Rangers
「俺を嵌めた組織の名、それは」
【pear】
『!?』
『なんだその組織』
驚きを隠せない視聴者。しかし
『お前まだ言い訳すんのか』
『あほくさ』
驚きは一瞬。すぐにその驚きは非難へと戻った。
「頼む。みんな俺を信用してくれ。絶対に白だということを証明してやる。」
「そして俺にみんなの力を貸してくれ。」
そう言って配信は終了。
掲示板、Twitter、YouTubeのコメント欄はやはり大荒れ。
『期待していいのか?』
『いーーや嘘だね』
『とにかく先を待つしかないだろ』
視聴者は今日の配信の意味をよく掴めないまま終わった。
ここから、加藤と組織の長い長い戦いが幕を開ける。
翌日、昨日の配信に至った経路を説明した。
「俺はあの一週間の間、自宅への嫌がらせをされたんだ。」
「リア凸とか殺害予告されるくらいならまいどのことなんだけど、ドアにスプレーを吹かれたり、ポストに変なビラが投函されていたり、手口は様々だった」
『ざまぁwwwww』
『伝えるのおっそwwwwwおっそwwwww』
嘲笑するようなコメントが流れる。
「その中から、組織の業務連絡みたいな書類が混ざってたんだ。組織のやつが沼で良かった。そこに組織の名前が入ってたんだ。」
『ドラマみたいだな』
『見たい』
『みせてくれ』
そうして加藤はその書類をTwitterに上げた。
「その書類に書かれている内容は2つ。ひとつは俺の嫌がらせグループの名前。そしてもう一つは―――
『なんだ』
『なになに』
そいつらが俺に対して苦い思い出がある奴らだったってことだ」
『わぁ!?』
『おもしろくなってきたなあ!?』
視聴者も興奮しているようだ。
「でも、こんな情報じゃ組織の全貌すら掴めやしない。そこでお前らの力が欲しいんだ。」
『やーめた』
『お前がやれよぉ!?』
「うるせぇ!こんなことあんま言いたくないけど、gmみてぇなお前ら視聴者一人一人の力が必要なんだ!」
「つべからニコ生、男子学生からジジイまで、北千住だの自衛隊だの幼女に手マソだの、誰1人かけることのないお前ら視聴者の力が欲しいんだ。協力してくれねぇか?頼む!お願いします!!」
『そこまで言うなら』
『透析も忘れんな』
『面白そうだからやんべ』
熱弁の甲斐あってか、多くの視聴者から賛同を得て、大量の味方を奪い返すことに成功。
「よし、あとはこのチームの名前を決めるだけだ」
『レジディアンズ』
『45組』
『ネ申義塾』
色んなチーム名が飛び交う中
「決めた!ねもうすレンジャーズにしよう」
『さっむ』
『gm』
『さむすぎる』
「うるせぇ!おめェらに文句言う権利なんかねぇよばーーーーーーか」
なにはともあれ、謎の組織に対抗するねもうすレンジャーズが発足した加藤純一サイド。
これに黙っちゃいられないのはもちろん謎の組織。
時同じくしてこちらも大人数のアンチ「梨民」、簡単な嘘に騙された頭の弱い「ツイ衛門」
を取り込み、アンチ活動の勢力を広げていた。そのせいか5chのID無しスレは一層アンチが増え、活気をましていた。
「めんどくさい事になったな」
「こうなったら個人情報ばらまこうかしら」
「だってあいつ奇声あげて騒いでるだけじゃんwwwww大っ嫌い」
「お前らあんなものに屈するな。こっちだって味方は大勢いる。絶対に……。」
…つづく
1話1話を短く、ハイペースに。