7.劇の後
劇の翌日グレゴリーさんに呼び出された。
「フィオちゃん、この前の劇のイベントお疲れ様! 爆発には驚いたけど、子供達には大人気だったみたいだよ!」
爆発は散々だったが、劇自体は大受けで勇者の聖剣(木製)や、勇者、魔王のマント(レプリカ)が飛ぶように売れている。
吹き飛んだ甲斐があったようだ……。
「それは良かったです。ちなみにー、舞台の弁償ってどうなるんですか……?」
「フィオちゃんは気にしなくても大丈夫だよ! 今回の城門前広場の開店セールは大成功だから、お釣りが来るくらいだよ!」
「それなら良かったー。マルちゃんに色々言われてひやひやしたよぉ。」
「私がどうかしたかしら?」
「げ!マルちゃん!」
「マルちゃん言うな! それに何が『げ!』 なのよ!」
「いやあ、またこの前の劇でのこと言われるかなーと思いましてー。」
「勇者グッズの売り上げが良くなったので、そのことは不問とします!」
「やったー!」
「本当はアルバイトのマルグリットちゃんが言うことでもないんだけどね……。」
「あ、本当だグレゴリーさん!」
「私は将来この商会を継ぐときに備えて大きな視点で話しています!」
「マルちゃんは向上心高いねー。」「本当だよ、おじさんなんてすぐ越されちゃうねー。」
「もう、グレゴリーさんも茶化さないでください!」
「ごめん、ごめん。ところで、この前の劇の企画自体は良かったので、不定期でもいいから、また劇をやって欲しいて上も言っていたよ。それに、新しい企画があればどんどんやってくれって。」
「フィオすごいじゃない! この調子でまた企画考えましょう!」
私は実際にここまでやって思い至った。面白い仕事は自分で作らなくちゃいけない。
「そうだ、グレゴリーさん! なにかしら面白そうなことあればどんどんやってもいいですか?」
「フィオちゃんが今回いい感じにやってくれたからねー。予算が必要なら相談してよ!」
「はーい! どんどんやるぞー! 受付はマルちゃんに任せよー!」
「あんたねえ、私が居る前でそれ言う?!」
「しまった……! つい嬉しさのあまり口が滑ったよ……!」
「まあ、いいわ。フィオーレ、儲かるなら私も協力するから教えなさいよ。」
「ありがとう! マルちゃん!」
「だから、マルちゃんって言うなー!」