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マリアナに七面鳥狩り (凹負け編ー1!)

敵の編隊が発艦したそうだ。>GPS衛星の情報。

我々は敵の進行方向に向け発進。


我等、烈風戦闘隊はお守りもなく、純粋に対迎撃戦に徹する事を命じられた。


有り難い!!

艦隊の防空も凄い防空設備で万一、我等を通り抜けても敵は帰る事は不可能だそうだ。


岩本総隊長の指示に従い、敵の上空700mを進撃。


>高度5000m。


「こちらイワモト、間もなく敵が翼下に見えるハズだ。

良いか?一番機の指示に従い撃てと言われたら撃て。

逃げろと言えば逃げろ。

指示に従わないヒヨコは・・帰れないぞ??

ヨシ、見えて来た。 5秒前・・・・ッテ~~~!!突っ込め!!」


岩本の号令で全機がバンクして次々に敵、グラマンに襲い掛かる。

敵は欧州戦線のエースとか言うが、大半が陸軍航空隊上がり。

洋上での戦闘は初めてだそうだ。


我等は海上戦闘に特化した烈風戦闘隊。

如何なベアキャットと言えども負けないぞ!!


と、気合入れて突っ込んだのだが・・。


様子がおかしい・・。


敵はいきなり襲われパニックになってたのだ。

護衛すべき雷撃隊、爆撃機を放り出し逃げ惑ってた。

だがココは母艦を遠く離れた洋上。

帰ろうにも方向を喪失し逃げ回ってるルーキーには荷が重い。


それを見逃す岩本では無かった。


「こちらイワモト、敵はタコばかりだ!!ヘボから食え。

逃がすな!!殲滅しろ!!」


烈風は性能も互角なベアキャットに負けて無かった。

元特攻隊のヒヨコとは言え、ここ数か月。

寝る時とメシ食う時以外は毎日飛んで訓練してたのだ。

二か月で平均600時間、それだけ飛べばヒヨコでも燕にはなれる。

ベテランなら鷲に戻れる。

末期だった海軍戦闘隊が烈風と訓練時間を得て、開戦時以上の練度を取り戻してたのだ。

ヒヨコも烈風の性能を把握し、烈風の性能を充分に発揮出来てた。


逆にベアキャットの編隊は機の性能は良いのだが、離着艦訓練のみで戦闘訓練、

航法訓練がおなざりで、洋上を飛行するのも初めてと言う連中が大半。


これも先の潮岬沖海戦で鍛え上げたF6F戦闘隊が壊滅した事が大きく関わってた。


昭和18年から逆転してた日米の技量の差がまた逆転した一瞬だった。


ベアキャットは腕のあるパイロットが乗れば烈風と言えども苦戦は必須の名機。

だがヘボではかつての零戦がカモになったのと同じで、彼等はカモに・・。


いやマリアナ沖の七面鳥狩りとなったのだ。


「ママ~~~!!助けて~~~!!」


「お・・オレの腕がぁ~~!!」


空母の無電室にはベアキャットライダーの最後の悲鳴が続々と入ってる。

止めろとは言えない。

彼等の辞世の句なのだ!!


「長官、敵は強いですね。」


「ウム、JAPと侮っててはならぬが、まさかこれほどとは・・。」


「先日まではスーサイドアタックしてたカモとは思えません。」


燃料不足でロクな訓練も出来ず、飛んだら終わりのカミカゼの連中が何故??


回答を見だせないまま、彼等の辞世の句を聞き続けていたのだ。



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