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第4話 新生真下家始動

タイトルをこっそり変更しちゃいました。

これからもよろしくお願いします。

「え?名前ないの??」

「『モリノヌシ』ッテ、イワレル。ナマエ?」


 場所を庭から、居間に移しコーヒーを飲みながらそう尋ねる。今更ながらお互いの情報確認をしているのだが、触手は日本家屋内の作りと電化製品のレベルの高さに始終驚いてばかりで全然話が進まない。

 テレビなんて点けたとたん敵襲と勘違いして、俺を抱えて逃げ出したくらいだ。真っ先に俺を守ってくれる優しい息子に心がほっこりしたけども。落ち着いた今は俺を抱えながらコーヒーをチビチビ飲んでいる。

 

「んん~~それは名前とは違うなぁ・・・よしっ!しょくしゅの『シュウ』はどうだ?」

「シュウ!ボク、シュウ!!」

「気に入ったか?シュウは俺の国の字で書くと『秀』って字な」


 そう言いながら、亘はノートに『秀』の字を書きながら説明していく。


「『秀』は優秀の秀で、すぐれているって意味があるんだ。シュウは俺の自慢の息子だからな」

「シュウ!!カアサマ!アリガトウ」


 名前をもらったのが嬉しいのか、触手をクネクネさせより強く抱きつく。

 シュウに抱き込まれたまま、亘はノートを広げこの世界の説明とシュウ自身の話をまとめていく。


《シュウによる世界観の説明》

 今いる場所は、人間領地と魔族領地の間にある『不可侵の森』と呼ばる滅多に人も魔族も足を踏み入れない最恐スポット。シュウはそこで『森の主』と呼ばれ恐れられている。

 森の中には毒草や薬草が豊富にある。

以上。


少なすぎる!!!異世界での情報弱者は命取りだぞ!なめてんのか!


 しかし、シュウの話を聞いているとこれは仕方がない事のように思えた。

 生まれてすぐに、その見た目の気持ち悪さを恐れこの森に捨てられた為シュウはこの世界の情報が少ないのだ。

 さらに驚く事に、シュウは現魔王の弟だというのだ。しかし見た目の気味悪さから生んだ母は発狂。父である前魔王の命で始末されそうになったが、生来の魔力の強さと防御力の高さから悉く攻撃をはね除けしかたなしにこの森に捨てられたという。

 森に捨てられ約500年。森の植物を食べながらひっそり暮らしているシュウだったが、森に薬草収集や魔獣討伐に来るハンター、『森の主』を討伐しにくる人間軍、政権交代した現魔王(実兄)の命を受けた魔族軍と度々シュウを襲ってくる敵は多いようだ。


え?そんな四面楚歌状態で俺やっていける??

俺非力無力のしがない一般人なんですけど大丈夫?

戦い方とか分からないよ?小学生にすら強く言えないヘタレだけど息子守れるかな?いや、むしろ足引っ張んないかな?


 シュウを取り巻く過酷な状況に、今後の展望は不安でしかない。

 それでも、「カアサマ、カアサマ」と一心に慕ってくれるシュウを見ているとどうしても突き放す事は出来ない。それに、こんな暗い森に生まれたばかりの子供を捨てるシュウの元家族に対して、言いようのない怒りや憤りを感じるので、自分だけは味方でありたいともまた思うのだ。


まぁ、シュウ自身が最強セコムみたいな感じだしなんとかなるか。

それに、ここ100年程は魔族も人間側も大人しいというので諦めたのかもしれないな。

まれにくるハンター対応は、情けないけどシュウにお願いしよう。遭遇した時は全力土下座で見逃してもらおう。うん。


 そう、シュウ自身が強いので亘は楽観的に思うことにした。

 シュウが食べる森の植物にはもちろん毒草もある。毒草・薬草関係なく食べるシュウは、体内でその効能を精製し触手の先から自由自在に出す事が可能なのだ。さらに触手は万能で、形状を自在に変えての物理攻撃も可能。さらに、自分の意思に関係なく敵意を感じたら随時発動する攻撃無効化バリアをもつ防御力の高さもある。他、大きさや温度まで自在に変えれるというので、今は人肌温度の1m大きさになって亘を抱え込んでいる。いい感じ体にフィットしもはや『人をダメにするソファー』だ。一生手放せる気がしない。


スペック高すぎだろうちの子。

こりゃ、当初の予定通り俺の異世界生活は『異世界の森で自給自足生活』方向でいこう。

とりあえず、食糧確保が目下一番の問題だな。


 ブツブツ呟きながら、亘はノートに今後の課題や現時点で分かっている状況を書き込んでいく。そんな亘を気遣ってシュウは静かにしかし抱き込む姿勢と巻きつく触手を放すことはなく寄り添う。

 衝撃的出会いをした二人だったが、新生活は穏やかにスタートした。

 





真下家長男、名前つきました!

当初の設定としては、シュウ君は人間も魔族も食べていて、その知識と力も得る能力を持っていたのですが、それはちょっとアウトかなと思い草食系になりました。

その為に知識は主人公とほぼ変わりません。

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