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夜の宴会場

作者: 空野むすぶ

私の父は変だ。

真夜中の2時父は決まって家を出る。

どこに行っているのかも分からない。

わかっている事は「真夜中の2時」に

おもちゃを貰った子供のような顔をして

家を出るという事だけだった。

そんな、父の行動が気になりながらも

私は今日も眠りについた。ある日の真夜中

父がいつものようにどこかに行く

準備をし始めた。私は思い切って聞いてみる事にした

「お父さん、どこに行くの?こんな時間に」父は言った

「大丈夫だ、少し買い物に行くだけだ。寝ていなさい」

私はそれ以上何か言うのをやめて部屋に戻った。

もやっとした気持ちの中に苛立ちがあった、私

は覚悟を決めた。父が家を出ててからまだ

「5分程度しか、経っていない今なら追いつける」

好奇心と不安それから苛立ちも加えた

何とも言えない感情のまま私は着替えて父を追った。

しばらく歩いた、5分?いや10分だろうか。

父には無事に追いつくことができた

「誰かの尾行なんて初めてだな」そう思った頃には

もう不安と苛立ちより好奇心が私の心を覆っていた。

父が家の裏にある団地のすぐ

横の竹やぶに入るのが見えた。

団地の公園の滑り台からなら見えるだろうか。

そう思いながら滑り台の1番上まで登った時。

私の心は好奇心や苛立ち不安を

全て忘れていた。まるでこの世の世界とは

思えない光景が私の視界を瞬く間に奪っていた。

尾の数が多い狐顔をした生き物

それから、これまた尾の数が多い猫のような生き物。

この世のもの達ではないであろう生き物達と

父が酒片手に呑み踊っていた。

竹やぶの中なのにまるでそこだけが別の世界のようだ

何故だか、恐怖心はなかった。とても楽しそうだった

私はそっと1人。あの光景を噛み締めながら家に帰った。

私が家に帰り、小1時間程経った頃

父も家に帰ってきた私は父に

「私も大人になったら混ざれるのかな」と言い残し

眠りにつくことにした。

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