第7話 パーティをするようです『後編』
「さあどんどん食え!」
「わーい!いっただっきま~す!」
「少しは自重しろよ。」
「優生君も遠慮はいらんから食えよ!」
「はあ……」
ただ今20時、夏生宅にて食事中。委員長は親から許可がおりたらしく一緒にいる。そしてどうやら食事は夏生と春菜さんが作ってくれたようだ。
「さて……食べますか。」
「どうぞどうぞ、」
まずはこの若干焦げている卵焼きを
パクッ
「もぐも……この卵焼き春菜さんがつくったんですか?」
「あらら~違うわよ。作ったのは夏生よ?」
「そーよ!私だって少しは上手くなってるんだから!」
「ふーん……」
なぜこんなに旨い……ありえん。
「春菜さんに手伝ってもらったのか?」
「違うわよ!私1人で作ったのよ!」
「!?」
思わずこけてしまいそうだった
「あと夏生1人で作ったのはそこの唐揚げと天ぷらもそうね~。天ぷらはちょっと手伝ったけど」
「そうよ!」
「どや顔されても……」
「美味し~。ね、秋奈?」
「うん、いったい何があったんだろ?」
「……みんな私の事をどんな人と思ってるの?」
「「超料理が下手な女子」」
「ガクッ……」
ただまあ夏生の料理が旨いのは事実だ。特訓でもしたのか?
「繚輝さん、夏生が最近料理の特訓とかしてました?」
「いや、全然しらないなぁ。本当何があったんだろうか?」
「そうですか。」
「おかわり!」
「あらあら……雪ちゃんったらよく食べるわねぇ。」
「まだ3杯目だよー」
「食べすぎだろ。」
「だって美味しいんだもん!」
「おう、じゃんじゃん食えよ!よく食べてよく遊べ!」
「学べはどこに……」
「知らないなぁ~」
「マジスか……ってかよくあるお父さんが言う台詞ですね。」
「なんてこった。」
「あはは……」
―1時間後
「お腹いっぱいだよ~」
「げふ……もう食えねッス。」
「ごちそうさまでした。」
「ふ~食った食った。じゃ、片付けはしとくから少し休憩してお風呂に入っておいで。」
「え……いいんですか?」
「何いってるんだ、俺と優生の仲じゃないか!」
「じゃあお言葉に甘えますか。」
「とりあえず私たちが先にはいるわね。」
「おう。」
☆☆☆☆☆
―風呂場(途中まで夏生視点)
「おお~。」
「3人一緒に入るのは無理だから交代ごうたいではいるわよ。」
「わかってるって」
あれから30分程たち今はお風呂に雪ちゃんといいんちょといる。
「まずは体を洗いますか。」
「うんー!」
ゴシゴシ……
「しっかし雪ちゃんって綺麗な髪してるわよね?」
「確かに、しかも銀髪だし。」
「人間になる前は毛並みが白かったしね、その名残かな?」
「ふーん……」
さわっ
「にゃん!?」
さわさわさわ……
「ふにゃあ……耳と尻尾さわるの……やめてぇ……」
「すごい触り心地いいんだけど……」
「ふにゃ……もう……だめ……」
バタン
「え、ちょっと?雪?」
「……ふにゃぁん……」
「……気絶したみたい。」
「耳と尻尾は敏感なのね。とりあえず優生に知らせないと。」
「そだね、優生~!」
『なんだ~?』
「雪ちゃんが気を失っちゃった。」
『はあ!?』
「まあ耳と尻尾を触ってたら気絶したんだけどね……」
『マジかよ・・・で、どうしろと?』
「とりあえず雪ちゃん連れて帰って寝かせなさい。」
『わかったが・・・どうやって着替えさせたりさせる?』
「お母さんにやってもらえば?」
『その手があったか』
「話は聞きましたよ。優生君はちょっと向こうにいっててください。」
「うお!・・・びっくりしたあ。」
「そうかしら?まあ早く向こうにいっててください。」
「はーい。」
「どうした?」
「雪が気を失ったみたいです。」
「ええ!?」
「まあ頭を打ったとかじゃないみたいですから大丈夫でしょう。」
「なんだ……とりあえず大事にいたらなくてよかったな。」
「そうですね。」
「優生君終わりましたよ。早く家で寝かせてあげなさい。」
「わかりました。それじゃ、」
「おう、じゃな」
☆☆☆☆☆
「……ふにゃあ」
「何て声だしてんだ……」
今は2人乗りで帰宅中だ。月夜に舞う桜の花びらが美しいな……
「しばらくここで居たいが……こいつもいるしまたあとかな。」
―自宅
「ただいまー」
現在時刻は22時。とりあえず雪を新しいベッドに寝かせて俺は風呂に入るか。
シャー
「くあ……眠いな。はやく出よう。」
ガチャ
着替えると雪は寝息をたてて寝ていた。……ちょっと触ってみようかな
さわ……
「ふにゃ……にゃふん……」
改めて触るとめっちゃ触り心地いいな。次は尻尾を……
「むにゃ……優生?」
「っ!?な、なんだ?」
焦った、急に起きんなよ……
「あれ?私なんでここに?」
「入浴中に気を失ったらしくてな、夏生の母さんに頼んで着替えさせて帰らせてもらったんだ。」
「ふーん……じゃあ優生はさっき何をしてたの?」
「え!いやぁ……別に?」
「ふーん……まいっか、それより、今日は一緒に寝よ~」
「何故に?」
「だってせっかくベッドがきたんだもん。だから一緒に、ね?」
「いやいやいや、2人も入れるくらい……でかいな。」
今気づいたが寝室ギリのとこまでベッドがある。流石に狭いな…
「しょうがない、今回だけだからな。」
「やったー!じゃ、おやしみ~」
「ああ、おやすみ。」
明日はちょっと管理人さんに相談しようかな
さて、夏生の料理がどうなるのかねw