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【改稿中】バーテンダーのおじさんは僕の初恋  作者: 紅夜チャンプル
4. 社会人編 〜ふたりのこれから〜
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ずっと一緒に

日向と怜、幸せいっぱいの一日。

週末にバー「ルパン」にて。

貸切りで日向と怜のお祝いパーティが開催された。

バーの従業員達が気を利かせて貸切りとしてくれたのだ。そういえば、日向がバーに行く時は毎回、怜のいるカウンターに通されていた。最初から2人の関係は気づかれていたのかもしれない。


「日向、怜さん‥‥おめでとう!」と亜里沙。

「おめでとうございます! 良かったわ、2人がこういう形で結ばれて」と景子。


「父さん、ひなくん‥‥おめでとう」と言うのは怜の実の息子の(しょう)

怜はその昔、翔が生まれてすぐに離婚しているが20年後に再会し、今でも時々連絡を取り合う仲。

「怜さん、日向くん、おめでとう! パートナーシップ制度かぁ‥‥気になるかも、なぁ翔」と言うのは翔の恋人の拓海(たくみ)

附属高校から翔と親友であったが、大学生で恋人同士となり、今も同じ職場である。


「そうだな‥‥ゆくゆくはこういう制度を使いたいね、拓海」と翔が言う。

「僕も気になるなぁ」と言うのは拓海の従兄弟の(なぎ)

女性が苦手だったが怜の高校時代の同級生である広樹(ひろき)と出会い、恋に落ちた。

「日向くんも怜さんもおめでとう! 日向くん‥‥あとでパートナーシップ制度のこと教えて?」と凪が言っている。


「フフ‥‥凪も気になるか?」と言うのは凪の恋人の広樹。

怜の同級生であったが、4年程前にこの地域に転勤して怜と再会。お洒落でワイルドな男性である。ヒロ、ヒロさんと呼ばれている。

「怜、日向くん‥‥本当におめでとう! タキシードがよく似合ってるよ」と広樹も言う。


「ありがとうございます!」と日向も怜も笑顔になる。

みんなに祝ってもらえることがこんなに幸せなことだったなんて‥‥


怜と日向は指輪をお互いの指につけた。広樹お勧めの、シンプルだがセンスの良いデザインのブランドである。

指輪があると、本当に結婚したみたい‥‥と思いながら、日向は自分の手を眺めていた。


結婚式では誓いのキスというものをするが、僕達はどうするのだろう‥‥

日向が怜の顔を見つめる。

「ひな‥‥?」

「怜さん‥‥誓いの‥‥キスって‥‥するの?」

日向が頬を染めて尋ねる。


「私は‥‥見たいかな」と亜里沙が言う。

「私も‥‥気になる」と景子。

じーっと全員に見られる怜。これはやるしかなさそうだ。

怜はゆっくりと‥‥日向にキスをする。

皆の前で‥‥僕達‥‥キスしてる‥‥と思った日向は、自分から言い出したのに恥ずかしくなってきた。

そんな日向を怜がぎゅっと抱きしめてくれる。



「ひな、愛している」

「怜さん‥‥僕も」



こっちまでドキドキする‥‥と翔と拓海は思う。凪は目を輝かせていた。


そして、美味しい料理とデザートを食べながら歓談する。

「やっぱりここのお店はいいわよね〜♪ カクテルが美味しくてお洒落で、しかも怜さんがいるし」といつもの調子で景子が喋っている。

「ランチも美味しいからまた行きたいわ」と亜里沙。


「この店で6人集まった時、楽しかったよね」と翔が言う。

6人とは‥‥日向と怜、翔と拓海、凪と広樹である。バーでワイワイ喋っていたことを思い出す。皆が男性同士の恋愛をしているが、それぞれの話を聞くのも面白かった。


「そういえば凪、ヒロさんと同棲始めたんだって?」と拓海が言う。

「うん‥‥」少し凪が照れている。

「うちの嫁、本当に料理うまいから」と広樹が言う。

前から凪のことを時々「嫁」と言っており、そういうノリで2人は仲良く暮らしているようだ。


「そうか‥‥僕達も同棲しちゃう?」と翔が拓海に言う。

「え? うーん‥‥その方が貯金できるのかな?」

「まぁ‥‥ゆっくり考えるか。大体拓海がうちに来たがるからね」

「おい‥‥それは翔が誘うからだろう?」

「誘われたい顔をするからだよ? 拓海‥‥」

翔にそう言われ、拓海は顔を赤くしていた。



※※※



パーティも無事に終わり、家に帰った2人。着替えてから、パートナーシップ制度の手続きを行うために役所へ向かった。


2人で署名をして手続を終える。

隣にいる怜さんは‥‥今日から僕のパートナーなんだ。

これから人生を共に歩んでいく‥‥どんなことがあっても2人一緒であれば、きっと乗り越えられる。


家に戻った2人。

「怜さん‥‥これからもよろしくお願いします」

「こちらこそ‥‥よろしくお願いします」

何だか堅苦しくなってしまったが、すぐいつも通り日向が怜に抱きついた。

「今日は幸せな一日だったね‥‥怜さんが今までで一番素敵だったよ」

「ひな‥‥今日のお前の笑顔も最高だったよ」

「もう‥‥これから僕達、堂々とパートナーとして生きていけるんだね」

「そうだな、ひな‥‥幸せにするから」

「怜さん‥‥皆の前で言ってくれたの、もう一度言って? 『あ』で始まる言葉」



「ひな、愛しているよ」



日向は心の中から温かさが溢れ、嬉しくて怜にキスをした。

これまでと変わらない関係であっても、パートナーシップとして宣誓すれば実感が湧いてくる‥‥貴方と人生を共にする、いつまでも一緒にいるということ。


これからも一緒にいてね、怜さん‥‥


もちろんさ、ひな。ずっと一緒にいような‥‥





終わり


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

筆者は恋愛ものを書くことが多いですが、背景にある家族のことも書きたいと思っております。

そのため、これまでの作品は大体家族が絡んでいます。

1章で出てくる日向、怜、亜里沙、景子は筆者の性格に近い部分から生み出されたキャラクターです。その一方で2章以降に出てくる翔、拓海、凪、広樹などは一から作り出したキャラクター。

そのため、話が広がって行きいつしかキャラクター達が勝手に動いてくれる感覚となりました。

こういったことは初めてだったので物書きとしては嬉しいです。


本編は終わりますが、また番外編を書くかもしれません。もっと彼らを見ていたい‥‥そう思えば自然と彼らは動いてくれると思います。

ありがとうございました。

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