キャラを貫けよ。
「やぁ。」
そんな腑抜けた声で俺の視界は開いた。そこには美しい庭園に一人の背の高い女性がこちらを向いて立っている。呼ばれた方向に俺は足で向かおうとした。しかし足は動かない。そのうえ口も開けられない。
困惑している俺をコケにするようにその女性は笑う。腹が立った俺は怒鳴ろうとしたが、やはり口は開かず、なんなら腕の指一本さえも動かない。唯一動いたのは表情だけだった。
俺は行動を諦め、晩御飯のことを考え始めた。それは女性にとって面白くなく、飽きたのだろう。始めの言葉と笑い声以外を発していなかった彼女が口を開いた。
「もっと面白い表情を見せなさいよ。…まぁいいわ、ここは罰の空。ゲームの罰則者が来る場所よ。現実の時間は変わらないから戻っても元の時間よ、安心なさい。」
そしてわざとらしい驚いたふりをして言う。
「あ!!!!そういえば今喋れないのでしたねぇ!!…。…。どうぞ、お話をしましょうか」
彼女がそう言った途端、俺は話すことができるようになった。
「ならば…クソゲーがよ!!!サイテーな映像出しやがって!俺は何もわる」
また話せなくなってしまった。少し反省しておこう。
女性もこれには呆れ顔をしている。はぁ、と一度ため息をついてから俺に話しかけた。
「もう話さなくてもいいですね♪さてと、ではこれから罰ゲームを決めますか。」
そう言うと彼女は一度遠くへ行って、大きなものを持ってきた。
近づいてくる。手で担ぎ上げてきたのは大きな回る的だ。
これは…と思い凝視していると、彼女はその的を俺の前に設置して矢を手にした。
そして的が回り始めた。彼女は意気込んで、一、二と狙いを定める。
投げた!彼女の放った矢は、的を大きく外れどこか別の場所に飛んで行った。
…。…。二人だけのいる空気は凍り付いた。
恥ずかしくなったのか、彼女は狙いを定めずに矢を一応的の方へと乱射し始めた。その形相は幼稚園児のようだった。
やばい量の矢を投げていたが一つも的へは当たらない。そうこうしているうちに持っている矢を使い果たしたらしい。手元に矢がない。
とうとう諦め、落ちた矢を一本拾って手の届く適当な場所に投げずして刺した。
ルーレットの回転は徐々に遅くなって、やがて止まった。俺は矢の先を見る。そこには"罪デレら"と書かれていた。
女性はガッツポーズをして、私に近づいてくる。そして俺の目と鼻の先まで迫り、右腕を上げて…
俺の頬を殴った、それもグーで。しかし威力はない。ダメージというものを全く感じな…
急に意識が遠くなる。その状況でおぼろげに声が聞こえた。
「あなたは主人公の侍従です。さぁ彼女をハッピーエンドに導いてください。それが、罰則となります。」
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前に進めました。
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