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Niconama Champion  作者:
1/2

決意

大幅改訂

もっとリアリティにしたつもり

文法、言い回しにも気をつけたつもり

「あーーー、あーーーー、声聞こえる?」


夜も更け、人々が眠りについた頃、彼の配信は音を確認するところから始まる。

彼の名は加藤純一。またの名をうんこちゃん。

持ち前の話の上手さや、ドラマチックな展開を作り上げるゲーム配信でその視聴者を虜にしていく、今最も勢いのある配信者である。しかし、その人気に動じることなく、いつものように雑談配信を始めたところだ。

それもまた彼の良いところなのかもしれない。


この日もひとしきり他人の悪口を吐き捨てたところで配信は終了。

いつも通りの内容でいつも通りの来場者、いつも通りのコメント。これが加藤純一の配信である。


後日、アメリカ旅行から帰ってきた彼は、その土産話をしようといつもの雑談配信を行う。


「どもーー。加藤純一と申します。いやーーアメリカすごい良かったわ。」


いつもならここで

『やあ』

『待ってたぞ』

『早く追い出せ』

等の至って普通のコメントが画面いっぱいに流れるはずだ。だが、この日は違っていた。


『4ね』

『見損なったわ』

『お前を逮捕しに行く』


明らかに冷たいコメントが画面に流れていた。


「おいおいちょっと待てよ。たかだか一週間足らずの旅行に行ってただけだぞ。おめェらそんなのも許せねぇのか?」


気丈に振る舞う加藤。しかし


『そんな事じゃない』

『人としてどうかしてる』

『gm』


非難のコメントは止まない。


「一体俺が何をしたって言うんだ」


こう問いかけた。すると、


『https://★△○□.com これ見ろ。』


指示されたリンクをクリックすると、信じられないことが書かれていた。


『【速報】加藤純一と蚊の仲違いはやらせだった?【証拠画像あり】 』


「こんな薄っぺらい嘘誰が引っかかるんだ」


『じゃあこの楽しそうな写真はなんなんだ?』

『明らかにお前の顔だぞ』


確認してみると確かに自分の顔だ。


「いーーや絶対コラだね。俺がこんなことするわけないだろ?」


『コラにしては自然すぎないか?』

『しかも目撃情報もあるしな』

『嘘までついてくるしいいいいいいい』


(何かがおかしい。俺はこの二ヶ月間公式放送以外夜に出歩いていないし、ましてやあの男となんて会ってなんかいない。

確かに記事の日付の日だけは配信をしなかったが、体調を崩して休んでいただけだ。)


加藤が必死の釈明をしても視聴者は分かってくれるはずもなく


『お前の放送一切見ないわ』

『コミュ抜けます』

『さっさと4ね』


6万人いたコミュニティの人数は、一夜にして55000人にまで落ち込んでしまった。

大荒れの中加藤は配信を終了させたが、コミュニティの掲示板は大荒れ。


デマで信用を一気に失った落胆は大きく、ぱったりと消息が途絶えてしまう。

いつもなら出演するはずの毎週水曜日の公式生放送にも出席せず、TwitterやYouTubeなどにも一切姿を現さず、加藤純一死亡説まで浮上するほど姿を消していた。


それからおよそ一週間がたった頃、突然彼のチャンネルから配信が始まった。


タイトルは「決意」


『やぁ裏切り者』

『44444444』

『やっと引退を決意したか』


案の定冷たいコメントが流れるが一切そんなものには触れず一言。


「私加藤純一は、デマを流した組織と真っ向から勝負し、壊滅させることをここに宣言致します」


『え?』

『なにこれ?』

『わぁ!?』


疑問の声が上がる。


「そしてその組織の名前は」


「pear」


…つづく

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