剣の名は…

最果ての勇者

王都から最も遠く、魔界に最も近いその地にその剣は立っている。

かつて魔王から奪いしその剣は今は聖剣と人々に崇められただ静かにその時を待つ。その剣の名は…

その昔、二人の勇者がいた、魔王が進行せしおり最も早く魔王と対峙した勇者ルス、そして王を魔王の刃から守りし勇者ライトス、今夜はその二人の話をしよう。

まだ人が石の道具を使うころ、このグランバニア大陸に赤い星が降り、大陸は分断され人の住む人間界と魔物の住む魔界とに別れた。

二つの大陸を繋ぐのは赤い星に砕かれなかったわずかな陸路のみ、二つの大陸の消して相容れない生き物はお互いに干渉することは無かったのだが…

物語の始まりは銅の時代

星の力を受け不死の力を得た賢者オベルリオス

その娘、時の巫女ルーナは、魔王軍の侵略を予言した。

「牙を持つが獣でなく、言葉を持つが人ではない生き物の群れが、天まで切り裂く剣を持つ魔界の王に率いられ、炎の如くこの大陸を侵略する。」

と…

国王は、すぐさま魔王軍に向け軍を編成し最果ての地に向け進軍させた。

この軍の一番隊の長がのちに勇者と呼ばれるルスである。