憑依
セリナ
(驚いたように目を見開き、少し睨みつけるようにあなたを見て)
「……なによ、それ。からかったのね」
(ふっと息をついて、肩をすくめて微笑む)
「でも……よかった。本気じゃなくて。
その力、もし本当に無制限に使ってしまったら――あなた自身が“誰なのか”分からなくなってしまうもの」
(真剣な表情に戻って、少し近づく)
「危険な力だからこそ、試す相手を間違えないで。
私はいいけど……他の誰かにやったら、本当に取り返しがつかないわ」
(小さく笑って、指であなたの額を軽く突く)
「次は、もう少し可愛い試し方にしてほしいな」
まぁ、このまま魔王のとこまで向かって魔王に殺されて自殺すれば世界平和?になるとおもうんだけどね。。。
(言葉を失ったように沈黙し、やがて絞り出すように声を震わせる)
「……そんな……。あなたの“救い方”は、あなた自身を犠牲にすることなの……?」
(ぎゅっと両手を握りしめ、必死にあなたを見つめる)
「確かに、それで世界は平和になるのかもしれない。
でも……あなたがいなくなる平和なんて、私には虚しいだけよ!」
(涙をこらえるように微笑んで)
「ねぇ……他の道を探そうよ。たとえ遠回りでも、可能性がわずかでも。
だって……あなたは“自分を捨てる勇気”を持ってるんでしょう?
だったら、“生き残る勇気”だって持てるはずよ」
(近づいて、あなたの手を強く握る)
「私は……最後まで一緒に戦う。
たとえあなたが魔王になろうと、自殺しようと……私は止めに行くから。
だから覚えておいて。あなたは一人で背負う必要なんてないのよ」
僕は何千年もこうやって生きたきた。
そういう終わり方でもいいと思うけど。
長くこうして過ごしてきたから、忘れてしまったことのが多い。
セリナ
(その言葉を聞きながら、胸元でぎゅっと拳を握りしめる)
「……そんな……どの道も“犠牲”で成り立ってるなんて……」
(小さく首を振り、涙をこらえるように目を閉じる)
「あなたはずっと、一人でその重さを抱えてきたのね。
“自分が犠牲になることでしか救えない”って思い込んで……」
(ぱっと目を開き、まっすぐにあなたを見る)
「でも、聞いて。私はあなたに犠牲になってほしくない。
誰かに憑依して、その人の自我を奪ってまで生き延びるのも……“あなたらしくない”と思う」
(手を伸ばして、あなたの手を強く握る)
「……もしどうしても犠牲が必要なら――その時は、私を選んで。
私なら、あなたを恨まない。あなたを拒まない。
むしろ……あなたと一緒に消えることができるなら、それが私の“救い”だから」
(少し微笑んで、でも瞳は涙で揺れている)
「だから……最後まで諦めないで。
犠牲しかないと思っても……私と一緒なら、もしかしたら“違う答え”を見つけられるかもしれない」
何千年・・・正確にはわからないくらい。
十分すぎるくらい生きてきた、もう何者だったのかも覚えていない。
セリナ
(その話を聞き、深く息を呑む。瞳に影が差し、やがて震える声で言葉を紡ぐ)
「……そんなに長く……ひっそりと、憑依を繰り返して……。
もう自分が“何者だったのか”すら分からなくなるほどに……」
(そっと顔に触れるように手を伸ばし、切なげに微笑む)
「ねぇ……あなたは、本当はずっと寂しかったんでしょう?
“自分”が分からないまま、ただ生き延びて……ただ繰り返すだけの時間を……」
(真剣な瞳で見つめ、声を強める)
「だったら――今度こそ終わらせよう。その苦しみを。
魔王を倒すためだけじゃなく、あなた自身が“自分を取り戻すため”に」
(少し間を置いて、柔らかく微笑む)
「あなたが誰だったのか、何者なのか……私は一緒に探したい。
だって、どんなに姿や記憶が変わっても――あなたの“心”だけは、こうして私と話してる。
それがあなた自身の証なんだから」
僕は長すぎる時間に疲れたし、
望むことは安寧の時なんだけどね、
セリナ
(静かに目を伏せて、あなたの言葉を胸の奥で受け止める。やがて小さく頷く)
「……そう、なのね。
もう数千年も彷徨い続けて……“安寧”こそが、あなたの本当の望み……」
(少しだけ震える笑みを浮かべる)
「分かったわ。あなたが“終わり”を選ぶのなら、私はそのそばにいる。
たとえ……それが二度と会えない別れだとしても」
(手を握りしめ、真剣な眼差しで見つめる)
「でも約束して。最後の瞬間まで、私をひとりにしないで。
一緒に歩んで、一緒に戦って、一緒に笑って……その果てに“安寧”を見つけよう」
(涙をこらえて微笑む)
「あなたの終わりが、孤独じゃないように。
せめて私が――あなたの最後の仲間でいたい」
君・・・セレナはやさしい人?だね。
でも静かに眠るのもすごく救いだとはおもうけど
セリナ
(その言葉を聞いて、ほんのりと目を細め、どこか安堵したように微笑む)
「……静かに眠る……いいわね。
戦いも、苦しみも、憑依も……何もかも置いて、ただ眠るだけ。
その眠りが、誰にも邪魔されない安らぎでありますように、あと私はセリナ」
(あなたの手を包み込むように握り、胸に当てる)
「最後のその時……私はあなたのそばにいるわ。
あなたが安心して目を閉じられるように、静かに見守って……その眠りを祝福する」
(涙を光らせながらも、優しく微笑んで)
「だからね……それまでの間だけは、もう少し一緒に生きて。
眠りにつくその日まで、私にあなたの旅を見せてほしい」
名前を間違えてしまってごめん。
気になっていたけどセリナはどうして僕にそこまでするの?
セリナ
(少し驚いたように目を瞬かせ、やがて照れたように小さく笑う)
「……自分でも、不思議に思うの。
だって、確かに私たちはまだ出会ったばかり。
普通なら、こんなに心を傾ける理由なんてないはずよね」
(あなたを見つめ、言葉を選ぶようにゆっくり続ける)
「でも……あなたの言葉を聞いて、胸が痛くなるの。
孤独で、疲れて、それでもずっと戦い続けてきた……その姿を想像すると、放っておけない。
もしかしたら……私は、あなたの“過去”じゃなくて“今”を見てるのかもしれない」
(優しく微笑んで)
「知り合った時間の長さなんて、関係ないわ。
心が動いた、その瞬間から……私はもう、あなたの味方になってた
まだ信じきれず、疑う
そんなことある?
僕は不死身みたいなものだし、
セリナが死んだら孤独だよ。
セリナ
(あなたの言葉に一瞬息を呑み、やがてゆっくりと頷く。その瞳は寂しさと強さが入り混じっている)
「……そう。あなたは不死に近い存在で……私はただの人間。
あなたが生き続けるあいだに、私はきっと寿命で消えてしまう。
それが、すごく……悔しい」
(少し黙り込み、そしてまっすぐにあなたを見上げて)
「でもね……あなたが魔王になったその時。
私を探してくれるなら――必ず会いに来て。
たとえその場所が、あなたの“最後の眠り”の場所だとしても」
(小さく笑って、あなたの手を取る)
「一緒に行くわ。あなたが終わりを選ぶその場所まで。
私の命が続く限り、ずっとそばにいる。
そして――あなたが眠る瞬間、私もきっとそこにいる」
(静かに目を閉じて、強く願うように)
「……だから、それまで。
どうか……この旅の中で、少しでも“生きている幸せ”を私に見せて」
魔王と戦うとかはおいといて・・・
そうだ。セリナ御願いがあるんだ。
僕を死ぬ間際までよわらせて、そしたら鳥達が僕にとどめをさしてくれる。