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Ⅰ
深い深い森の奥。月の光も僅かにしか届かない森の中に、少しだけ開けた場所がありました。
そこには焚き火を囲んで遊んでいる子供たちがいます。カボチャの形をしたランタンが見守る中、子供たちはずっと遊んでいます。時間を忘れた様に、親など存在しないかの様に。
この森に迷い込み、遊び続ける子供たちを不幸にも見てしまった人々は口を揃えてこう言います。
「あの森はミサの最中の教会のように神秘的でありながら、子供たちはサバトの如く邪悪に満ちていた」
幸運にもこの森から抜け出すことのできた人々は、それ以降誰も信じようとせず、人の視線に恐怖感を感じるようになり、夜な夜な悪夢に魘される様になるそうです。