!!罰ゲーム!!今回、付添人とチーム戦を行いますが、負けたチームは庭の掃除を一周分してから、舞踏会に来なさい。もし馬車に乗り遅れてもうちの馬車が往復しているので2週目に遅れなければ間に合います!では、5分の練習、開始!!!」
そんなわけで突発的なゲーム大会が開かれた。ゲーム自体は昨日と同じものだ、一つ違うことは人数が単純に2倍であることだ。
平等な5分の練習時間は遅刻への責任追及として俺たちのチームだけ消え失せてしまった。
練習時間が終わり、試合が始まる。
思いのほか、終了の音はあっという間に鳴った。
あろうことかアジラルとソルリの2チームが結託してきたのだ。当然なる集中砲火によりHPはみるみるうちに減っていく。もちろん俺とレラのHPが。あっという間にHPは尽きた。
負けたのだ。
ソルリはスカッとしたような表情をして言った。
「罰ゲームが懸かっていたにもかかわらず、私の麗しさに焼かれ、手加減しましたの?それでも負けは負け。お掃除、頑張ってくださいな。そこの寝返り男と一緒にね!」
罰ゲームを出された段階では、気にしていなかった事実が脳に張り付いた。庭を一周、それは途方もない距離である。そんなことを忘れようとしながら掃除を始めた。
中央からレラとは反対方向に進む。俺が庭の1/3を進んだ時、アジラルとソルリ達は16:00の馬車に乗って城へ行ってしまった。
庭の2分の1を終わらせた、しかしレラが来る気配はない。
5分の3。
3分の2。
5分の4。
あと少しで終わる…、しかし一度もレラを見ていない。
なぜだろう。俺が置き去りにされたのか…?そんなことを考えながら最後の角の掃除へ移動した。
その角でレラを発見した。彼女の手には先ほどのイメージとはかけ離れた色の布が携えられている。
「・・・」
「あっ、ごめん!掃除サボっちゃった☆でも許してくれるはずだよね!掃除が終わったんだったら行こっか、お城に」
読んでいただきありがとうございます!!!!!
終わりが見えた。話数はまだ足りないのかも。




